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オオツノゾウヘラクレス ①

 あいつらの分も集めるとなると今よりハイペースで集めなくては終わらないだろう。

 13500ポイント。私のは後回しにしても残り12600ポイントを集めるのは時間がかかりすぎる。

 今日一日ファンファンを狩り続けてこのポイント数なのだ。本当にきつい。


「ギロチンクワガタをメインに戦ってくしかないか……」

「あのめっちゃ強そうなクワガタ?」

「カブトは強かったけどクワガタが強いとは限らないじゃん……」

「明らかに攻撃力高そうだけど……」


 いや、まぁそうなんだけど。

 だがしかし、防御力高いというよりかは火力で攻めてこられたほうがまだ比較的マシな気がする。硬いってことはそこまでダメージを与えられないからな。

 私はとりあえずギロチンクワガタを狩ってみることにした。


 森の中に再びリンドウと入り、ギロチンクワガタを探す。

 すると、ギロチンクワガタを見つけた。がさっと音を立てて気が付かれたのか、こちらに振り返り、すごい勢いで向かってくる。

 私は煌雨の弓を構え矢を放つ。ギロチンクワガタに命中し、ギロチンクワガタはそのまま地面に落ちる。


「よっしゃ! 防御は脆い!」

「近接じゃない分ハサミを気にしなくていいのかな……。クワガタはシグレさんのほうがよさそうですね」

「かもな。とどめ」


 私はとりあえずとどめを刺すと、金メダルが二個落ちたのだった。

 私は片っぽをリンドウに投げて渡す。


「えっ、い、いいんですか?」

「一応二人で森に入ったろ。さすがに独り占めはな」

「僕何もしてませんが……」

「いいんだよ」


 今は私たち二人のパーティで来ているのだから分けるのは当たり前だと思っている。私はリンドウにまだ先に進むぞと告げ、歩いていくと、森の中でもちょっと開けた場所についたのだった。

 その開けた場所にはオオツノカブトとギロチンクワガタが何やら争っている。


 カブトムシ相撲のような感じだった。ギロチンクワガタのハサミがオオツノカブトの体をはさみ、そのままちょん切っていた。

 あの硬い装甲を破るぐらいの力があるのか。食らったらひとたまりもないな。

 勝利したのはギロチンクワガタのほうで、ギロチンクワガタは次の標的として私たちを見つけたのか、飛んでくる。


 私は矢で撃ち落す。


 飛んできたギロチンクワガタがそのまま墜落し、地面にあおむけになって落ちる。私はそのままとどめを刺したのだった。


「やっぱギロチンクワガタのほうが楽だな!」


 私はメダルを拾う。

 その時だった。


 上空の月を隠すように私の上に何かが飛来してくる。私は嫌な予感がしてその場から逃げると、私の目の前に現れたのはオオツノカブトでもないなにか。

 カブトムシ……ではあるのだが、なんだか形が違う。まるでヘラクレスオオカブトのような角を持っており、ゾウカブトのような体。


「なんだこいつ……」

「えっと、なんかボス級モンスターのオオツノゾウヘラクレスという魔物らしいです……」

「……ボス?」

「は、はい」


 ギロチンクワガタのほうならまだしも、カブトムシのほうのボス?

 

「……どうする?」

「や、やるしかないんじゃないですか?」

「だ、だよな。でもこんな魔物いるなんて聞いてない」

「言わなかったんでしょう。運営が……」


 ひどい運営だな……。










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― 新着の感想 ―
[一言] 多分カブトの方もお腹や羽を開いた背中なら柔らかいのでしょうけど...それを弓で狙えというのは酷というもの もしくはカブトとクワガタで物理と魔法どちらかが通りやすいみたいな感じだったのかな?
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