これは怒り案件だわ
「最後は......」
「あら、可愛い!!」
私の言葉に睨みを利かす3人の従者。
「ギャアアアアアア!?!?!??!?! 痛ァアアアッ!?!?!」
ふくらはぎのマッサージが中断。代わりに足の裏へ。激痛ポイントを凄い勢いで押すから、激痛に耐えれなくなり身体が捩れる。暴れる私の身体をヴァルゴとリーナが抑える。逃げ場がない。
「ごめんなさいごめんなさい、許してぇえええ!!!!」
悲痛な叫び。届かない願い。
一瞬私を見下ろす3人の表情がサディスト全開になっていたが気のせいだろうと思いたい............
数分後、ようやく地獄から解放された。
「あー。しんどかった......」
マッサージを受けていたはずが身体が疲れている。
「ご主人様が余計な一言を口走るからです」
「だって、可愛い子だったし」
追撃とばかりに私の足裏スタンバイしてるカプリコーン。
「ごめんなさい、もう言いません」
「ハァ〜 私たちも可愛いんです」
「綺麗と言われるよりも?」
「ご主人様は理解していません。女性は『綺麗』と言われる以上に『可愛い』と言われたい生き物なのです!!!」
3人の頬が赤く染まっていた。
「わ、わかりました。以後気をつけます」
「ゴホンッ! 話を戻します。ご主人様が『可愛い』と仰った生徒は———」
なんか非常にトゲのある言い方だな。今は反論はよそう......死にたくないし
「彼女は二年首席、リタ・ウィロー。【2−1】で爵位は大公」
幼い見た目、肩まで伸びたブロンドに二年生の青リボンがついているが特徴的。お人形さんみたいで非常に愛くるしい表情を出してる。
か、かわいい♡
「......後でアリスに報告します」
「待ってください。お願いします、娘には言わないで」
アリスから『ママ嫌い』とか言われたらユミナは死ぬ、必ず。
「カプリコーン。アホのお嬢様をほっといて続きを」
「ねぇ〜 ヴァルゴさん。私も人間。そろそろ泣くよ」
「お嬢様の涙を採取できるチャンス、ということですね♡」
いや、怖ぇよ。何企んでいるんだよ、発情悪魔。採取の局面になったら、全力で涙を枯らそう。
「分かりました。ヴァルゴが在籍してる三年生はコチラです」
あざやかな赤の髪色。メガネを掛け、小柄な少女なのに胸がデカい!!?
「彼女はシャリー・エラーブル。【3−1】。爵位は子爵」
「中々のモノをお持ちですね」
「リーナもビックになるわよ(ガッツ!)」
「あ、はい。そうですね......」
がーん! リーナがツッコミを放棄した。
「いつも見慣れてますよね、お嬢様」
両腕を上へ。目的地はヴァルゴの巨大な胸。
「そうだなぁあああ!!!!」
「ちょっと!?!? いきなり揉みしだくのはダメですよ!?!?」
「うるせぇえええ!!! 極上のたわわを持ってなくてわるぅうううござんした!!!」
相変わらずデカくて、柔らかい。なんだこの物体は!!? 至高の逸品だ。でっけぇええ...!!
「何をキレているのですか? お嬢様にだって立派なお胸があるじゃないですか」
カッチン! 今のはいただけないな~ ヴァルゴさんや~
「おい。コイツの胸を削ぐぞ! 手伝え、野郎ども!!!」
「........................話を再開してもいいですか」
私たちは直ぐに元の姿勢に戻る。すみません、カプリコーンさん。
「次は、テイラー・ブロッサム。【3−3】。爵位は侯爵」
似顔絵に写る女性。真っ白い練絹のような白色のストレートヘアー。笑顔が魅力的な癒し系な女子生徒。
なんだろう。テイラー・ブロッサムを見ると心の底から癒される。無性に祈りを捧げないといけない衝動に駆られる。天使か!!? 学園に天使様が居たのか!!
「申し訳ございませんね。無愛想で癒しが不得意な大天使で」
膨れているカプリコーンを宥める。
「怒らないでよ〜 カプリコーンも十分可愛いわ。自信を持ちなさい!!」
そっぽを向くカプリコーン。少し口角が上がってる。きっと嬉しかったんだな〜 かっわいい♡ 後でキスしよう!
「本当の最後の一人です。三年次席レイチェル・ライラック。爵位は大公」
透明感のある黄褐色は輝いていた。縦ロール風の髪型、ルビーの瞳。基本学園の制服は深い緑色。しかしレイチェル・ライラックは深い紫色の制服をまとっていた。高貴さと美しさを兼ね備えていた。しかし何処か近づきがたい印象を受ける。
「私、この方知っています」
「ヴァルゴと同じクラスですからね」
ヴァルゴは【3−5】。クラスメイトでしたか。類は美人を呼ぶ、とも言うし〜
「『わたくしに仕えなさい』といきなり言われました」
「はぁ!」
良しッ! 戦争だ!
「一方的な会話の中で『貴女が欲しいわ』や『わたくしの前に跪きなさい』からの『貴女はわたくしの騎士に相応しい』などレイチェル・ライラックが戯言を吐いていました」
ビキッ! ビキッビキッ!
「ヘェ......」
「ですがお嬢様、丁重にお断りしましたのでご安心してください。ただ......」
首を傾げるヴァルゴ。
「キレられました。不思議です」
「あーそこは分からないのね」
「いえ、理解はしています。しかし自己紹介で結婚していると言いました。にも関わらず私を口説くのが、未だに分からず不思議です。それに———」
ヴァルゴが私の額にキスをする。
「私の上に立つ御方は、未来永劫ユミナ様だけです♡」
「ありがとう! 嬉しい♡」
「何処ぞの小娘の下につく気はありません」
「あはは......辛辣」
「”生徒会に入れ”や”【監督生】になれ”など言われてもお断りします」
「面白そうだと思うけど〜?」
「ただでさえ学年が別で、学園で会えるのがお昼と夕方以降。これ以上お嬢様と離れ離れになった時には......」
「”時には”?」
「学園を壊します」
おい。ここに物騒な狂人がいるぞ
「以上が【監督生】の情報です。現在シフォン会長が不在。生徒会も副会長グレース・グリツィーニエ
を中心に活動していました。が、生徒会顧問オリバー・リーディエント教師の判断で【監督生】と合同で学園を守る処置が取られる事に決定しました」
「そっか~ ありがとう、カプリコーン~ さ〜って、どうやってコンタクトしようかな〜」
「ユミナ様。瞼が落ちかかっています」
眠くなってきた。途中だけど、もう就寝しよう。なんか忘れている議題があった気がするけど、明日考えよう......
「みんな〜 明日から【監督生】を中心に聴き込みしよう。ヴァルゴはレイチェルに気をつけてね。それじゃあ、おやす......」
眠る瞬間に瞼が見開く。ベットから素早く起き上がる。
⭐︎:【監督生】
一年生
⭐︎ジェニファー・ホリホック:侯爵:【1−1】
⭐︎ラクエル・クリュザンテーメ:侯爵:【1−3】
⭐︎エリザベス・ラゲナリア:伯爵:【1−5】
・ユミナ&カプリコーン:【1−4】
・スレッタ・レッドプラム:伯爵:【1−4】
・ミネル・ヴォリュビリス:男爵:【1−4】
二年生
・リーナ:【2−2】
⭐︎ジェシカ・フォンテ:男爵:【2−2】
⭐︎ソフィア・シカーダシェル(妹):侯爵:【2−4】
・ミシェル・シカーダシェル(姉):侯爵:【2−4】
⭐︎リタ・ウィロー:大公:【2-1】
三年生
・ヴァルゴ:【3−5】
☆シャリー・エラーブル:子爵:【3−1】
☆テイラー・ブロッサム:侯爵:【3−3】
☆レイチェル・ライラック:大公:【3−5】
もし仮にユミナちゃんがゲーム引退&データ削除した場合、星刻の錫杖は再び持ち主を探し求める。新たな主人が見つかり、星霊と歩む女王になっても、星霊はここまで心を許しません。歴代の星霜の女王と同じ対応をします。
何故なら、星刻の錫杖を持っている主を愛しているのではなく、ユミナだから愛している




