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幕間〜とある女神の承認〜

キューの方はちょっと無理やりだったかも?

 あー、正月から働かされるなんて割に合わないことさせられたわ。調和神センパイ様ももうちょい手綱を緩めてくれたって。お陰で七草粥食べるまで働き詰めだわよ。いやー、正月からやってるファミレスとかコンビニの店員さんとか頭が下がるわよね。


「でしたら私どものことも労わってくださっても」

「いや、セリオース、あんたら疲れないじゃん。ロボットだからマシンだから」

「そのネタはもうやりましたし、私はヒューマノイドインターフェースです」

「うるさい! どっちにしても疲れないでしょ」

創造神様バカと話してるとものすごく疲れますね」


 あんた今すごく失礼なルビふらなかった?


「気の所為でしょう。それよりも新年会のお報せ来てますよ」

「年末に忘年会やったのに新年会もやるの? やだよ、至高神様達じゅうやくさまがたの隣でおしり触られながらお酌するの」

「触られたらセクハラって騒げばいいじゃないですか」

「忘年会でそれやった同期かみがこないだ左遷されたの知ってるでしょ」


 至高神の一人にハリのあるおしりを触られて、その同期かみは悲鳴をあげて、頭から酒をぶっかけたのだ。個人的には自業自得ないい気味だったんだけど、ことはそれで終わらなかった。


 仕事始めにその子が呼ばれて、廃棄寸前の世界の世界滅亡じごしょりの任務に着かされたのだ。この事後処理なのだが、とても精神にクる。私たち神ってのは信仰によって成り立ってるところがある。


 つまり、信者が多ければ多いほど神としての力が増すのだ。その為に別アバター作ったりする神もいる。まあ私は自分の世界で事足りてるからいいけど。


 ところが、その配置換えになった女神は悲惨である。仕事は世界を滅亡させること。当然ながらその過程で神を呪う人だって出てくる。信仰とは真逆の呪詛。これは確実に神の心を、身体を、蝕んでいく。いつまでもつかなあ。


 ちなみに調和神様はそういうセクハラをされたことがないらしい。まあ並のひとなら泣き寝入りなんだろうけど、あのひと簡単に法務に訴えます!とか言ってきそうだもんなあ。


 なんかこう、事件でも起こればその対応のためとか言って休めるんだけどなあ。ん? なんだろ、これ。聖魔法の申請かあ。いやまあ新年だしそういうのが必要なのはわかるけどあまり多用して欲しくないって言うか。えっ、さっきまで仕事ないかなって言ってたのは何かって? それは言わない約束だよ、おとっつぁん。


 申請元はどこだろ? まあ十一世界とかなら大目に見てあげないとね。あそこは私が頑張って救ったんだから……は? 十四世界? 八洲のあるところ、キューちゃんの出身世界でティアちゃんがいるところ。えっ、えっ? あの世界には魔法の設定とかはしてなかったよね? あ、ティアちゃん、ティアちゃんなのね!


 しっかしまあ聖門の魔法を使う様な事態って何? 魔王でも復活したの? えっ、魔王? いやまあ居ないんだけど。私はそういうの好きじゃないから設定してないし。


 仕方ない。ちょっと現場を見に行って……何アレ? 呪い? あ、いや、確かにこの世界には呪いとか妖とかはあるけど。あそこまで育った呪いは初めてじゃない? こないだのぬえよりも酷いわよ。


『もしもーし、ティアちゃん?』

『あ、ポンコ……創造神様』

『……色々言いたいことはあるけど後でね。なんか聖魔法の申請が来てたんだけど』

『そうなんですよ。聖門とか使ったことなかったんだけど創造神様の加護もあるしできるかなって』

『あーまあ、プロセスワン、正しい詠唱と発音、プロセスツー、対象になるものの規模、プロセススリー、神の祝福の三段階はクリアしてるけどね』

『そんな基準あったんですね。まあやってできなかったらアウトって事で』

『行き当たりばったりねえ』


 呪いの本尊を見てみる。よくもまあこの世界であそこまでの呪詛を組み上げたものだ。私だって見てて吐き気がする。


 あれ? キューちゃんからも質問? こっちは「絶滅したはずのシルクスパイダーを甦らせる手はないか?」いやまあこれは私に対する質問というよりも一人で考えてるやつよね。


『あ、ティアちゃん。ちょっとその子の浄化終わったあとにキューちゃんの所に持ってくから』

『えっ? それって迷惑なんじゃ』

『違うわよ。このままだとそこに魔力溜りが出来ちゃうからちゃんと魔力の循環する地に蛇と蜘蛛を分離して持っていくの。もちろん聖魔法だから害はなくなるし』

『いやまあ害がないならいいんですけど』


 とりあえず聖魔法の承認は出したからあとはそのまま浄化してもらうだけ。それを十二世界に移植して……えっ、転生にならないのかって? いや、今回のは種の救済だからね。肉体滅んでなかったら歪みが起きてたかもだけど。


 まずは二匹を亜神化。まあ所謂現地従業員の雇用って奴ね。


「二匹とも、あなたは元の世界を離れて別世界で森の守り神になります。とりあえずキューって子がその内来るから話を聞いてあげて」

「御意にございます」


 二匹が承諾して頷く。二匹がこれからやる事は、蜘蛛はシルクスパイダーの統率と育成、蛇は恵みの雨を降らせて豊穣の魔力を大地に流す。これでこの地の人々が豊かになるでしょう。さてと、キューちゃんにお報せしないとね。


『キューちゃん、キューちゃん、今あなたの頭の中に直接語りかけています』

『忙しいからステイ』

『誰が犬か! スパイダーシルクの件の解決策よ。そこの森に蜘蛛と蛇の亜神を降ろしたからその子たちに話を聞いてあげて』


 それを聞いてキューちゃんもピンと来たのか、「なるほど。たまには女神様らしいこともする」とか褒めてた。褒めてた? いや、褒められたんだと思う。


 ざっと蜘蛛と蛇の説明をしてから通話を切る。ふう、やれやれ。というかあの森って元々鎮守の森だったはずなんだけど、神殿とか朽ちちゃったのかなあ? いやまあ私の神殿じゃなくて、土着神ひらしゃいんの居るはずの場所なんだけど。あそこの管理人はどこ行ったのかなあ?

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