表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
NPCがわたしを"推す"! VRMMO (あれ? 推してるのわたし!?)  作者: 麻莉
シーズン4 悪魔は嗤い、被造物は踊る 【2章:【 】】
385/396

暮れぬ先の灯

 


 飛翔し始める【ユミナ】。空中からの無数の魔法弾が降り注ぐ。


 全弾回避するヴァルゴは困った顔を出す。


「翼があれば、良いのですが」


 ヴァルゴに近づくカプリコーン。


「私が空中で稀代の女王(イカロス)の装甲を斬ります。その隙に......」


接触禁止(ミカエル)はまだ、のはずですが?」


「実は......いつの間にか再使用可能になっていたのです」


【接触禁止】シリーズは使用後、再使用まで一ヶ月の時間を有する。カプリコーンの接触禁止(ミカエル)は、使ってから一ヶ月経っていない。


「今は、あれこれ考えている時間はありません。お願いします」


 カプリコーンは、唱えた。


「【接触禁止(ミカエル)】、発動!!」


 口元以外に肌が露出していないメタリックカラーを基調とした甲冑型の衣装を纏う。十二枚の白翼を展開させた聖なるブロンド麗人は【ユミナ】の元へ。


 降り荒れる魔法の雨。カプリコーンは一切臆することもなく、進む。

【ユミナ】が気付いた時には、時既に遅かった。


「【炎聖の帝王(デネブ・アルゲディ)】」


 太く巨大な剣。触れる者、皆、灼かれる炎。直撃した【ユミナ】。かろうじてHPが残っていたのか死んではいなかった。一方で、稀代の女王(イカロス)は9割破壊された。


 翼を失い、落下する【ユミナ】。


 狙いを定め、蓄積された膨大な力。ユミナは死んでも死ぬ事はない。でも、自分が殺さないと行けない。これは覚悟の一発。彼岸の星剣(ノヴァ・ブラッド)が赤く怪しく輝く。


「【絶劍(スピカ)】」


 静かに彼岸の星剣(ノヴァ・ブラッド)を横に薙いだ。

【ユミナ】の眼前というところまで迫る最大最強の破壊の一線。


「ッ!?」


 ヴァルゴの目が見開く。急いで彼岸の星剣(ノヴァ・ブラッド)の軌道を変えた。【絶劍(スピカ)】の攻撃は海へ放たれた。武器を放棄。落ちてくる主を抱いた。


「......お嬢様?」


「迷惑かけたね......ヴァルゴ」


 強く抱きしめる。涙を流すヴァルゴ。釣られて私も泣いてしまった。


「ごめん......私」


 駆け寄る音。私とヴァルゴを囲んだ皆は抱きついてきた。全員、生きてた。良かった......


「何も言わなくて良いです。今は皆で泣きましょう」


 アハハ......皆、大泣きしちゃってる。ごめんなさい......


『ユミナ......』


 聞き覚えのある声。もう二度と聞こえないと思っていた少女の声。


「あ、アシリア......」


 サジタリウスの背に乗っているのは、アシリアだった。

 全員、アシリアの元に集まる。


「どうして......」


 止まらない涙。声が震えていた。


「ユミナがくれた指輪のおかげ......?」


 指輪? あぁ!? オフィの指輪だ...... ありがとう、オフィ......


 手を握る。


「生きててくれてありがとう!」


「はい!」


 私は大事にアシリアを抱きしめた。安堵と緊張が解け、その場に座り込んでしまった。お互いの泣きじゃくんだ顔を見て、笑顔で嬉し涙を流した。


 部屋に着いて直ぐ、全員疲れ果てて、気を失うようにベットに横になっていた。

 スコーピオンからアリエスは一先ず無事と報告を受けた。アリエスにも無理をさせてしまった。アリエスだけじゃない、色んな人に迷惑を掛けてしまった。ドランとアシリアはスコーピオンと一緒に【コスモス】に戻った。


 ドランは修理。アシリアは身体の検査のために。使い魔たちは暫く使用不可、とゲームアナウンスが表示されていた。


「ところで、お嬢様」


「何?」


「どうやって【自我が消滅した(ルナティック・)静かなる殺戮者(オーバーロード)】を?」


 ヴァルゴの口ぶりから、まだ起動時間中だったのだろう。


「それが......私にも良く分かってないんだ。スキル起動中は全く身体を動かせなくて、モヤモヤしててね。でも、気付いたら見覚えのある船首デッキが視界に映って......」


「そうなのですか......」


 ヴァルゴは上を見た。”まさか、な”と誰にも聞こえない声量を発した。










 ———宇宙———


 椅子に座っているリリス。動揺していた。

 リリスの表情は、やらかした子どもを思わせるものだった。


「あちゃ〜 バレちゃったか。マズイな......うん、非常にマズイ............」


 何故、【自我が消滅した(ルナティック・)静かなる殺戮者(オーバーロード)】が中断されたのか理解し、その後の展開も容易に想像が付く。


 深呼吸をした後、一拍。


「ま、全力で誤魔化すしかないわね」


 リリスは、独特な雰囲気のある白いサブマシンガンのような銃を握る。


「じゃあ、後は宜しくね———()()♪」


 銃口を自分のこめかみに押し当てる。躊躇いなく、笑顔で引き金を引いた。


 倒れ伏せたリリス。


「まったくもぉ〜 地味にクイーンズブラスターの弾丸痛いのよ」


 1秒も経たない時間。こめかみの弾痕は消滅。銃弾でも神は死なない。起き上がるリリス様は不満顔。頬を膨らませていた。


()()()()なら、事前に言ってよ。しょうがないわね......あの子は♡」


灯の園(アカリ)』を撫でる。


「まぁ、久々に会えたから許すよ......(あかり)白陽姫(かすみ)()()()()()()にも宜しくね!」



 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


  ・乙女座(ヴァルゴ)《EX》

   真名:【ラブ】

   職業:MAIN:【剣星】


  ・牡羊座(アリエス)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【星聖】


  ・牡牛座(タウロス)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【星匠】


  ・双子座(ジェミニ)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【星導】


  ・山羊座(カプリコーン)《EX》

   真名:【ヴァレンティーア】

   職業:MAIN:【星天】


  ・獅子座(レオ)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【星闘】


  ・水瓶座(アクエリアス)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【綺羅星】


  ・蟹 座(キャンサー)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【超兵星】


  ・射手座(サジタリウス)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【弓星】


  ・蠍 座(スコーピオン)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【栄星】


  ・天秤座(リブラ)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【妖星】


  ・魚 座(ピスケス)

   真名:【??】

   職業:MAIN:【溟星】


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ