デュラハンとリッチ
階段を駆け上がると、そこは祭壇のような場所だった。
祭壇の松明には灯がともっており、薄暗いこの場所を照らしている。私たちは祭壇をゆっくりと登っていった。
ミミクの情報だとボスはデュラハンの変異種……。ということらしいが。
「デュラハンなのか? 雰囲気的にはリッチがでそうだが」
「デュラハンのはずや……」
私たちは祭壇を登ると、そこには二つの影が。片方は神父のような服装だけれども、肉体がただれており、ゾンビのような見た目。片方は白い鎧を着ている頭なしの騎士。
どうやら情報には間違いはないが、味方がいるようだ。
「オヤ……お客様のようデスね」
「……」
ゆっくりとおぞましい顔をこちらに向けてくる。
神父のような魔物は深々と頭を下げた。
「ワタシはリッチ。この遺跡の神父でアリマス。日々、仲間を増やしてるのでアリマス」
「……」
「あなたたちも、仲間にしてアゲマス! ゆきなさい、デュラハン!」
「リョーカイ」
と、デュラハンは自身の頭を上空に投げ、大きな剣を構えて切りかかってきた。ショーグンは刀を引き抜き、大剣を受け止めるが。
後ろに押されている。
「力つえ……。押し負ける……!」
「ふん!」
カイザーがデュラハンをぶんなぐる。
「二人はそっちを任せた。私はあっちをやる!」
「あ、ああ! 頼む!」
「ミミク、やるぞ!」
「任せとき!」
「たかがミミックごときがこのリッチに挑むのデスか。無謀デスね。身の程を弁えなサイ!」
と、杖を振りかざすと、黒い物体がこちらに飛んでくる。
私の横を通った。その物体からは何やらうめき声が聞こえてきた。怨霊……とでもいうのだろうか。
その怨霊はぐるっと回り私めがけて飛んできたのだった。
「光陰の矢!」
私は光の矢で撃ち落す。
これぐらいの怨霊なら一発で倒せるようだった。
「天使……! 忌々しい……! 神の使いはやはり我らとは対極!」
「うるさいわ!」
と、ミミクがリッチにかみつきに行ったがひらりと躱される。
「あっはっは! 鈍いデスねぇ! 次はこちらからいきマス!」
そういうと、杖に怨霊が押し寄せていく。
ミミクめがけて怨霊が放たれた。至近距離で放たれたその怨霊たちはミミクを包み込んでいく。ミミクは死んだ。と思ったその時。
「俺様だって変異種なんやでぇ! 」
と、ミミクは蓋を閉じ、ぐらぐらと揺れだす。
すると、どんどんミミクの体が大きくなっていく。そして、そのまま蓋を開けると、怨霊をばくんと飲み込んだ。
「ミミック変異種デスと!? 予想外デス!」
「シグレ! 俺様の中に入るんや!」
と、ミミクは蓋をがばっと開ける。
「……食べられたりしないよな?」
「せえへんわ!」
「ならいいのだが!」
私はミミクの中に入る。
ミミクの中は暗かった。すると、なんだか私の周りに宝石のようなものが。すると、その宝石たちは私に化けていく。
そして、ふたが開かれ、私たちはいっせいに吐き出された。私の分身は光の矢を構え、リッチめがけて狙い撃つ。
「なな、ななな……このようなことがッ……! このようなことが許されると思うなァァアアアアアア!」
光の矢の雨を受けたリッチの断末魔。
私は地面に着地し、リッチを倒したことを確認した。




