表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
153/326

ギャンブルでは無敵?

 アプデ内容は、カジノ施設の追加、新たなエリアの解放と追加、モンスターの追加というものだった。

 私たちはまずカジノにやってくる。

 カジノでは、主にトランプ系のギャンブルが行われていた。いいのか? と思うが、ちゃんと注意書きがなされてあり、ギャンブルはほどほどにと。


「ギャンブルか」

「やってみるかい? 嬢ちゃん。へへっ、俺が対戦相手になるぜぇ」


 と、私に声をかけてきたのは少し意地悪そうなおじさんだった。

 

「いいですよ。じゃ、やりましょうか」


 私はおじさんの対極の席に座る。勝負内容はトランプジョーカーズという聞いたことのないゲームだった。

 ルールはというと、それぞれエースからキングまでの13枚のトランプを二枚ずつ、そしてジョーカーを一枚ずつ渡され、それぞれ手番が来たら一枚ずつ捨てていく。

 捨てるカードは宣告しなければならず、10を捨てる場合は10を捨てたと宣告。

 ただし、その宣告で嘘をついてもいい。相手はその嘘を見破れるかどうかにかかっている。

 勝利条件は26枚のトランプを全部捨てること。ジョーカーは捨てても捨てなくてもいいが、ジョーカーを最後に残していた場合、配当金が倍になる。

 だがしかし、最後にお互いのカードを言い当てるということがあり、ジョーカーだとばれたら、払う金額も倍になるということ。

 もう一つの勝利条件はジョーカーを捨てたことを見破られることだ。


 一気に複数枚捨てるのは禁止。


「序盤にどう嘘をつくかということか」


 私はカードを手渡される。


「俺が勝ったらもちろんお金ははらうぜぇ? お嬢ちゃんが負けたらきちんと払うことだなぁ」

「いいよ。じゃ、ゲームスタート。まずはコイントスだっけ」

「はい。では、コイントスを行わせていただきます」


 と、ゲームマスター役のカジノ運営の人がコインを取り出す。イカサマ防止のためだろうな。

 コインが上にはじかれ、手の甲に落ち隠される。


「表と裏、どちら?」

「裏」

「表だ」


 私は裏に投票した。

 そして、コイントスの結果は裏。私が先行のようだった。


「ま、とりあえず序盤はジョーカー、捨てるかな」


 私はジョーカーを捨てた。

 カードは台の下に吸い込まれていく。そして、相手の番に移る。相手は考えながらもキングといい、捨てた。

 ふむ……。嘘はないようだな。嘘をついている素振りはない。が。


「ダウト。ジョーカーだろ今の」

「……なぜ?」

「このゲーム、最後までジョーカーを残すという手段がそこまで強くない。ま、あとは勘だな」

「……勘ごときで」

「違ったら私の負けでいいよ。運営さん、確認してもらえる?」

「わかりました」


 そういって、台の下に手を伸ばす運営の人。

 カードを取り出し、私に見せてきた。ピエロの絵柄がついたカード。それはもちろんジョーカーだった。

 私はにやりと笑う。


「なんで……」

「というわけで、ジョーカーを捨てたことを見破ったシグレ様の勝利となります」

「ま、こんなもんでしょ」

「……この動きが割と強かったのによぉ。てめえはジョーカーを捨てたなんて嘘ついてんのはすぐにわかったが」

「嘘じゃないけど?」

「はい。シグレ様はジョーカーを捨てていました」

「……は?」

「はっはっは。正直者だからね私は」


 だからジョーカーを捨てるといったじゃないか。

 その時点でジョーカーだと言っておけば勝っていたものを。もったいないことをしてらっしゃる。


「……なんだよちくしょう」

「はっはっは。ま、このゲーム、私みたいな動きはそこそこ強いからね。ただ、嘘を見抜くことができなかったというわけだ。はい、お金頂戴」

「……ちっ」


 私はそのおじさんからお金をもらう。


「もっかい勝負だこの野郎!」

「いいよ。次はポーカー?」

「ああ!」


 ということで、ポーカー対決することになった。

 ミノルたちもやってくる。ミノルたちは今まで見学していたが、どうやら終わったようだ。


「あれ、シグレやってんのー?」

「勝負を挑まれただけだよ。一枚交換」


 私は自分の手札を見る。

 うーん。本当に悪い。ま、これで勝負と行こうかな。私は渡されたチップ20枚の内15枚をかける。


「15枚で勝負」

「はぁ!?」

「シグレ様十五枚で勝負。ハルト様。勝負いたしますか?」

「ま、待て!」


 ハルトというおじさんは悩んでいるようだった。

 そして、いう言葉は。


「降りる!」

「かしこまりました。では、シグレ様にチップが二枚追加されます」

「だから乗る勝負と乗らない勝負をわかってないね」


 私は手札を見せる。


「ぶ、ブタ……」

「一度負けるとそういうムーブをかますのかな」

「…………」


 負けというのはギャンブルにおいて非常に重要だ。負けると、精神が追いやられる。だからこそ怖いんだよな。

 そういう負のスパイラルに落ちてしまうから。


「では、続いて第二回戦」


 と、配られた手札はすごくよかった。

 私は再び一枚渡す。そして、カードを伏せ、チップを10枚。


「ハルト様。勝負いたしますか?」

「……ああ、するしかねえ!」


 ということで、勝負。

 私はカードを見せた。相手はフルハウス。だがしかし。


「ロイヤルストレートフラッシュ!」

「なっ……」

「私こう見えても超運がいいんだよね。割と最初の手札でそろってたからあとは絵柄をそろえるだけだったんだけど」

「…………」


 私は相手がかけた12枚のチップをもらう。自信があったんだろうな……。


「……もう無理だぁ」


 と、勝負を投げだしたのだった。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ