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午前四時

 グルッグル鉱山を突き進む。

 採取ポイントをあらかた掘り終わって、グルッグル鉱山でも最深部付近へやってきた。

 たしかに魔物も沢山出て、目の前にはボス部屋らしき扉がある。ここは一応ダンジョンだということか。


「ボス、やる?」

「いえ、レベルも実力も足りてないので引き返しましょう」

「ん、そうだな」


 たしかにこの二人じゃ不安はあるか。

 十分な量の宝石も手に入ったし。


「こんだけ宝石ありゃいいか」

「そうですね。売ればいい金にはなります」

「あ、やっぱ売る用のも採ったんだ」

「はい。工房を持つための軍資金として欲しいんですよ」

「なるほど。そりゃ金がいるわ」


 工房を持つということは鍛治師にとっては重要だからね。金がいるに越したことはない。


「ほんとはもう一個ディヴァインダイアモンドが取れれば理想だったんですけどね……」

「あれ以降出なかったね。運が良かった。ま、どうしてもというのなら条件付きで譲ってもいいけど」

「条件……?」

「私の弓って煌雨の弓っていうレインオルトの鱗から作った弓だけど未完成品なんだよね。これを完成品にしてくれること」

「え、ちょっと見せてください」

「いいよ」


 私は煌雨の弓を取り出す。


「へぇ……。水属性の弓……。この威力でまだ未完成品か……。レシピを見つけないとな……」


 ぶつくさなんか言っている。


「水属性の弓としては最強なんじゃないか……? 属性値も凄いし……究極の水属性弓かなこれ……。これがまだ未完成となると……。完成品はすごそうだ」

「それを完成品に出来たら譲るけど」

「うん、するよ。ただ、レシピが分かんないし、レシピを見つけたとしても多分まだ採取できないんじゃないかな……」

「やっぱり? こういうのって割と終盤とかで手に入れるやつだもんね」

「それもあるけど……。煌雨の弓は図書館にある本とかには一切記載がなかったのもあるんだよ。記載がないからレシピがわかんない。多分レシピがもらえるクエストがあるんだろうけど……」

「誰から受注できるかわからない、か」


 完成品になるのはまだ先かな。


「まあ、してくれるってんならいいよ。あげる」

「えっ!?」


 私はダイアモンドを手渡す。


「い、いいの?」

「こういうのは有効活用出来る人にあげた方がいいっしょ。私が持ってても宝の持ち腐れだって」

「あ、ありがとう! シグレさんほんとに! 防具とか無料で作ってあげるよ」

「ほんと? それは助かる」

「防具とか剣とか欲しかったらメッセージ送って! 最高品質のものを提供するよ! ありがとう!」


 と、めちゃくちゃ感謝された。

 ま、私自身これは売る以外の活用方法がないからね。金になるんだろうけどこういうのは必要としてる人が使うべき。


「今日は何から何まで……」

「いいよ。それより採取ポイントが復活してるんじゃない? そこだけとってから帰ろ」

「そうだね」


 グルッグル鉱山入り口付近の採取ポイントが復活していた。私はピッケルを振り下ろすと、ピッケルがガキン!という音を立てて壊れてしまう。


「うーわっ、壊れた。結構使ったからなぁ〜」

「こっちも今壊れました……。まあ、よく耐えた方だ……」

「ダイアモンドはなし、と。ま、そう何度も出るわけじゃないか……。っと今何時?」

「えっ? あっ、朝の四時……。何時間掘り続けてたんだろ……。明日学校なので急いでログアウトします! あわわ、やりすぎた……」

「こっちこそごめんね」


 グルッグル鉱山から出て、私たちは急いで宿に向かう。

 電脳少女といえど睡眠は必要。というのも、眠くはなるんだよね。3代欲求の睡眠欲だけあるっていう不思議さ……。


 私はログアウトして、そのままスマホの中に戻ると。


「ミノルお腹出てる……」


 ミノルは寝相が悪く、パジャマが捲れてお腹を出して寝ている。

 ったく……。


「ってか、なんで同室じゃないミコトたちもいるんだ? 春雨もなんでこの部屋で……。先生に叱られるぞ」

「そうですね」

「おわっ、真田さん起きてたの?」

「私いつもこの時間に起きるんですよ。それより今さっきログアウトしたんですか?」

「あ、うん。そろそろ寝ようかなって」

「その体でも睡眠はするんですね」

「そ。眠くはなるのよ眠くは。ただ夜更かししても肌荒れとかはしないから便利な体なんだけどさ」

「そこは羨ましいですね」


 真田さんはふふっと笑う。


「ま、真田さんが起きてんなら丁度いいや。ミノルに布団かけてやってよ。風邪ひくわ」

「寝相が悪いんですね」

「そうそう。昔からね」


 真田さんはミノルに布団をかける。


「あ、あとまだ頼み事あって悪いんだけどこのスマホの充電も切れそうだから充電してもらっていい?」

「はい」


 何から何まで申し訳ない。







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