厄除け串団子は激戦品。その2
サブタイのサブタイ
『全てはユミナ様の為に!!!』
次話、日曜日6時位です。よろしくお願いします!
早速私たちは天日山にある源徳寺に足を運んだ。もうすぐ夜になる時間帯。道の端に等間隔で設置されている灯籠に灯りが灯る
「ひぇー!!? 多いわね」
到着した。広い道。横幅も寺に続く縦道も。よほどの事がない限り混雑する理由がない。それくらい長い道だった。
だが、寺の門の前。巨大だ。大勢の妖怪さんたちがいた。混雑してる。門が閉まっているため。
私とヴァルゴはとある団体の区画へ移動した。
私の従者が前もって場所取りしていた区画だ。一部の従者をボルス城と天空島でお留守番をさせて、残った従者全員で天日山に来た。
マンパワー、サイコー......ッ!!
「みんな、ありがとう!」
カプリコーンは深々と謝罪した。
「申し訳ございません、ご主人様」
「急にどうした!?」
「先頭付近は既に制圧されていました。その後も迫る群衆の波に太刀打ちできず、このような場所になりました」
「十分だよ。クシナダさん曰く今日は天日山の縁日らしいから、みんな気合い入ってるらしいよ」
に、しても多いな~
周囲は屈強な妖怪さんたち。見た目からは団子とは無縁の人たちだ。ちらほらプレイヤーも混じっている。カグヤに教えられて初めて団子の存在を知ったけど、かなりの人気イベントみたいだ。レオに肩車して後ろを見ると今尚、集まってくる群衆。
「こんなに多いけど、団子手に入るかな」
「それには及びません、ユミナ様」
アリエスたちが事前に情報を集めてくれた。参加者は必ず1箱は団子を獲得できるように設定されている。だから後から源徳寺にたどり着いても目的の団子は入手可能。
後、目的の『厄』を除去する『くし団子』は『厄』を取り除くだけではなく、美容にも良く女性へのプレゼントに最適。他にも一時的なステータス強化に用いられている。消費アイテムで源徳寺限定のアイテム。
「それで、こんなに多いのか」
「それだけではございません。噂によれば、今日は特別な饅頭が手に入る、とか」
「特別な饅頭か。欲しい気持ちはあるけど、今日はカグヤの『厄』を除去する『くし団子』が目当てだし、諦めるか~」
「そうですね。あくまで噂ですし」
『お待たせしました!!!』
女性の声。大声のする方にみんな、顔を上げる。門の上に立っているのは、巫女服を着た狐の妖怪さん。
「初心者に優しい説明」
「毎回ルールを守らない人が一定数いるらしいです」
巫女服の狐ちゃんの説明を聞く私たち。今私たちの前に聳え立つ門は【仁王門】。開門と同時に入場が可能。門は全部で3箇所門には門番が待ち構えている。門番が妖術で生み出すオブジェクトを破壊することで素材がドロップする。
別の素材を入手するには、門番に力を証明する必要がある。証明と言っても門番と戦うわけではない。各門で獲得できる素材を一つでも入手出来ればいい。最後に源徳寺の巫女さんに素材を渡せばカグヤご所望の『厄』を除去できる『くし団子』が完成する。
『実はここで皆様に素敵なお知らせです!!!!!』
全員が耳を傾ける。
『本日、天日山の縁日。そこでわたしたちの女王殿であるクシナダ様から特別な品物を賜りました』
巫女さんが持っていたのは紫の紐で封印されている木箱。紐は解け、蓋が開く。
中身は......饅頭? 白桃色の饅頭が特別な品物?
『こちらは【愛成就の饅頭】。これを意中の人に食べされてば貴方に夢中。最終的に幸せな結婚生活も出来ます!!』
周りが沸く。大喝采。
私はしばし放心状態だった。
いや待て、コラァアア!!! 食べた者が貴方に夢中。最後は結婚まで持ち込む......だと。完全にヤク......
合法じゃない。クシナダぁあああ!!!! 貴女一国の王様でしょうがぁあああ!!!!!!!
なんて物を国民に渡そうとしているのよ。てか、そんな物を世に出すなぁああ!!!
『しかしこの【愛成就の饅頭】は大変珍しい品。数はこの1個のみ。あとはお分かりですね?』
全員が横にいる者を牽制する。ヤンキー同士の抗争前みたいだ。男型の妖怪も女型の妖怪もオラついてる。和ノ國の国民、怖い......
『こちらの贈呈品は源徳寺に到着した初めの方に進呈します。ルールは簡単。天日山頂上にある源徳寺にわたしたち巫女さんがいます。巫女が持ってる白いテープを誰よりも早く潜った者、一位の方に【愛成就の饅頭】をお渡しします』
誰よりも早く本堂に到着した者が、意中が自分をメロメロできるヤク饅頭が手に入るか......
なるほど、なるほどね〜
意中に性別指定はない。言うなれば誰でもいい。異性だろうと......同性だろうと。自分が好きな相手に【愛成就の饅頭】を食べさせればいいのだ。『お土産で買った限定品です』とでも言えば簡単に食すだろう。
なるほど......なるほど......逃げるか!
逃げると言っても境内でひっそり素材集めする。あとは人知れず『くし団子』を完成させ、カグヤに渡す。私は雲隠れすればいいのだ。
音が聞こえる。影が大きくなる。時間がない。
冷や汗が出る。不味いな......
早く命令しないと、取り返しの効かない事態に直面する。
振り返ると......みんなが飢えた猛獣の目をしていた。
逃げるが後ろから羽交い締め拘束。からの四肢は動かないように取り押さえられた。口は手で何重にも塞がれた。声を出さないためだろう。完全に身動きが出来ない私が出上がった。
(お前ら、後で覚えてろぉおおおおお!!!!!!!)
(おいッ!? 誰だ、どさくさ紛れて服の中に手を突っ込んでいるヤツは!!?)
もがく私を無視し従者の前に移動する者。ヴァルゴだ。
従者たちの前にヴァルゴが宙に浮く。
「本来であれば、一位は私。【愛成就の饅頭】は私が独占できます」
ヴァルゴに大勢の野次が飛ぶ。9割は私の従者。残り一割はヴァルゴの素性を知らぬ者たち。
「私に......勝てるのですか?」
従者全員黙る。戦闘は誰も敵わずは勿論、仕事も正確&完璧にこなし、美術も芸術等あらゆる分野に全て精通してる。更に念願の愛を知り、私と結婚した。隙がないスパダリ女騎士さん。こんなバグキャラがいて良いのだろうか? ラスボスよりラスボスだよ。運営からの修正がないのはありがたい。いやぁ~ でも胸は修正して......駄目だ。私専用の枕が失くなってしまう。
「ですが、私は考えました。私一人が独占しても意味がないと」
顔が上がる従者たち。
「お嬢様は皆が好きで、愛している。私たち従者も同じ」
一斉に頷く。
「皆の幸せのために、共有します。皆でユミナ様を愛しましょう!」
ヴァルゴ対して従者から歓声が上がる。黄色い悲鳴に近い。
「私たちのミッションは二つ。一つは寺に到着した一位者に贈呈される【愛成就の饅頭】。私たちの中から誰かが一位になれば目的は完遂します。その後は......スコーピオン」
「饅頭をラボに持ち帰り、増やす」
「正解です。一人一つではなく半永久的に増やせるように」
「すぐに大量生産してみせるわ!!」
「そして、最優先事項のミッション。『くし団子』の大量入手。従者全員は開始と同時に素材を落とす敵を一掃。素材はすぐに星霊に渡してください」
ヴァルゴの作戦内容は続く。
「星霊はウラニアの指輪を常時展開。素材を収納してください」
星霊は頷く。
「今回のミッションはあくまで『くし団子』の回収。最悪饅頭は諦めましょう。『くし団子』回収ミッションを失敗でもすれば......私たちは二度目の失敗です。言葉に出さなくても皆さんはお分かりですね」
全員の表情が曇る。二度目の失敗。では一度目は何なのか。そう、主の記憶を失くし、主に対して無礼な態度、取り返しの付かない仕打ちをしてしまった。主は『予期せぬ出来事だったから全て許す』、と言われた。だが、それでは自分を許せない。自分たちをどん底から救ってくれた恩人。名誉を挽回したい。否、しなければならない。
「私たちは、ユミナ様の命令を完璧にやり遂げないといけない。皆さん、心に刻んでいますね」
全員がやる気に満ちている。
「成功させます! 全てはユミナ様のために!」
『『『全てはユミナ様のために!!!!!』』』
従者の士気が最高潮に達した。彼女たちに迷いはない。
解放された私。聞こえない声で発する。
「―――......……皆が怖い」
ユミナの従者内枠
女王ユミナ...1人
聖女アシリア...1人
星霊...11人(有事の際、双子座も駆け付ける)
プレセベ内部に保管されていた女型機械人形...1000人
吸血鬼姫リーナ...1人
サキュバスの皇女コーラン(偽名)...1人
妖精姫フェーネ...1人
ユミナの娘、アリス...1人
使い魔...24体
覇天紀龍 ランペイジフリート・リベリオン ”GROOVY”(ドラン)...1体
クラス(ラキ)...1人
刻獣...12人
エルフ族
女性白エルフ(レベル200オーバー)...300人
女性黒エルフ(レベル200オーバー)...300人
龍の都(龍人族)
長巫女候補ヒメノ...1人
真龍(レベル500)...10人
真竜(レベル100オーバー)...140体
巫女...150人
和ノ國&ヨシワラ
呪術師兼太夫カグヤ...1人
ヨシワラの亜人遊女...600人
女型妖怪(レベル100オーバー)...500人
参加者10万人
【仁王門】(スタート地点)
↓
【??門】
↓
【??門】
↓
【???門】
↓
【源徳寺】(ゴール地点)




