表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
132/326

都市伝説の地下

 人気者のミコトから何とか逃げてきて、私はリンドウのところに向かう。リンドウの工房に入るとリンドウはいらっしゃいと言ってきた。


「なんか依頼あるの?」

「いや、暇だから来ただけ」

「まぁ、今なんか感染症みたいなの流行ってるみたいですからね……。僕みたいな生産職ならまだしも狩りをメインにしてる人は大変ですよね……」


 口を動かしながらも何か作っているようだった。

 剣、だと思うもの。金づちで熱せられた剣をたたいている。


「それ依頼されたやつ?」

「そうです。前作でも鍛冶職人として有名だったので依頼してくれる前作プレイヤーが多くてですねぇ」

「やっぱ前作で有名だった人は今作でもそういう印象持たれるのか」

「みたいですねぇ」


 リンドウはそういいながら剣をたたく。

 すると、私の後ろの扉を開けてきた人がいたのだった。知らない男の人。鋭い目で、睨まれているような感じがする。

 私は思わずつばを飲み込んだ。顔めっちゃ怖い。


「あ、すいません……。少し通してもらってもいいでしょうか」

「顔に似合わずイケメン声」

「よく言われます……。と、あなたは? 天使の羽があるということはもしかして……」

「あ、たぶんそのもしかしてですよ」

「あなたがシグレさんなんですね。俺はソードっていいます。その、職業は聖騎士パラディンです」


 ソードという男は手を出してくる。私は握手を交わした。


「リンドウさん、頼んでいた剣出来ましたでしょうか」

「できましたよ。これですね」

「ありがとうございます」


 と、リンドウはソードに剣を渡していた。


「あ、そうだ。リンドウさん。ちょっととあるうわさを耳にしたんですが」

「噂?」

「この王都のどこかに地下に入る階段があって、その地下にはレアな鉱石があるっていう噂です」

「……なんですかそれ」

「あくまで噂なんですけど……。なんかこういうのって見てみたくないですか? 一緒に探さないかという提案でして」

「……あります。探しましょう」

「はい!」


 と、男二人がそういった話をして決まったようだった。


「私は誘われないの?」

「……そ、その、女性と一緒というのは少し気まずくて」

「うぶか」


 その顔で初心か。

 頬を赤く染めて私と目を合わせようとしない。さっき普通に握手しただろ。触るのはOKで目を合わせることはできないの?


「シグレさんもいきましょうよ!」

「お、女の子一人というのはまずくないですか」

「そんなこと私は気にしないけど。オタサーの姫だって気にしてないじゃん」

「あれは別の人類です」


 それはわかる。モテたいがためにああいうオタサーの姫になりたいとは思わないよ。あれは思考回路がどうにかしてる別人類。意見が合うね。君とは。

 ただ、このソードという男はミノルの弟と同じくらい女性に幻想を抱いていそうな感じがする。


「んじゃ、その都市伝説みたいな地下探します?」

「そうですね。思い立ったが吉日ですから!」

「いつになくリンドウテンション高いね」

「そりゃレア鉱石があるかもしれないんですよ!? テンションあがりますよ!」


 まぁ、そりゃテンション昂るか。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ