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ひんやり④
御守はばらばらと落ちてきた。
旅館の「でる」部屋の額の裏には御守が隠してある――。
大小様々の御守を前に、言いだした側も額縁を捲った側も言葉を失った。
「部屋、変えてもらおうっ!?」
折角の七階海側。だが、これを見たあとで気持ちよく過ごせるはずがない。
「待って。これ……ぜんぶ交通安全御守?」
こう推測できた。誰かが悪戯で手持ちの御守を仕込んだ。気づいた人間が次々と足した。旅先。ふたりだって交通安全御守なら持っている。
「……部屋、変えてもらう?」
「嫌っ! 折角の七階海側っ!」
「まったく、なんでこんな悪戯」
その夜、金縛りのなか、突っ込んでくるトラックを仰ぎ――彼らが御守を残したわけを理解する。
第56回 #Twitter300字ss @Tw300ss/お題 /旅「七階海側」




