表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/627

26.ネルの教育方針を考える

俺は町に来たついでに猫の集会に顔を出す。


もう夕方なので帰った猫も多いが、長老っぽい猫はまだいたらしい。



「にゃー(猫又様! いらっしゃったのですね!)」


「にゃん(俺は猫又じゃねぇ)」


「にゃお(またまた、ご謙遜を)」



猫の社会にも謙遜なんてあるのか?


まあいいや。



「にゃ(お前らバジリスクの肉って興味ある?)」


「にゃー(バジ……? 何の肉です?)」


「にゃー(大きい蛇の肉)」


「にゃー(蛇ですか。長いこと食べてませんね)」



俺は残ったバジリスクの肉を全部、集会所の猫たちにあげることにした。


同じ肉ばっかり食って、飽きてたところだったのだ。

捨てるのももったいないし、差し入れ代わりにしようと思う。



「にゃー(ほれ。仲良く分けて食えよ)」


「にゃ!(こ、これは……! なんて上等な肉なのでしょう!)」



集会所の猫たちが聞きつけたみたいで、にゃーにゃー言いながら寄ってきた。


さて、あとは宿屋の少女ネルにも会いに行ってやるか。


肉を取り合う野良猫をよそに、俺は宿へ向かった。



◇ ◇ ◇ ◇



宿をノックすると、少女ネルが現れる。



「猫さん、いらっしゃーい!」



俺は宿へ入る。



「ごめんね猫さん。もう夕食の時間終わったの」


「にゃー(気にすんな)」



俺は宿の廊下にいたネズミを捕まえパクリ。


血はこぼしてないぞ、褒めてくれ。


ネズミの肉はなんというか、生ごみくさい味がする。

あまり美味くない。



「猫さんすごーい」


「ただいまー、あら、猫さんまた来たのね」



宿の女主人のナンシーさんが帰ってきたらしい。

このままだと娘が猫離れできなくなっちゃうかも、と小声で呟いている。


むむ、俺が頻繁に来ることはネルの教育に良くないのかもしれないな。

来る頻度を減らすか。


そのうち同世代の子と遊べる年になるだろう。

そうなれば寂しくもないはずだ。


俺はネルの読書に付き合いながら、そんな事を考えていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ