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NPCがわたしを"推す"! VRMMO (あれ? 推してるのわたし!?)  作者: 麻莉
シーズン4 悪魔は嗤い、被造物は踊る 【3章:再起の女王】
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「強くならないとダメなんだ!!! 敵を確実の滅ぼす力がっ!!! 殺す覚悟が......っ!!!」

「うん?」


「えぇ!?」


 ヴァルゴとアリエスだけ結界に隔離された。魔法陣とは違う。見た事がない言語が刻まれている。結界に周りを赤文字で流れていた。ヴァルゴが結界に触れると、手は弾かれてる。同時に警告音が鳴り響く。


「な、何よこれ!?」


 ウリエル・ラファエル・ガブリエル3人はヴァルゴとアリエスに近づき、結界を解こうとしていた。


「どうなっているの?」


「この結界は一定数の”悪”に反応し、対象者を覆う結界です。天使の堕天への抑制にも繋がります」


「天使は俗世の耐性が少ないから、ですか」


 3人は頷く。


「ユミナ様一同は対象外にしておりました。トップからの指示で」


「じゃあ、なんで発動しているのよ!!」


 笑い声。私たちを囲む様に登場した天使たち。全員武器を構えている。


 ウリエルが怒る。


「オマエ達、何やっている」


「ウリエル様。我々は誇り高き天使族。そのような俗物の侵入を許す訳にはいきません」


 少し偉そうな天使が喋り始める。偉そうな天使を皮切りに周りの天使が叫ぶ。


「悪魔だと」

「なんと醜い」

「穢らわしい」

「暴力の塊」

「我々の敵」

「あの聖女......呪われているぞ」

「悍ましい女だ」

「聖女なのに......悪に染まるとは」

「身体に呪いを飼うなど」

「堕ちる所まで堕ちたものだな」


 星空の姫神(ウォルフ・ライエ)から放たれた閃光。天使の一人。肩に命中。抑えながら落ちていく。


「どいつもこいつも......私たちに喧嘩腰じゃないと展開を進める気がないのかよ」


 ゆっくり、はっきりと毒を吐いた。


 怒りはある。でも、不思議だ。()()()よりも冷静で言われる。”例の事件”以降に突如私のステータスに表示された隠しパラメーターの【感情値】の影響かしら......


 天使達に睨みを利かす。


「アリエス。少しだけ我慢してね............みんな、天使を皆殺しにするぞ」


 どの種族にも派閥はある。ウリエル・ラファエル・ガブリエルは私たちと友好的な関係を築きたい派。私たちを囲み、暴言を吐きまくるクズどもは過激派みたいなものか......ってか俗世に耐性が弱いんじゃなかったのか。どうなっているのよ......天界のルールは!


「カプリコーン」


「構いません」


 既に鞘から熾星の細剣(セラフィム)を抜き、戦闘準備を済ませていた。


「良いのね」


「盟友に再会できた。とても喜ばしいことでしたが......私の友を侮辱したことは万死に値する。ここまで天使界が腐っているなら、私が粛清するべきかと。ご主人様、一つお願いがございます」


「言ってみな」


 熾星の細剣(セラフィム)の切先の向き。ウリエル・ラファエル・ガブリエルへ向いていた。驚く3人。だが、覚悟をした表情だった。


「3人は私が殺ります」


「良いよ、好きにしな」


 振り返る。星霊たちはそれぞれ武器を展開。いつでも行ける様子だった。


「結局こうなるのか」


「結構、気に入っていたのに、天界〜」


「非常に残念だ」


「ま、友を愚弄されて黙っているほど腑抜けじゃないからな」


「アリエス。待ってなさい。天使が開発した技術。私のモノにする。そしたら完璧に治すわ」


「天使の素材か......良いモノだと良いのですが」


「何人かイキの良い者を収容しよう」


「誰が一番狩れるか競争しない〜」


 天使も武器を構える。あちらさんもやる気みたいだ。


「......お嬢様」


 未だ結界に囚われているヴァルゴ。


「天使を絶滅させるより、飼い慣らすのはどうですか」


「......いらない」


「どうして、ですか?」


「今の私には十分すぎるくらいに従者がいる。これ以上......欲しいとは思わない。奴隷にするにも反旗を起こす確率が高い。なら、ここで邪魔者を葬った方が効率的。この考えしかない」


「そ、そうですか」


「それに......」


 上を見上げた。


「この世界に、護る価値があると思う」


 私の言葉に星霊は誰も口を開く事はしなかった。


「お嬢様......私は、貴女の決定に異を唱えることはしません。貴女の選択こそ、私の道。でも、許されるなら一言、言わせてください」


 悲しい顔のヴァルゴが私を見つめてきた。


()()()()()()()()()?」


「はぁ!? どういう意味よ」


「私が見てきたキミは、どこまでも真っ直ぐで、誰かを救うために戦ってきた———それが私のユミナ()だ。ここで彼らを殺せば......後戻りできなくなる。だから、問う。本当に()()()()は正しいの?」


 身体が揺れる。


「わ、私は......」


 拳を握る。


「私がやらなくちゃダメなんだ。もう......誰も、大切な人たちを失いたくない!!!」


 そうだ。後悔しない選択を取らないと。私が甘い考えをしてから、失ったんだ。もっと強大な強さを、もっと誰よりも早く......敵を葬らないと......人が死ぬんだ。私の大切な人たちが.........消えてしまう。だから、私は——————


 口が震えていた。でも、ハッキリと一言一句怒りを込めて叫んだ。


「強くならないとダメなんだ!!! 敵を確実の滅ぼす力がぁああ!!! 殺す覚悟がぁああ!!!」


 息が荒い。言い切った時、星霊は顔を、武器を下に向けていた。


「な、なによ......皆。敵が居るんだぞ!!!! アイツらを駆逐しろぉおおお!!!!!!!!」


『ダメだよ。従者は道具じゃない』


相当焦ってる...

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