192.ネル再会する
見かけない怪しい奴が居たので、とりあえず猫タッチで気絶させた。
手足を縛って、口に布を詰め……奥歯の所に何かあるぞ。
自殺用の毒? こいつ暗殺者か何かだろうか。
【解毒】っと。
「大魔導士様! そちらの男は?」
駆けつけてきた見張り兵に対して『侵入者。多分暗殺者』と板に書く。
「不審者捕縛の御協力、感謝します!」
兵士君は不審者を引きずって牢獄へ向かう。
そろそろ不審者には【ヒール】をかけておこう。
俺も同行することにした。
牢獄で見張り兵に『リョウマ君と話したい』と書く。
畏まりました、とすぐに案内してくれた。
そういえば、ネル達は今、俺の自宅で待機しているんだよな。
フランベルジュがネル達を怖がらせていないか心配だ。
◇ ◇ ◇ ◇
・森の自宅にて
「キュオオオン!(馬鹿な! 聖竜である我がこうも負けるとはである!)」
「わーい、また勝ったー」
ネルとフランベルジュは五目並べをしていた。
今のところネルが全勝しているが。
「すぅ、すぅ……」
ナンシーは未だに眠っている。
「うーむ、猫さんはまだですか」
ヨツバは暇していた。
家探ししようとしたが、そもそもそれほど室内には物が無かった。
しばらくすると、ガチャリと扉が開く。
「石像さーん、ここに居たのですか~。
製造担当の方が探してましたよ~。
……おやや、お客さんが3人?」
「あー! 昔助けてくれたエルフのおねーちゃんだー!」
「お~、5年前くらいに森で迷子してた子どもです~。元気してましたか~?」
「アウレネや、バステト様の家に、誰か居るのかぇ?」
エルフのアウレネと、元魔王のシルフ婆さんも猫宅に入る。
「しわくちゃのおばーちゃんだー!」
「何じゃ、この失礼な小娘は!」
ネルはシルフ婆さんに、さっそくお説教されることとなった。




