自国政府への失望の裏返しとしての親米
中国人の友人とチャットしていたら、米中貿易戦争の話になった。トランプがアメリカの利益が損なわれていると吠えて「制裁」関税を課し、中国も「最後まで付き合ってやる」といきり立ってやり返している件についてである。これまでも米中貿易戦争は何度かあったのだが、トランプ米大統領はふんだくれるところからふんだくってやるという意気込みが徹底している。中国は中国で、なめられてはたまらないとばかりにやり返す。
中国では、原材料価格の上昇からいろんなものが値上がりをし、アメリカとの輸出入を扱っている貿易会社やアメリカ向け製品の製造業の経営も苦しくなっている。
こんなふうに中国を痛めつければアメリカ嫌いになりそうなものだが、中国人の友人は中国に貿易戦争をしかけるアメリカを支持するという。
理由を聞いてみるとこんな答えが返ってきた。
「中国政府は腐敗していて人民のための政治をしてくれません。一例を挙げれば住宅の値段です。こんなに高くては家なんてとても買えません。政府が土地使用権で大儲けしようとするからこんなことになるのです。こんな政府はアメリカに叩いてもらったほうがいいのです」
一般の中国人は中国共産党をあまり信じていない。政府の腐敗が激しいので憎んですらいる。中国は高度経済成長を経て以前とは見違えるほど豊かになったが、その一方でいびつな経済成長のために、都会においてはごく普通の勤め人の給料ではもう家が買えなくなったりとそのひずみも大きい。
アメリカを応援したところで中国政府の腐敗がなくなったり、住宅が手に入れやすい値段になったりするわけではなく、かえって経済が落ち込んで自分が苦しくなるだけなのだが、敵(中国政府)の敵(アメリカ政府)は味方ということでアメリカを応援するのだろう。
一党独裁の国では野党がないから与党に替わる勢力がない。結局、外敵頼みということになるのだろうかともふと思った。




