地下大空洞のうわさ
ゲームにログインした。
四人はすでにログインしていたようで、私とミノルの二人が一番最後。
「さて、今日は……」
と、ぽんぽこが話し始めた時だった。
私の背後から私の背中をたたく男がいた。
「よぅ、イベントぶりだな」
「あ、クリンズか」
「てめえらもここに来てたんだな」
イベントで共に行動していたクリンズが私を見つけてあいさつしに来たのだった。
「クリンズは砂漠で何してんの?」
「ん? 財宝探しだぜ。俺らは普段トレジャーハンターとして楽しんでるからよ」
「トレジャーハンター?」
「ああ、ま、お前に特別に教えてやる。俺が手に入れた情報なんだけどよ……。このジュルデン砂漠国の領土のどこかに地下大空洞があるらしくてな。そこにはお宝があるという」
地下大空洞か。
「ピラミッドじゃなくてか?」
「ああ。ピラミッドではねえ。俺はその情報を今探ってんだよ。よかったら一緒に探さねえか?」
「……それって私たちのグループメンバーもあり?」
「構わねえよ。俺らトレジャーハンターグループのTKGと一緒に行動しようぜ?」
という誘いを受けた。私はそのことを告げると。
「宝探しか。面白そうだね」
「じゃ、やりましょう!」
「地下大空洞……。そのようなものができていたら陥没してわかりそうなものですが」
「ゲームだから何でもありだねー」
ゲームだからな。
「っしゃ、決まりだな! 改めて自己紹介だ。俺はTKGのグループリーダー、クリンクリンズ! シグレとはイベントで同じ陣営だったな」
「アカシ。職業は戦士。よろしく」
「俺っちはぐるっちっていうっすよん! よろしくう!」
「ぼくちんはファルファルー。よろしくね」
グループメンバーを紹介したんなら私も紹介しないとな。
「私がまぁ、シグレで、こっちがリーダーのミノル」
「……シグレがリーダーじゃないのか?」
「言い出しっぺがこいつだからこいつ。で、あの可愛いのがミコト、あっちのおとなしそうなのがぽんぽこ」
「褒めるなよ。シグレくん」
「おとなしい……んですかね私って」
「あっちの強そうなのがハルサメで、金髪なのがベルルだ。ベルルはうちのグループにまだ入ってないけど……」
「はぶってんのか?」
「最近始めたばかりで忘れてただけ。あとでいれるよ。これでうちも一通り紹介は終わり」
私はクリンズを見据える。
「まだ、情報はなにもないんだよな?」
「あるってことぐらいしかわかってねえ」
「じゃ、しばらくは情報収集だな。ミノルたちもいいだろ?」
「おっけー!」
「情報は共有すること。一人占めなんてしたら許さないからな」
私がお互いに向けてそう言うと、クリンズはわかってるよと告げる。
「シグレ怒らせたら怖いだろうからな」
「ぼくちん調べにいっていーい? 気になるところあるから調べたいんだけど」
「なら俺っちもいくっすよ」
「あ、なら私も一緒にいいですか? 戦えないんですけど……」
「いいよー。きなー」
と、ぽんぽこ、ぐるっち、ファルファルがともに行動するようだ。
「それじゃ、俺と……ミコトとシグレで行動するか?」
「いいけど、私とミコト?」
「気になることがあるからな」
クリンズに指名されたのでともに行動することになった。
聞きたいことっていったい……。




