表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
154/627

152.皮むき



前略。エルフ男に決闘を挑まれた。



「エルフ流の決闘ルールを説明するぞ。

決闘の内容を板に書いたものを3種類ずつ互いに用意し、裏返してシャッフルして審判が引く。

書かれた内容の決闘を行い、先に3勝した者が勝者だ。

ただし、内容は、命の危険を伴う物は駄目だ。

何か質問は?」


『決闘なんてやだぞ』と書く。


「負けるのが怖いのか?

この腰抜けめッ!」



何と言われようが、俺は面倒事はご免だ。

決闘なんてやりたくないぞ。

しかし、



「バステト様、頑張ってくだされー!」


「にゃんこさん、ファイトです~!」



何故か応援される俺。

いつの間にかアウレネとシルフ婆さん、他のエルフ達が野次馬に混ざっている。



「オリバー! そんなデブ猫やっつけてやれ!」


「やっちまえ! オリバー!」



どうやら、俺とエルフ男のオリバー君の決闘を、皆が心待ちにしているらしい。

仕方ないな、不本意だが、期待されてるのなら応えてやるか。



『受けて立つぞ』と書く。


「そうこなくてはなッ!」



俺とオリバーは、3枚の木の板を渡される。

それに勝負内容を書きこむのだ。



「にゃんこさん、決闘ですから、一応は公平な試合になるような勝負でないと駄目です~。

タイプライター速度勝負なんて、にゃんこさんに勝てるはずないじゃないですか~」



ええ。面倒な制約だなぁ。

というわけで、アウレネに勝負内容を丸投げした。



◇ ◇ ◇ ◇



「これより、バステト様とオリバーの、互いの誇りを賭けた勝負を開始するのじゃ!」



シルフ婆さんが宣言すると、俺の支持派のエルフと、俺に反対派のエルフが歓声を上げた。



「審判は私です~。では早速、第1勝負は、コロコロ芋の皮むき勝負!

先に10個剥き終わった方が勝ちです~」



これはオリバー君考案の勝負だな。

俺とオリバー君の前に、コロコロ芋10個が並べられた。



「よーい」



オリバー君はナイフを構える。

俺は変性錬成でリンゴの皮むき機の芋バージョンを2個作る。



「始め! って、にゃんこさん何ですかソレ!」



芋をセットして、ハンドルを回す。

皮が勝手にむける。


それを繰り返す。



「ああッ?! 何なのだそれはッ!

ズルいのだッ!」



両手作業で行い、オリバー君が2個むき終わる頃には俺の仕事が終わった。



「勝者にゃんこさん!」



余裕、余裕。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ