表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
451/519

中国人になりたくない香港人の恐怖心が爆発した香港デモ

 香港人に「あなたはどこの人ですか?」と尋ねると、必ずと言っていいほど「香港人です」と答える。もちろん、中国大陸以外の場所でだが。彼らにとってのアイデンティティはあくまでも「香港」であり、「中国」ではないのだ。

 逃亡犯条例改正案に端を発した今回の香港デモだが、香港人を駆り立てているのは、中国に呑み込まれてしまうという恐怖心であり、香港経済不振への不満だ。

 恐怖心は、いうまでもなく、自由を奪われることへの恐怖だ。大陸中国と同様の統治になれば、言論の自由や表現の自由が奪われるだけではなく、中国共産党にとって気に食わない人物は、因縁をつけられて好き勝手に逮捕されてしまう。場合によっては、命すら奪われる。香港人はもともと大陸中国から逃げてきた人が多い。独裁国家の怖さをよく知っている。

 香港に独自の産業はなく、香港は中継貿易で稼いでいる。中国が改革開放を始めた頃、香港は中国における世界の窓として発展した。以前の中国は貿易に関して様々な規制が厳しく、香港経由で貿易をした方がなにかと便利だった。だが、大陸中国が発展し、規制も徐々に取り払われると、コストの高くつく香港をスキップして、諸外国と大陸中国とが直接に貿易を行うようになった。香港の地位は低下し、今では隣の深圳市のGDPの方が大きくなってしまった。

 今回のような大規模なデモが起きる要素はマグマのようにたまっていた。


 さて、大陸の中国人の香港デモに対する見方は冷ややかだ。

「香港は中国だ。中国が気に入らないのなら、香港から出ていけばいい。中国から出ていけ」

 これが大方の反応といったところだろう。

 大陸の中国人と香港人の間には根深い亀裂がある。お互いに同じ国の人間だとは思っていない。お互いに大嫌いだ。だから、こうした悪しきナショナリズム丸出しの反応となる。見方を変えれば、中国共産党の愛国教育がそれだけ成功した証左とも言える。

 大陸の中国人は中国共産党独裁のもとで育ったため、「自由」がどういうものであるのかを知らない。「自由」を奪われるのがどれだけ恐怖に満ちたものであるのかも理解できない。大陸の中国人が香港人へ「自由のためにがんばってくれ」とエールを送った方がよほど自分たちのためになると思うのだが、そもそも「自由」が分からなければ、「自由のためにがんばる」という発想が出てはこないのだろう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=280517787&size=135
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ