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11話 世界で一番美しい笑顔。


 11話 世界で一番美しい笑顔。


「王子は……孤児だった私を救ってくれた」


「お前は救われてなんかいないよ。ただ、洗脳を受けただけだ」


「っ……な、何を……そんなワケ……」


「暗殺者として才能があったお前を誘拐し、邪魔な両親と妹を殺し、徹底的なスパルタ教育で一流の暗殺者として育て上げ……おまけに、反抗できないよう『バカ王子に救われた』というニセの記憶を埋め込まれた……それがお前の現実だよ、エキドナ」


「ぅ、うそ……だ……そんな……そんな……」


「現実と向き合え。自分で洗脳を解いてみろ。お前なら出来るはずだ」


「……わ、私は洗脳されてなど――」


「逃げるなよ。本当は、薄々気づいていただろう? お前はバカじゃない。バカでいるのは楽だが、それじゃあ、前には進めねぇ。『クズどもの道具』で人生を終えるな。立ち向かえ。その勇気をしめすなら……居場所をくれてやる。ノコを守る刃としての役目。これは最初で最後のチャンスだ。勇気をもって立ち向かえば、闇人形としてではなく、日の当たる場所で生きられるようになる」


「……」


「お前を救ってやる気はないが、手助けぐらいはしてやるよ」


 『絶望のどん底に落ちる苦悩』は知っている。

 『そこから這い上がる難しさ』も知っている。


 だから、センは、

 彼女が、『自分の力』で鎖を引きちぎれるよう、手助けをする。


「う、ぅうう……ゥうううううっ!」


 奥歯の軋む音が聞こえた。

 彼女の苦しみが伝わってくる。


 センは、そんな彼女に、


「頑張れとは言わない。誰かに言われなくとも……お前なら、頑張れる」


 その言葉がキッカケになった。

 最後の一押し。

 ほんのわずかな支え。

 けれど、実は、それが、もっとも大事。


 パリィイインッッ!!


 と、鎖が弾け飛ぶような音が聞こえた。


「ぁ……っ」


 天を仰いで、酸素を吸い込むエキドナ。

 その目には、『それまでには無かった色の光』が宿った。


「……洗脳されていたとはいえ……今の今まで、ずっと……あんなカスに尽くしてきたのかと思うと……ほんと……死にたくなるわ……」


 怒りで顔を赤くして、

 ワナワナと体を震わせる。


「死ぬのは、ノコを守り切ってからにしてくれ。悪いが、それまでは生きてもらう」


 センは、どんな時でも一貫している。

 彼の原動力は、ノコに対する愛情。

 いつだって、それのみが、センを動かす理由。


「……あなたは……どうして、ノコ様に、そこまで尽くせるの? ノコ様が、多くの『苦しんでいる人』を救ってくれた聖女だというのは知っている。けど、それを踏まえて考えても、あなたのノコ様に対する献身は異常」


 そこで、センは数秒の間をおいて、


「……辛くて、苦しくて……『助けてくれ』って叫んでも、誰も助けてくれやしない。それが世界の常識で、当たり前で……そんな時、たった一人だけ、手を差し伸べてくれた」


「……」


「自分だって苦しいくせに、それを悟らせまいとして、無理して笑っていた……」


「……」


「世界で一番美しい笑顔だと思った。それは事実だが……俺が見たいのは、あんな『痛みを伴う笑顔』じゃない。もう二度と……あんな顔はさせない。俺は、絶対に、『ノコが幸せに笑える世界』を実現させる」



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