風邪薬泥棒が流行っているそうで
大陸中国がゼロコロナ政策をやめた途端、中国中で一気にコロナが広まった。
上海人の奥さんは、薬局でパブロンを6箱買ってきて上海の親戚へ国際EMSで送った。上海では風邪薬が売り切れてしまい入手困難だという。奥さんは、上海の親戚に風邪薬を送ってほしいと頼まれたのだった。
ところが、奥さんは親戚の電話番号を間違えて書いてしまい、東京から送った風邪薬が上海の税関でとまったままになってしまった。なんでも、税関からその番号へ通知のショートメールが行くので、その通知にしたがって手続きをしないと、税関が郵便局へ引き渡さないのだそうだ。近頃は中国へ物を送ると、税関が厳しく見張っていて関税を徴収する。
しかたなく、親戚は自分で税関へ赴き、約150元ほどの関税を払って僕の奥さんが送った風邪薬を引き取った。
「おじさんには手間をかけちゃったけど、電話番号を間違えて、かえってよかったわ」
と奥さんは言う。
「どうして?」
僕は訊いた。
「今中国では宅配便で送った風邪薬がよく盗まれるのよ。電話番号を間違えたおかげでおじさんが直接税関へ引取りに行ったから盗まれずに済んだわ」
「配達員が風邪薬泥棒するの?」
「それはわからないわ。中国は置き配が多いから、配達員が盗んだのか、置いたのを誰かに盗まれたかはわからないもの」
ともあれ、薬が無事に届いてよかった。
ちょうど上海の親戚に薬が届いた後、そのおじさん一家三人全員が次々と順番にコロナにかかってしまったのだった。もっとも、みんな一晩熱が出ただけですぐによくなった。パブロンはよく効くと好評だったようだ。




