表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
158/627

156.強盗


翌日の早朝。

ここは町の広場の1つ、通称猫の集会場。



「みゃー(腹減ったー!)」

「みゃー(遊んでー!)」

「みゃー(眠いよぅ)」



集会所には小さな子猫が3匹居た。

大人の野良猫達が適当に相手している。

子猫可愛い。飼いたい。



「にゃー(いくら猫又様でも、子猫をさらっては駄目ですよ?)」


「にゃー(ん? さらうつもりはないぞ)」


「にゃー(左様ですか。

たまに子猫をさらう人間が居ますが、彼らと同じような表情を、猫又様がなさっていたので)」



そんな顔してたのか。

人さらいならぬ猫さらい、か。

この町、というか多分この世界、ペットショップとか無さそうだからなぁ。

猫が飼いたい場合、分けてもらうか野良猫を捕まえるか、くらいなのだろう。


確かにペットに猫が欲しいが、猫を飼うのに丁度良い家も無い。

そして、そもそも俺自身が猫なせいで相手の言葉が分かるから、どうしても躊躇してしまう。


ま、こうやって野良猫を見守るだけでも別にいいか。


子猫の健康状態を鑑定して異常が無いのを確認し、俺は店に向かった。



◇ ◇ ◇ ◇



雑貨屋クローバーの店の前。

リオン君と、兵士っぽい人が話し合っている。

良く見るとリオン君は切り傷があちこちに出来ている。


その店なのだが、扉は壊され、中はぐちゃぐちゃに荒らされていた。



「で、盗られたのは、引き出しに入れた現金だけなのだな?」


「そうです。金庫は重すぎて、奴らは持っていけなかったようです」


「分かった。ひとまず話は終わりだ。

私は憲兵詰め所に報告に戻る。何かあれば、また来るように」



さっきの人は憲兵か。

ということは、店に泥棒でも入ったか?



「旦那! 済まない、店に賊が入った」


『気にするな』と書く。


「ヨツバ姉さまに言われたように、おとなしく金を差し出したけど、奴ら調子に乗りやがって……」



店で暴れ出した奴らのせいで、ケガしたらしい。

回復魔法で治してやった。


うーむ、小さなリオン君1人では店番は危ないのかもしれない。

誰か雇うか。腕っ節に自信がある奴……。


俺は錬金術で店を元通りにした後、丁度よさげな人材を思いつく。

オリバー君だ。森で暇してた彼を雇うことにしよう。


商品を補充した後、さっそく森に帰ることにした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ