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NPCがわたしを"推す"! VRMMO (あれ? 推してるのわたし!?)  作者: 麻莉
シーズン4 悪魔は嗤い、被造物は踊る 【2章:【 】】
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スキルを盗む怪盗紳士は師匠を探している その5

サブタイのサブタイ

ようこそ、ユミナの城へ

 レオは近くにあったドアノブに手をかける。扉が開く。中は見えない眩しい光景だった。


「こ、これは......」


「ユミナの城だ。暫くクイーンが過ごす場所でもある」


 レオに招かれ、クイーンは扉の先へ足を踏み入れた。扉は閉じ、扉枠もドアノブも消滅。壁だけが残った。









 光の道。クイーンはそう表現するしか出来なかった。ムービングウォークのように光道は自動に動いている。

 歩くこと1分。聳え立つ白い流動性を持つ扉。入ったら最後、化け物の体内に飲み込まれてしまいそうだ。

 クイーンの前を歩くレオは何も構えず自然な動きで扉を潜った。意を決してクイーンも扉に入った。


「たでぇ〜ま!」


 泥酔状態のレオは待ち構えていた女性と談笑していた。どうやらレオの知り合いのようだ。


(エルフ......?)


 190センチメートルある長身。杖を携えた美女はアザレアピンクの瞳。エルフ特有の耳は長く尖ってる。銀色の髪は大きく長く、踝まで伸びている。ロングヘアーは二つに分かれ、それぞれ毛束で結ばれている。黄金のベルトが目に付く。床まである黒と灰色のロングドレスは少々動きにくそうだ。ドレスは胸から上、肩から鎖骨周りは素肌が露出したオフショルダータイプ、内腿がガッツリとカットされ曝け出され、露わとなる真っ白な腿。赤と金で出来た糸は両腕に交差している。



「レオ、遅いですよ。既にユミナ様たちは帰ってきています」


 透き通る声。ピンクの瞳の美女から出たものだった。

 ピンクの瞳の美女がレオを諫めていた。


「うんなぁこと言ってもよ〜 良いじゃねえか〜 こまケェ〜な、お前は」


「酔っ払いの言葉ほど信憑性は皆無。どうせ酒が切れて癇癪を起こしたのでしょう......いつものことです。ハァ〜〜」


 リブラとレオの間が揺れる。振動は次第に大きくなる。城内の壁や床に亀裂が生まれる。


「普段無口な癖に、揚げ足を取る時だけ饒舌なヤツだよね......リブラ(人見知りのコミュ障)


「酒臭いので下がって下さい......永久に」



 事の経緯を知っているクイーンからすれば弁解するのが道理。だが、クイーンの言葉を待たず二人は言い争いが始まるが———



「レオ、リブラ、何をやっているのですか」


 愛用のメガネを掛け、分厚い本を抱えて二人に声を掛けたのは牡羊座(アリエス)だった。クイーンも何度か会っている。現聖女アシリアに酷似した容姿には運営の手抜きかと思ってしまった過去がある。


 だが、真実は違った。アリエスの容姿に寄せたのがアシリアとなっている。アリエスの正体は初代聖女。アシリアの大先輩に当たる人物。そして、アリエスもまた獅子座(レオ)天秤座(リブラ)と同様ユミナの従者である。



「みんな集まっているわよ」


 喧嘩は中断。アリエスはクイーンに近づき謝罪する。


「クイーンさん、申し訳ございません」


「いえ、私は別に......」


「アタシたち星霊の日常風景(無駄な時間)なのでお気になさらず」


 何かあるたびに威圧強火で喧嘩腰の言い争いが日常とは物騒な種族、だとクイーンは冷や汗をかいてしまった。


「お〜い、アリエス。先に行くぞ」


「置いていきますよ」


「待ってください!! クイーンさん、行きますよ」


 手を握られ、前屈みのように歩くクイーン。


「何処へ?」


「【玉座の間】です」



 3人の後をクイーンは付いていく。目の前の光景に目を光らせる。


 以前貴族の護衛系クエストを受けたことがある。詳しい仕事内容を聞くために屋敷に入室した。かなりの名家だったので当然内部もお金が掛かっている造り。だが今、あの日見た光景が塗り替える光景が広がっていた。スラカイト大陸に住む王族の城をはるかに超える内装。調度品も一級品ばかり。


 貴族の屋敷にもメイドさんたちは常駐し、挨拶された。この城でもメイドや他の使用人は大勢在籍し、同様に礼儀正しい挨拶を受けた。前提としてこの城の使用人は多種族で構成されている。人族を見かける事が少ないでいた。使用人と侮ってはいけない。空気からでも理解できる。全員Lv.100は軽く超えている。恐らくそれ以上に至った者も。


【オニキス・オンライン】の現在のアップデートではプレイヤーの最大レベルはLv.200となっている。しかし既にLv.200に到達したプレイヤーがいるとは報告を受けていない。精々Lv.150位だろう。最高レベルのプレイヤーでも果たしてユミナの従者(メイド)に勝てるのか......



 レオの手で両開きの大扉が開く。


「ユミナ〜 クイーンを連れてきたぞ! 後コイツらシバいていいか!!!」


「主様。バカが遅れてやってきました......後メス二匹を懲罰房にぶち込んで良いですか♪♪♪」


「ユミナ様。アホ二人が城を壊そうとしていました。アタシが粉々に破壊していいですか☆☆☆」


 三者三様、悪口挑発なんでもござれ。


「良いよ〜」


 クイーンは開いた口が閉じない。

『良いよ〜』じゃないよぉおおお!?!?!?!? ちょっと、ユミナさん!?!?!?



 3人を囲む濃密な殺気。邪悪な笑み。鋭い殺意の瞳。3人それぞれ武器を構えていた。自分以外の二人は殺しのターゲット。


 いつ殺し合いが始まってもおかしくない。

 が、睨み合う3人を除く【玉座の間】にいる人々は無視していることにクイーンの脳が処理できずにいた。




「皆おかえり!! 任務ごくろう〜」


【玉座の間】の奥。一際目立つ豪華な椅子。あれこそが王様の椅子。なのだが、どういう訳か主は座っていない。大理石で出来た床に従者を使って優雅に寛いでいた。


 サジタリウスの馬のお腹に頭を置き、脱力中のユミナ。ユミナの前にはクイーンを助けた少女、ピスケスが座っていた。隣でヴァイオリンを引き、奏でているのはプレイヤーは勿論、最近ではNPCの貴族にもファンがいるアイドル、アクエリアス。



「ヤァ〜 クイーン。ようこそ、私の城へ!」


レオ姐がスピリタスを飲むと水感覚で飲み続けれる......



リブラの装備

〜装備欄〜

 頭:理を導く智慧の天秤

 上半身:理を導く智慧の天秤

 下半身:理を導く智慧の天秤

 足:理を導く智慧の天秤


 右武器:調停者の巫星杖(テーミス)

 左武器:



【サジタリウス】:接触禁止(アポロン)

【スコーピオン】:接触禁止(クレオパトラ)

【リブラ】:接触禁止(ハイエルフ)

【ピスケス】:接触禁止(バハムート)

【ジェミニ】:接触禁止(ディオスクーロイ)

【アクエリアス】:接触禁止(セイレーン)

【レオ】:接触禁止(セクメト)

【カプリコーン】:接触禁止(ミカエル)

【タウロス】:接触禁止(ヘパイストス)

【アリエス】:接触禁止(マリア)

【オフィュキュース】:接触禁止(メデューサ)

【ヴァルゴ】:接触禁止(グレモリー)

【キャンサー】:接触禁止(ダ・ヴィンチ)

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