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153.不戦敗



オリバー君との決闘は2回戦へと突入だ。



「では2回戦です~! 勝負は魚釣り!

先に3匹釣った方が勝者です~!」



これはアウレネ発案の勝負か。



「ふんッ! これなら変な道具を使われる心配が無いのだッ!

この勝負もらったのだッ!」


『質問だが、何やっても良いのか?』と書く。


「ちゃんと釣らないと駄目ですよ~。

電気ショックで漁をするなどは禁止です~」


『要するに、魚が竿に垂らした餌に食いついて、それを引き揚げればいいんだろ?』と書く。


「そうですよ~」



はっきり言おう。俺に有利すぎる勝負だ。


……だって俺、【森の主】だし。


俺の竿に魚が食いつくように命令し、オリバー君の竿に食いつかないように命令。

森出身でない魚には通用しないが、オリバー君の邪魔をするように魚に指示。


結果、俺の圧勝。



「納得いかないのだーッ!」


「むー、にゃんこさんが不正したような気がしますが、証明できないので、にゃんこさんの勝利です~。

さあ、オリバー選手、後が無くなりました~!」



この決闘、先に3勝した方が勝利である。

俺は2勝でリーチ。一方オリバー君0勝。



「注目の3戦目はこちらっ! 弓による的当て勝負~!」



おい。俺、弓なんて使えないぞ。

親指が、人間やエルフみたく自由に動くわけじゃないから、弓をつまめないのだ。

公平な勝負どうした。



『矢を的に当てたら良いのか?』と書く。


「弓を使って、矢を当てるです~。

矢だけ飛ばす吹き矢とかは無しですよ~」



なるほど、あくまで弓の勝負だ、ということか。


仕方ないので錬金術でバリスタを作成。

古代に作られた投石機の1種で、これは矢を飛ばすことが出来る。



「にゃんこさん、それは弓じゃないです~」



バリスタは却下され、結局弓を使うことが出来ず俺は勝負を辞退。

不戦敗となった。


先ほどの2回戦でズルく勝った報いということにしておこう。

自分でもちょっと卑怯だろと思っていたから、かえって気分がスッキリした。

まだ1敗だけだから、次の勝負で頑張ればいいだけだ。



ちょっと補足。

主人公は念動力を使えば弓勝負をすることが出来ました。

それを行わなかったため主人公を不戦敗としています。

アウレネは審判でえこひいきしていないので、主人公に助言はしません。

なので念動力の使用を思いつかなかった主人公の負けです。


なお審判はあくまでアウレネ1人なので、主観偏見まみれな公平性にいささか欠けたルールと勝負なのはご容赦ください。


※矢を念動力で的まで誘導すれば勝てたか?

→勝てたでしょうが、主人公の性格的にその手のズルはしない気がします。


主人公の不戦敗や試合の公平さについては、物語上で重要なことではないので軽く流してもらえたらと思います。


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[一言] 公平とは一体・・・
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