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NPCがわたしを"推す"! VRMMO (あれ? 推してるのわたし!?)  作者: 麻莉
シーズン4 悪魔は嗤い、被造物は踊る 【2章:【 】】
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スキルを盗む怪盗紳士は師匠を探している その15

サブタイのサブタイ

【目撃】主人のマニアックな趣味に従うメイドさん

次の日。白陽姫ちゃんと学校の宿題を終わらせ、少しカップルとしてイチャイチャタイムを過ごした後、ログインした。


どうやら私たちがログアウトしている間、多くのプレイヤーが怪盗ファントムにやられたらしい。

私とクイーンのフレンドに怪盗ファントムの情報を送り、拡散してもらった。でも、新たなスキルを入手した怪盗ファントムの猛撃は止まらない。


怪盗(ファントム)が複数人出現した事実、次々スキルを盗まれたと掲示板で騒がれていた。きっとクラスの【分身する幻影(イリュージョン)】を悪用している。


今まで怪盗(ファントム)は一人だけで行動していた。ここに来て複数人での襲撃。組織的な犯行ではないのか、と憶測まで飛び交っている始末。ファントムの目的はラキと再開すること。目的は一応完遂しているのに、犯行を続けている理由は......


「クラスに、自分は出来る所を示したい、とか考えているのかな〜」


「復讐に近いと思う」


「私が見捨てたばかりに......」


 悲しい表情のクラスの頭に手を置いた。


「過ちを犯してもやり直せる。怪盗さんを改心させよう!!」


 クラスはうなづき、前を見る。私の方を見て、微妙な顔を浮かべた


「所で......その格好は」


 そうだった。クラスにはこの装備品達を見せていなかった。ヒラリと一回転した。


「おかしい?」


「いえ。おかしいと言うより......個性的な服装だと」


ま、右手には星刻の錫杖。左腕は金属製のドラゴンの籠手。魔女のとんがり帽子に高貴なドレスなのに......足はメカメカしいドラゴンの脚。確かに......奇抜な格好だ。統一感も無ければテーマも分からない。周りなど気にしない、自分のしたいことを突き進んだ結果みたいな。


別に良いじゃん。


リアルなら白い目や気持ち悪い目を向けられるが、ここはゲームの世界だ。見た目が変でも性能が良ければOKなのだ。ゲーム内でも言ってくるなら、勝負してやる。勝てたら、の話だけど〜


「ユミナって能力や効果が良ければ見た目は気にしないよな」


 最優先は性能。二番目が見た目だね。


「以前もナース服姿で私に戦いを挑んでいました。”恥を捨てた女王”とはユミナ様に相応しい二つ名ですね」


 見た目云々は言われたくないな〜 レオタード姿のネコ怪盗さん〜

 頼むから”恥を捨てた女王”を広めるなよ。”百合姫”だけでも相当なダメージを負ったんだから......




 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


 〜装備欄〜

   頭:沈黙の古代帽子(エンライトメント)

 上半身:幽天深綺の(ファンタズマ)魅姫(・ドレス)・エクシード

 下半身:幽天深綺の(ファンタズマ)魅姫(・ドレス)・エクシード

   足:転輪の翠蹴(ラテラルアーク)


 右武器:星刻の錫杖(アストロ・ワンド)Lv.10 (EM:500)

 左武器:怒龍の籠手(レイジング・ブースト)


 〜装飾品〜

   ①:覇銀の襟飾(ヴァイセ・エーゲン)

   ②:真龍の手袋

   ③:星王の創造(ステラ)

   ④:大天使(カプリコーン)の勇気

   ⑤:悪魔の蒐集棚(コレクション・ケース)

   ⑥:グリモワール

   ⑦:

   ⑧:


 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜












「ここか......」


指定された場所へ到着した私、クイーン、クラス。崖の上に建てられた教会。室内から明かりが出ていない。使われている形跡はない。壁が所々朽ちている。人がいなくなってから大分月日が流れていた。


「にしてもクイーン、全然気づかれなかったね」


何もない空間に喋りかける私。頭がおかしくなったと思うだろう。だが私の行動は正しい。


虚空から姿を現したクイーン。タウロスが製作した【透明水晶(クリア・カメレオン)】のお陰で透明人間に。


【サングリエ】ではプレイヤーに気づかれなかった。他の人にも見えないのに私たちが存在を認知出来ているのは手首に皮ロープを巻いているから。手首にロープを巻いていても、プレイヤーにはアクセサリーの類と思われる。


ロープを解く。


「私は安心だったけど、心配なのはユミナだよ」


「え、なんで?」


「ロープはユミナとクラスの手首に巻かれたでしょう」


私だけだと解いた時に完全にクイーンを見失う。なのでクラスの手首にもロープを巻いた。


「真ん中に空間があったまま歩いていると不自然だから、二人が前で私だけが後ろを歩いたろ」


バレないように三角形で歩いていたし。


「そうだね......その位置関係なら違和感が生まれない、かなって〜」


「私は透明人間になっているけど、二人は生身だった訳で」


「ごめん、まったく分かりません」


思いついた表情のクラス。


「なるほど。私とユミナ様が手首にロープを巻いたまま歩いている。他人から見れば怪しい関係と誤認させる訳ですね」


「『怪しい関係』? 私とクラスはメイドと従者だし。特に問題ないと思うけど......」


「メイドを一生離さない様にロープで自由を奪う主人。それを公衆の面前で披露。マニアックな趣味の主がいるな、と別の意味で奇異な視線を受けていたはずだ」


二人に背中を向けた。


「私は過去は振り返らない女......」


「哀愁漂う背筋だな」


「既に束縛されている身♡。私は気にしませんよ」


もう嫌だ......誰か......助けて............

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