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ミ゛ーーーーン

 ファンファンを狩り続けるのも飽きたから獲物を変えたいが。

 だがしかし、スイープバタフライの警戒性能があまりにも高かったからかたまに見に行くと叫び声が聞こえてくる。

 状態異常というのはやはり厄介なようで、対策してこない限り無理という結論に至ったのかやってくる人はそこまでいなくなった気がする。


 私はスイーピーに近づいた。


「お疲れ。もういいよ」


 そういうと、スイーピーはくるんと周り、戻っていったのだった。

 私は今現在は210ポイント集めている。2000まで程遠い。だがしかし、割とファンファン相手も楽しかったといえる。

 ファンファンの体には扇風機のようなものがついており、それで風を起こして攻撃してくるという変わった攻撃をしてきた。

 

 なれる前は避けるのに一苦労だったが、結構戦ってきたので、もうファンファン相手に被弾することはまずなくなった。

 だからまぁ、次は違う相手にしてやろうと思ったわけだが。


「こっからだとグラトンの森のほうが近いか」


 グラトンの森。

 私はそこに行ったことはない。マッキンリー山の横にある森。あそこにはマッキンリー山と違った魔物が生息しているという。

 私は翼を広げ、ハイクラウ山から下りて森のほうへ向かうのだった。


 森についた。

 多少プレイヤーの姿は見えるがそこまで多くなさそうだった。私は森の中に足を踏み入れる。一本道があり、そこだけは多少なりとも整備されているようだった。

 馬車二台分しか道の広さがない。


「ただ、木漏れ日とか割といいなここ」


 太陽が程よく隠れている。

 セミの鳴き声がうるさい。私は茂みの中に自ら入り、木々を歩きながら散策してみると、さっそくその対象の魔物に出会った。


 ミーンミンセミは本当にでかく、私の身長くらいあるセミだった。

 そのセミは私を見つけると、ミ゛ーーーーーン!とうるさい音量で鳴き始める。私は耳を抑えた。うるさくてたまったもんじゃない。

 そして、そのミーンミンセミは私にとびかかってきたのだった。セミってちょっとグロいなと思いながら、私はとびかかってきたのを避けて弓を構え矢を放つ。


 すると、またミ゛ーーーンとうるさく鳴きわめいた。

 このうるささはやばい。狩るのに向いてない……。私は喧騒が苦手なためにこういううるさいのも比較的苦手。

 私はそのまま矢を放つ。すると、ぴたりとも動かなくなった。だがしかし、消えない。


「……死んだふりだろ」


 セミはよく死んだふりしている。

 セミボムというのを聞いたことがある。家の前でセミが落ちていて触れようとすると動き始めるあの心臓に悪いセミボム。

 私はそれに気づいたので、もう一発矢を放つ。セミの腹部に命中し、ミ、ン……とか細い鳴き声になり、そのまま消えていったのだった。


 強くはなかった。が。


「やっぱセミは無理だ……。うるっさ……」


 セミの鳴き声は夏の風物詩といえどこれはさすがに無理だった。

 このうるささは嫌だ。








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