188.泥棒?
俺が宿でネルやヨツバと一緒に、のんびり昼寝していると、管理人室に見慣れぬ客が入って来た。
「…………(ふふ、俺の潜伏スキルは完璧だ。
よほど耐性の高い相手か、耳や鼻が利く相手でない限りは俺を探知できまい)」
そろーり、そろりと俺に向かって歩いて来ている黒髪の男。
「にゃー(誰だお前)」
「俺に気がついただと?!」
猫の嗅覚、舐めるなよ?
そんな汗くさい臭い漂わせてバレないとでも思ったのか。
宿の客でも無さそうだし、泥棒か何かかな?
【鑑定】っと。
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名前:リョウマ
Lv:37(17歳)
種族:人間
スキル:【鑑定Lv8】【四次元空間Lv10】【スキル強奪Lv34】
【経験値12倍】【習得Lv28】【(奪)ライトLv5】【(奪)スリープLv8】
【(奪)身体強化Lv25】【(奪)装甲破壊Lv11】【(奪)加速Lv4】
【(奪)潜伏Lv34】【(奪)ファイアLv10】【(奪)ライトニングLv4】
【(奪)テレポートLv39】【(奪)突進Lv20】【(奪)毒針Lv5】
【(奪)飛翔Lv2】【(奪)気配探知Lv13】【(奪)魔獣使役Lv20】
ステータス:
HP 378/378 MP390/390
ATK77 DEF105 MAT81 MDF60 SPD70 INT34 LUK55
称号:【勇者】【盗人】【スキル収集家】
【魔獣の敵】【卑怯者】【薄幸】【道化】
異世界に転生した人間。前世は高校生。
うつ病を発症し、ある日自殺した。
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前世情報が有るってことは、ヨツバや勇者君達と同類か。
自殺したのか、可哀そうに。
うん?
【(奪)ライト】って何だ。
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【(奪)ライト】
説明:明りを照らすスキル。
(奪)は本来の持ち主から奪ったスキル。
このスキルの元の持ち主は、魔獣シャインクラーケン
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【スキル強奪】って、ヨツバがラスボス級のヤバいスキルの1つ、って言ってたなぁ。
それを使って、持ち主の魔獣から奪ったのか。
酷いことをするもんだ。
「くそ! バレては仕方ない!
お前ら! 囲め!」
管理人室に怖い顔の男達が入って来た。
「な、何ですかこの人達は」
「うーん、うん?」
ネルとヨツバが起きたみたいだ。
ナンシーさんは受付で眠っている。
スキルで眠らされたのだろうか。
まあいい。
とりあえずネルとヨツバ、ナンシーさんを避難させるか。
どう考えても荒事が起こりそうだし。
速攻で【四次元空間】を使い3人を収納、四次元ワープで森に飛んだ。
◇ ◇ ◇ ◇
俺の自宅に、3人を置く。
誰かに見張りを頼まないとな。
「キュオオオン!(不思議猫よ! いったいどうしたである?)」
「にゃー(丁度良い、フランベルジュ。
宿に怪しい連中がやって来たから、そいつらを憲兵につきだしてくる。
それまで、自宅を見張っておいてくれ)」
「キュオン!(ふむ、任せるのである!)」
さて、もう一度四次元ワープで宿へ戻るか。




