ユミナ VS オリバー
「おしゃべりはここまでよ。悪魔との条件もある。まずは、貴女を倒すわ」
別々の短剣が二本。カプリコーンの情報では冒険者時代から短剣使いで二刀流スタイルと記載されていた。
「何の真似よ」
私の行動に怒りの口調になるオリバー。
「......武器を出しなさい」
そう、私は裁紅の短剣はおろか、星刻の錫杖すら装備していない。
「バカにしてるのかしら......」
「いえ、微塵も」
ゆっくりとオリバーに近づく。
「どうぞ、どこからでも攻撃してください!」
「侮辱っ」
そう言ったオリバーは一気に駆け出す。
舐めた態度を取ってる敵に向かって短剣による攻撃を仕掛けた。
「私、貴女に個人的な恨みがあるのよ」
恐怖。身も毛もよだつ感触。明るい声が一瞬で消え去り、残ったのは冷酷な一言だった。
「がっ!!」
オリバーは後ろへ吹き飛んだ。五メートル以上もノックバックした。
自分に何が起きた分からないオリバー。
「どうしましたか? 私は貴女の顔面に膝蹴りを入れただけですよ!」
「き、貴様......」
「貴女、カプリコーンを辱めたよね......許さないわ」
笑顔のままオリバーへ走り出した。
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PN:【ユミナ】
職業:①:【魔導龍王】
②:【魔導剣士】
〜装備欄〜
頭:
上半身:アグネス女学園の戦闘用制服:【深碧】
下半身:アグネス女学園の戦闘用スカート:【深碧】
足:アグネス女学園のロングブーツ:【焦茶】
右武器:なし
左武器:なし
〜装飾品〜
①:アグネス女学園の赤リボン【1年生】
②:※装備可能
③:※装備可能
④:※装備可能
⑤:※装備可能
⑥:※装備可能
⑦:※装備可能
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私がオリバーを後ろへ吹っ飛ばしたことで生まれた空間。オリバーは体勢を整え、短剣で襲ってきた。目にも止まらね攻撃モーション。右は上、左は下。
縦に短剣を振ってくる攻撃。左へ身体を傾ける。身体の面を横に向ける。オリバーは私が避けるのを織り込み済みだったかのように二連撃目を繰り出す。左手に持つ短剣が下から上へ。軌道が斬り上がる。
私は低いジャンプをし、両足の裏で防御。短剣は勢いよく振り上がる。身体を捻り、刀身を発射台の様に跳んだ。その場で空中回転。
着地のタイミングでオリバーから溜めからの突き技。右手は一撃目で突き技の姿勢を整えるのに十分な時間はあった。刃先が迫る。刺されれば致命傷になる。強烈な突き。
「このスピードでよく掴めるわね」
オリバーの手首を左手で掴んだ。短剣の刃先が私の腹部に当たる事はなかった。即座に短剣の面部分を持って手の甲側に捻る。オリバーが持っていた右手の短剣は地面に落ちる。左手に残っている短剣。水平斬りだった。
両足ガードは間に合わない。ならば......
左足を曲げながら前へ出す。足を伸ばし高く上げる軌道と短剣の軌道が交わる。
短剣はオリバーの手から離れる。
両手の武器が瞬く間に消えた。僅かな硬直。敵の行動を見逃さない。大きく上げた足を地面に戻す。
「あ゛っ」
本気の踵下ろしがオリバーの頭部に直撃。顔面から倒れた。地面が衝撃で割れる。
地面に叩きつけらた。反動で若干浮いたオリバー。
「許さない、って言ったでしょう」
相手を睨みつける。
膝をたたみ、一気に解放した。オリバーの腹部へ鋭く、正確に真っ直ぐ打ち込んだ。
中段前蹴りの一撃でオリバーは後方へ吹っ飛んだ。
破砕音。
オリバーは壁に叩きつけられた。壁は壊れる。オリバーはもたれ掛かっている状態でぐったりしていた。
目の前まで辿り着いた。警戒は解いていない。
「どうして私が武器を使わなかったか分かりますか?」
動く気配のないオリバー。
誘拐された生徒達は、皆、武器を持っていなかった。そして無防備状態でモンスターに捕獲された。何も出来ずただ黙って喰われた。ずっと武器を携帯すれば対処できた、とは言わない。
彼女たちは兵士じゃない、貴族令嬢だ。そして......誘拐されていない生徒たちも貴女の私欲の為に、安全な学園なのに恐怖しながら生活していた。
「全校生徒の代表で貴女を完膚なきまでに倒します———皆さんと同じ武器未所持で」
武器使用で戦ってユミナが勝っても、相手は納得しない。だって勝てたのは武器の性能が高かったから、と敗けを認めない。
だったら丸腰・素手で手も足も出せず完膚なきまでに完封すればいい




