表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
184/326

オオツノゾウヘラクレス ②

 オオツノゾウヘラクレス。

 あのカブトムシと同じとするならば、防御が硬いだろう。となると戦うのは基本的に避けたい相手ではある。

 が、私はそんなことはどうでもいい。


 戦いたくなくても、このオオツノゾウヘラクレスが逃してくれるとは限らない。


「…………やるかぁ」

「そ、そうですね。死んでもポイントは減らないみたいですしダメもとで戦ってみましょう」


 私は煌雨の弓を構え、リンドウは馬鹿でかいハンマーを取り出した。

 リンドウがハンマーを振り回し、オオツノゾウヘラクレスにまずは一撃加えた。硬い装甲でもちょっと痛かったのか、少しのけぞった。


 私は矢を放つ。すると、大ダメージが入ったようで、仰向けになって足をジタバタさせていた。


「頭の付け根か! あそこは脆い!」


 弱点が分かったのならそこを攻めるしかない。

 オオツノゾウヘラクレスは起き上がり、ツノをこちらに向けて突進してくる。

 そして、ツノを大きく振りかぶった。私はそれに少しだけ見惚れてしまい、反応が少し遅くなる。


 そして、私の鳩尾にオオツノゾウヘラクレスのツノがモロにぶち当たった。


「うぐっ……」


 私はそのまま吹っ飛ばされる。

 地面に落ちる。私は立ち上がった。防御力はこの皇帝の服や皇帝という種族であることが幸いで、そこまでダメージを受けなかった。

 そもそも防御に特化している分、攻撃力はなさそうだ。


「大丈夫!?」

「なんとか……。リンドウ、まだ来るよ」


 オオツノゾウヘラクレスは一瞬で距離を詰め、ツノで突いてくる。

 私はそれをかわし、スライディングで懐に潜り込んだ。そして、矢を放つ。


 ダメージはまあそこそこ。

 巨体であるということは当てやすい。狙いの的がこんなにもでかいのだから外すなんてことはまずない。


 私は行ける、と頭の中でそう確信していた。


 その時だった。

 オオツノゾウヘラクレスはツノを地面に突き刺した。そして、わたしたちが立っている地面が揺れ、そして、地割れが起きていく。


 オオツノゾウヘラクレスは地面を割り持ち上げた。それを、私たちの方目掛けてぶん投げる。


「なんちう怪力だ……」

「あれは流石に喰らったらまずいですよ! 逃げなきゃ……」

「逃げるって、逃げるってどこに?」


 その地面の塊は私たちの目の前に。

 範囲が広く、躱しきれない。私は影魔法を使った。私の体をすり抜けて、塊は地面に当たる。

 ごめんリンドウ。君までは庇いきれなかった。


 私は地面の上に這い上がり影魔法を解除する。


「リンドウがオフラインになった……。死んじゃったか」


 リンドウのスピードでも躱せなかっただろう。

 影魔法という魔法があって助かった。


「私一人でやるしか無いか」


 私は弓を構える。

 オオツノゾウヘラクレスはまた次の攻撃に移った。何やら足を回している。すると、火の玉がこちら目掛けて飛んできた。


「魔法……!? 魔法使えんのこいつ!?」


 まさかの。

 魔法も使ってくるのはまずくないか? 影魔法の対策方法、こいつが分かったら……。

 ちっ。物理一辺倒でいてくれれば楽だったのに。


 さて、ちょっと頑張るかあ。やれるところまで。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ