勝ちを確定させるには
まだなんとか生き延びられていた。
うちの旗の獲得数を見てみると5個と表示されている。赤2人に白1人、青1人という感じで、うちの旗は残り二つとなっていた。私とハルサメの二人だろうか。
「黒が優勢か」
赤と青は残り旗1人。白が3人。
赤の旗獲得数は3。青は2、白は3。
「青と赤はもう後がないな。整理してみると白のほうが微有利といったところか」
旗役が全滅した時点で負けとなる。
つまり、赤と青は全力で旗を守るしかない。だがしかし、黒は攻めるしかない。というのも、あと2人キルした時点で私たちの勝ちが近づく。
「クリンズ、カイザー。赤でも青でも白でもいい。あと2人旗を取れば私たちの勝ちだ」
「なんでだ?」
「こっちが7個取った時点で、相手は私たちの旗の全滅以外勝つ手段がなくなる」
「そうなのか?」
「一人だけじゃダメなのかよ」
「一人だけだと赤にはまだ負ける可能性が増えるし、青や白には同点となる可能性がある」
「ややこしいぜ……。俺でもわかるような説明はねえのか?」
「うーん。まぁ、とりあえず二人旗を取るだけだ。ごちゃごちゃ考える必要は全くなし!」
だから、あと二つ。死んでも取るしかない。
この事実に気づいている人がいれば、ちょっと楽なんだがな。
私はカイザーたちと共に旗を探すことにした。
赤と青は旗を死守したい気持ちもありつつ、どんどん旗を取っていかなければ駄目。白は人数的には余裕があるが……。その人数が仇となっている。
白二人でも、白と赤でも、赤と青でも誰でもいい。二人さえ倒していればいい。
「いたぜ! 赤だ!」
「っし、やるとしようか。赤がこっから勝つには最低でも四人倒す必要がある。残り人数が旗6人だから赤は4人倒したら旗を守るだけでよくなっちゃう」
「言われてみればそうだな。そうなると俺らが赤を倒さざるを得なくなるというわけか」
クリンズは理解できたようだった。
「なら、死ぬ覚悟で突っ込んでみるかね! カイザーつったか? 俺とこい」
「私は隠れているよ」
「オッケー!」
カイザーとクリンズは仕掛けに行った。
見事に不意を突き、旗役の人をキルした。その瞬間、赤には旗役がいなくなったということで全滅。旗を守っていたプレイヤーはくそっといって、落ち込んでいた。
「あと1人。これで白陣営の勝ちはなくなった」
白陣営は赤と青と黒を狩る必要があった。そうしてやっと互角になる。
だがしかし、赤を狩ったことで白が取れる旗はあと青と黒の二つ。全滅以外の勝ち筋はない。白陣営がそれに気づいた瞬間、ちょっとやばいけどな。
「お、お前は生き残ってたか、シグレさん」
「……お前は」
最初、指示を出していた人だ。
「あんたらだけどこいったかわかんなくてよ。探したぜ。それで、今どういう状況だ?」
「あと旗一つとったら大体勝ち確」
「……どういうことだ?」
私はカイザー達と同じ説明をしてやった。
「なるほど。白陣営はもう全滅以外の勝ち筋がなく、青も頑張って同点優勝、か」
「そういうこと。賞品を独り占めするならやっぱり同点なんて嫌でしょ?」
「なら、旗役を後意地でも一人取らないとな」
すると、黒の旗表示が一つ増える。
「……どうやら一個取ったようだ」
「よし、あとは防衛」
私はみんなを集めろと告げた。




