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NPCがわたしを"推す"! VRMMO (あれ? 推してるのわたし!?)  作者: 麻莉
シーズン4 悪魔は嗤い、被造物は踊る 【2章:【 】】
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【自我が消滅した静かなる殺戮者】

 会場でリリスを視認できた存在は聖女候補と契約した5体の悪魔。ラッキー・アニモシティと契約した悪魔、シャックス。プレイヤーではクイーンだけだった。悪魔を嘲笑するリリス。


「君たちはどうする?」


 リリスの質問に誰もが答える術を持ち合わせていなかった。下手なことを言えば消滅する恐れがあるとか間違った答えで癇癪で惑星が消え去るとかを考えていた訳ではない。リリスの質問の意図。『ユミナちゃんと戦う?』だ。リリスにとって惑星内で誕生した生命体は自分の快楽を満たす駒に過ぎない。


 悪魔は実力主義。強ければ許され、弱ければ淘汰される。

『まさか、人間如きに悪魔が負ける、な訳ないよね?』と思わせる首の傾げ。

 低級・中級はかろうじて逃げ出す選択肢を与えられるかもしれない。戦っても時間の無駄だから。だが、最上級レベルの悪魔、ソロモン王に仕えていた72柱。リリスが態々、選んだ者たちが逃げる手を使うのか。選択肢に入れる、敵戦逃亡を決めれば悪魔としての生を奪われる。先に待つのは地獄が生ぬるい”無”。


 ———昔なら。


 とある人物と関係を持った事で割とマトモになったリリス。選択肢も相手の自由となっていく。


 二度目の笑み。向けたのは呆然とする悪魔たちに、ではない。


「流石、歴代最強の星霊たちね!」


 気配を察していた。会場に近づく足音。数名の星霊だと理解できるのはリリスだけ。


 悪魔よりも即決。悪魔の力は修練と時間で解決できる。が、星霊に選ばれる者たちは、初めから持ち、選考項目での『あーあったね』と持っているのが当たり前。最低限が、高い戦闘力を有している点。世界を崩壊させる戦闘力は序の口。次に各々の特出された能力が選考基準に入る。次々と様々なテストを潜り抜け、生き残り最後に残った13人が星霊として襲名される。


 船内にいる星霊。全員が武器を取り、いつでも死闘ができる臨戦態勢だった。


「久しぶり、クイーン!」


 クイーンが座る椅子の前。背もたれに座るリリス。

 非常に嬉しい表情を表に出すリリス。待ち焦がれた人と漸く再会を果たした者の様な顔だった。


「ワタシが上げた武器と防具、使い心地はどう?」


「えぇ。大切に使ってるよ」


 クイーンがクリアしたユニーククエスト、”貴方の願いは何ですか(トリニティ・クロス)?”。破王双藍(セウカ)金始刀(コーナ)【閃】。そして専用SF戦闘服、無償の(アンリミテッド)(・トリニティ)を託したのは紛れもなくリリス様。


 僅かに笑みを浮かべるリリス。


「そう。喜んでくれてお姉さんは嬉しいよ! 渡した甲斐があったもんだ!」


 クイーンの頭を優しく撫でるリリス。


「知り合いからの忠告だと思って。今回は逃げること。決して闘ってはいけない」


「ど、どういう意味......っ?」


 真相を聞き出そうと口を開くが、クイーンが全部言い終える前に忽然と消えたリリス。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 私は星刻の錫杖の杖先で床を叩く。


 金属音は身の毛がよだつ音を奏でる。打音は不気味な鐘の音へと変わる。背筋が凍る甲高い金属音が会場を支配した。



 私はゆっくり男を指差した。


「ジャーク」


 個体名を言ったが、誰も聞き取れていない。誰もがユミナの不思議な行動を見ていた。自分が聖女を殺した男の次のターゲットにならないように一刻も早く逃げ出さないといけない状況にも関わらず。


 私の指は下を指す。先程と同様に何かを呟く。が、これも誰一人として聞き取れない声量。


「アニモシティに属する全員......」


「オマエ、頭おかしいじゃねぇえのか????」


 ふざけた口調でユミナをバカにする。


 数秒の間が過ぎ、私はもう一度、口を開ける時———


 大扉が開く。ヴァルゴとレオだ。二人の息は荒い。ここまで全力疾走してきたからだ。状況を瞬時に把握。ヴァルゴは飛び出す。遅れてレオも壇上に向かって跳んだ


 手を伸ばす。過ちを犯さないために、止めるために—————————


「ダメぇええええ!!!!!!!!!!」


 涙を流す。阻止したかった。でも、遅かった。ヴァルゴの声は今のユミナには届かない。視界にすら入っていなかった。ユミナの矛先はこの男だけ。全ての条件は揃った。一言、無感情に呟く。


「【自我が消滅した(ルナティック・)静かなる殺戮者(オーバーロード)】」


 衝撃と爆風が直撃したヴァルゴは後ろへ吹っ飛び、会場の壁に激突。壁は崩壊。勢いは弱まらず会場の外へ。


 狂気の笑い声が轟き、慟哭する。


「ははっ......はははぁっ......はははハハ......っ!!! アハハッハハハハっハハハァ!!!! アヒャヒャヒャヒャアァァッァァァアア!!!!!!!」








 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 《星霜(せいそう)の女王》


 スキル:星なる領域(スターリースカイ)Lv.10(EM:50)

 仲絆の力(パワー・ブレイブ)(EM:50)

 簡易の(インスタント)偽月(フルムーン)(EM:50)    

 煌めく(シューティング・)流星(スター)(EM:50)

 自我が消滅した(ルナティック・)静かなる殺戮者(オーバーロード)(EM:50)

 新時代の万有引力(ミルキーウェイ)(EM:50)


 魔法:清浄なる世界へ(ヴィム・エブリエント)(EM:50)

 月光からの愛(シャイニー・ラバー)(EM:50)

 無限と夢幻(ブラックホール)(EM:50)

 輝を射抜け、(アストロアーツ)真なる青よ(・クエーサー)(EM:50)

 十三人の禁断協調(ゾディアック)(EM:50)

 宇宙最大の(コンプリート・)大いなる意志(プラネット)(EM:50)

 未来の世界は(ハッピーエンド)有終の美(・フューチャー)(EM:500)(封印)

 ⇨⇨星の力を受け継ぎし、(クイーン・オブ)君臨する女王(・ノヴァ)(EM:??)(封印解除)



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

星霜の女王専用スキル・魔法を一つ創るためにリリス様は惑星一つ以上を消費した。

惑星に棲む全生命体を実験の材料にしていた。

星霜の女王専用スキル・魔法は全部で13個。少なくとも13個の惑星が犠牲になった。

今80億人くらい居るから......ま、はい。13個の惑星に棲む......全員人体実験の材料になりました


貴方の願いは何ですか、か......

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