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ここが怪しい

 ネズミは繁殖しやすいので何が原因かというのなら天敵が少ないということがあげられるだろう。

 それだけで特定できるわけではないが……。ただ、この大量発生……低期間で行われたもののような気がする。

 となると、ネズミたちは誰かに解き放たれたか、それとも、どこかから逃げてきたか。


「っと、ここが地下水道の入り口か」


 私は王都の水門の近くにやってきた。

 こういうゲームって大抵地下水道とかにそういう原因がいる。今回もそうなんじゃないかなって思ってやってきたわけなんだけど……。

 なんか、背後に誰かいるな……。


「ほら、行きなさいって」

「ひゃうぅ……。でもぉ……」

「あんたが原因ここにあるかもしれないって言ったんでしょ?」

「そうですけどぉ……。でもぉ、あの人も同じ考えみたいですし任せませんかぁ……?」

「もし中に敵がいて、あの人一人で戦うことになったらまずいでしょ! 私が声かけてあげるからいくよ!」


 と、どうやらあの人たちもここに原因があると思ってきたらしい。私に声をかけたくないらしく、片方のきょどっている女の子はオドオドしまくっていた。

 私は溜息をついて振り返る。


「うわ、キレイ……。じゃなかった。すいませーん」

「なんですか?」

「あなたもここに原因があると思ってきた人ですか?」

「ん? まあそうだけど」

「なら、私たちと行動しませんか! もしここが本当の原因で、中に敵がいたら一人じゃきついと思いますし、私たちも一緒に戦いますよ」


 と、片方の赤い髪の女の子は元気よく話しかけ、きょどっている黒髪の短髪の少女はひたすらその赤い髪の女の子の陰に隠れている。

 人見知りなのかね?


「いいですよ。でも、一緒に行動するならまず自己紹介しますよ。私はシグレです」

「シグレって……あのシグレさん? 天使の……」

「ま、有名ですよね」

「その白い翼は目立ちますからね……。あ、私はへりょすっていう名前で、こっちの人見知りの女の子がカレンです」

「どど、どうも……」

「覚えました……。っと、敬語はやっぱやりづらいな……。砕けた口調でもいいですかね? そちらも全然砕けた口調でいいので」

「ほんと? じゃあそうさせてもらう!」

「そのほうがこちらとしても……」


 その時だった。上空から何かが降ってくる。


「シグレー!」


 と、その大きな声に気づき上を向いた瞬間、私に何かがぶち当たる。私はそのままそれと一緒に水道の中に落ちた。

 水面に顔を出し、地上に上がる。


「この馬鹿! なんで飛び込んでくんだよ!」

「ごめーん!」


 鎧を着た蠍の尻尾がある青髪の少女……。ミノルが私に抱き着こうとしてとびかかってきたようだ。ミノルを引っ張り上げ、ミノルはへらへら笑う。

 こいつ……。


「えっと、誰ですか?」

「私の友達のミノル」

「よろしくうぇーい!」

「うぇ、うぇーい?」

「このノリとかは無視していいからな。合わせるのもつらいだろ」


 このノリは二人にとってはきついらしく、少し動揺していた。


「いやぁ、ミノルが急にどっか行くもんだから探した!」

「やることがあったんだよ。それよりお前も一緒に来るのか?」

「いく!」

「幽霊が出たとしても?」

「いく!」

「よし」


 こいつ条件反射で応えやがったな。


「って、幽霊やー!」

「ちっ。ドッキリしようと思ったのに」

「ここに出るの……?」

「暗いからでるんじゃね?」

「よし、任せた!」


 と、私の背中を押す。


「私はここで待機してるもーん!」

「はいはい……」


 しょうがない。


「二人も行くか」

「は、はは、はい!」

「う、うん……」


 へりょすはミノルが気になるようでちらちらと後ろを振り返りながら歩いていく。そして、ミノルの姿が見えなくなるまで暗いところにやってきたのだった。










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