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第二回イベントの通達

 太陽が眩しくて、私は目を隠す。

 その太陽は、月である私に対して目を塞がない方がいいという。


「そんじゃ、お悩み解決! パーっと探索だぁあああ!」

「はいはい……。で、どこ行くんだよ。また各自で行動すんのか?」

「それはシグレが決めることだよ!」

「は? 私が? いや、この前は指揮をとったけどよくよく考えりゃお前がグループのリーダーなんだし……」

「で、シグレ! なにすんの?」


 と、私に任せられてしまった。

 何をするって言われてもな。


「とりあえずハルサメ。ハルサメはベルルのレベリングの手伝いだ」

「了解であります」

『ベルル、ハルサメとレベリング』

『えー、シグレさんはっ?』

『私は一人。いいでしょ?』

『むー。了解。まあ、フランス語話せる相手なだけいいかな……。言語の壁は厚い……』


 それはベルルの言う通りだな。言語の壁は分厚い。


「で、そうだな……。ミコト、ミノル、ぽんぽこはこの街の探索は多分済んだだろ? やることあるならそっち優先していい」

「オッケーさ。ならば、ミノルくんとクエストに行こうじゃないか!」

「私はとりあえず図書館ですね」

「むー。シグレいっつも私と行動しないー……。この前のピラミッドの時もそうだし」

「いや……。あれはお前が怖がって逃げてはぐれたからだろ」

「うっ」


  まあ、たしかに最近一緒に行動してないな。


「ならしょうがない。ぽんぽこ、ミコトと一緒、頼めるか?」

「わかりました。私じゃご不満ですか?」

「いや、構わないさ。活発なミノルくんでも静寂のぽんぽこくんでも大して変わらないだろう。被弾するかもしれないからタンクとして欲しかっただけさ。その代わり、僕の回復は頼んだよ」

「わかりました」


 戦う系のクエストか。


「じゃ、私とミノルは……。ま、王城の探索に……」


 と、言いかけた時、なにやら通知が届いた。

 他の五人も届いた様子。全員に届いたとなると運営だろうな。

 私たちは運営からの通知を開く。


「第二回イベントの開催決定……」

「へぇ。そういえばそういうの来ていなかったね。前回はなんだったかな」

「前回は脱出ゲームでしたよね? 私たちは参加してませんがシグレさんとハルサメさんが参加したイベントです」

「で、今回の内容はプレイヤー同士の旗取りゲーム、か」


 ルールも書いてあり、参加するを選ぶと自動的に赤、青、白、黒のチームのどれかに分けられるらしい。

 そして、旗役のプレイヤー数人を決め、旗役が最後まで生き残っていたプレイヤー陣営の勝ちとなる……。


 旗役のプレイヤーは攻撃が出来ないが、ステータスが大幅に上昇する。

 旗取るプレイヤーは攻撃が可能だが、ステータスは上昇しないということだ。


「へぇ。参加する?」

「これってうちら同じチームになれるかなー」

「無理だろうね。ランダムで決められるみたいだ」

「でも、面白そうではありますよね」

「なら参加しようか」

「おっけー! 参加すーる、と! これでチーム決められるんだよね?」

「いや、それはイベント当日だろ。一週間後の日曜だ」


 今、決めたら八百長とかありそうでダメだろ。

 ただ、旗取りゲームか。どうなるか分からないが……。


『私参加した方がいーの?』

『あー』


 問題はベルルだよな。

 ランダムで決められる以上、フランス語が話せる人がいるとは限らない。

 そうなると、コミュニケーションが困る。


『今から一週間、死ぬ気で日本語覚えるなら参加してもいい』

『……頑張る』


 どうやら参加する意思はあるようだ。


「よし、ま、今日は各々イベントのための練習といこうか。新たなスキルを得てもいいが、当日まで誰にも話すなよ。敵になるかもしれないからな。よし、解散!」

「むー、また一緒に行動できない……」

『ハルサメー、レベリングー』

『了解であります。シグレ殿、自分はベルルと行動しても?』

『ま、しょうがないだろ。いいよ』


 ベルルは私たちよりレベル差があるからな。











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