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第二百五十話 捕縛

まあ前の代官の時からやってたんですよね、サディアス。

「サディアス、好き勝手してくれたようだね?」

「誤解です、エドワード様! 我々は普通に応対していたのに、そこの神官長が額が少ないとゴネだして、ゴールド級冒険者まで連れて来てたんです。暴れる気満々だったって事ですよ!」


 よくもまあ口が回ることだ。グレイシアさんが額が少ないと文句を付けた? いやまあ確かに額は少なかったからね。こっちは金額すら聞かせて貰えずに痺れ薬盛られたんですけど。


「痺れ薬盛られたんですよ」

「なんだって!?」

「ご、誤解です! 誰も痺れてなんかいませんから。この事でも嘘だとわかるでしょう?」

「痺れ薬、エブリダケの一種かな? 多分効果は半日くらい。間違ってた?」


 タオの言葉にサディアスは息を詰まらせた。間違いなくそういう毒を使ったんだろう。


「そういえば「売る」とか言ってたよね? 私たちをどこに売り飛ばすつもりだったのかな?」


 ニコニコしながら尋ねるタオ。怖い怖い。いやまあ怖くていいんだけど。


「し、知らん! まるで私が人身売買組織と繋がりがあるみたいな口を……」

「それはぜひ調べてみないといけないね」


 サディアスを遮るようにエドワード様が口を挟んだ。


「騎士たちは動くな。なぜこのような事をしたのかは分からんがお前たちにはそれなりの処分が下るだろう」

「あ、エドワード様、待ってください」


 私はエドワード様に話し掛けた。早合点で色々して欲しくないからね。


「どうしたんですか、キューさん」

「おそらくサディアスに従ってた騎士は捕縛したこいつらだけです。そこに立ってる彼らは強制されたか、訳もわからず連れてこられたかのどちらかです。その辺はちゃんと調べてあげてください」


 騎士たちを見るとものすごい勢いで首を縦に振ってる人が沢山いた。まあサディアスが指示出したらとりあえず出動しないと反逆罪みたいな汚名を着せられるかもだからね。


「分かった。しかし、本当の事を言ってるかはわからないぞ?」

「え? あの箱あったじゃないですか。真実がどうとかいう」

「真実の箱だね。あれは冒険者ギルドのギルドマスターであるアリュアスのものだからね」


 あ、あれ、私物なのか。もしくは冒険者ギルドが所有してるってことかな?


「あの箱? そういやアンヤばーちゃんも持ってたね」

「冒険者相手ならまだしも、貴族相手にそれを使うのは相手を信用してないという侮辱になるから貴族はあまり使わないんだよ」


 ああ、便利なものなのに使わないのはなんでかと思ったらそういうことか。まあ貴族は建前もあるし、何より見栄を貼らないとダメな場面とかもあるもんね。それを暴いてしまうのはなんともやるせなくなるってことか。


「でもこの場合は騎士だから使った方がいいのでは?」

「騎士は主に仕えるという誓いを立てているからその誓いを疑う事は騎士としての誇りを否定することになる。そんな主には騎士は仕えてくれないものだ」


 よくわからんけど騎士というのはそういうものらしい。単なる衛兵なら別に使うのは構わんらしいけど。衛兵は職業で、騎士は生き様らしい。本当にわかんない。


「うーん、まあ私が一人一人調べてもいいんですけど」

「そんな事出来るのかい?」

「任せてください。こうやって鑑定を……」


 そんな感じでサディアスに鑑定サイコメトリをかます。こいつはどんな……


【サディアス:領の予算を着服したり、外国に子どもや女性を売ったりしてるクズ。教団の人間とも繋がりがあり、度々浮浪児を教団に売っていた】


 クズじゃん! というかこいつ教団とも繋がってたの!? いや、この様子だと教団員ではなくて金儲けのために利用したとかそういうやつかな。


「へぇ、浮浪児の誘拐、教団とのつながり、外国に人身売買、領の予算の改竄や着服が可愛く見えてくるね」

「なんだと!?」

「ご、誤解です、エドワード様! 私は女神様に誓ってその様な事をした覚えはありません!」


 あんなのに誓われても説得力ないんだけど。天罰でも落としてもらう? いや、やめよう。あのひと、多分面白半分とか暇つぶしとかで天罰やりそうな気がする。


「女神様の名を出したのだ。嘘偽りは一切許さんぞ? では、騎士たちよ、この舘を徹底的に調べろ! 一部はサディアスの屋敷に行き、書類を押収するんだ!」

「イエス! マイロード!」


 あ、あのセリフって司令官にだけ言うやつではないのか。いやまあエドワード様も司令官っていえば司令官なんだけど。


 あ、私も動こうかな。ええと、とりあえずどこに隠してあるのか分からないから透視クレヤボヤンス併用しながら転移テレポートで部屋を回ってみる。


 三部屋目くらいでなんか下に降りる階段が隠された部屋を見つけた。これ、前の代官の屋敷と似た感じの作りだね。


 下に降りると鉄格子がいくつかあった。まあ救いとしては誰も居なかった事なんだけど。もしかして出荷済みみたいな感じ?


 私は慌てて上に戻るとサディアスに詰め寄った。


「下にいたはずの子たちはどこに行ったの?」

「何の事だ? 私は知らんぞ?」


 とぼける気満々だ。ならば再び鑑定サイコメトリ


「くっくっくっ、今頃は馬車に乗って隣国にでも出発しとる頃だろうよ。この場を乗り切れば私にもまだ挽回の目はあるわい。それに受け取りは愛人にしてあるからバレることもあるまい」


 うわっ、こいつ愛人まで囲ってんのかよ。しかし子どもたちが馬車で運ばれてるとなればこうしちゃいられない。


「エドワード様! 私はちょっとお先に失礼します。タオ、一緒に来て!」

「は? いや、ちょっと待って。こっちは?」

「良いから! ほら、行くよ」

「あー待って待って待って」


 なんか喚いてるタオを引っ掴んで転移した。場所は正門の辺り。馬車のスピードというかいつ出たのかによるけどとりあえず急いで追わなくちゃ。


「ちょっと、キュー、何事なん?」

「ごめん、タオ。子どもたちの為に協力してくんない?」

「わかった。急ぐんだよね?」


 タオはすんなりと頷いてくれた。

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