148.偉大なる、偉大なる、偉大なる賢者
「ほんっっとうに申し訳ありませんでした!」
ハーディス様が俺に頭を下げた。
「猫アレルギーを無くそうとしたら、うっかり猫に転生させてしまったようで……」
「にゃー(そうか。まあ別に問題なく暮らしているから良いぞ?)」
「はぁ、たくましいですね……。ともかく、お詫びとして、1つ何でも願いを叶えてあげましょう」
「にゃー(ほー?)」
といっても、猫アレルギーは無くなったみたいだしなぁ。
「にゃー(それじゃ、自分含め誰でも死者を復活させることが出来る能力が欲しい)」
「ごめんなさい、何でもは言い過ぎました勘弁してください。
世界のバランスが崩壊してしまいます」
せっかく野口○世や北里柴○郎に会えるぜひゃっほう!
と思ってたのに。残念だ。
「にゃー(なら、まずは願いの数を1000個に増やしてもらおうか)」
「ごめんなさい、願いの数を増やすのは無しでお願いします」
これも駄目なのか。
「にゃー(というか、どんな願いならOKなんだ?)」
「えっと、世界のバランスが崩れない程度の能力なら問題ないかと」
「にゃー(なら、地球の機械が何でも手に入る能力)」
これがあれば実験施設が作れる。
薬品研究が捗るぞ。
「十分バランス崩壊の能力なので駄目です」
「にゃん(あれも駄目これも駄目って、ならどんな願いならOKなんだ?
とりあえずリストアップしてくれよ)」
リストアップした長い紙を渡される。
……しょぼい。自分ですぐに叶えられそうな物ばかりだ。
ん? これは……。
「にゃー(これで)」
「はい。指定した称号を1段階上げる、ですね。
それなら努力で上げたのと変わりないので、問題ないです。
では準備しますので、【鑑定】で称号を指定してください」
俺は自分を【鑑定】し、【錬金術の王】を選択する。
これで錬金術の消費がもっと少なくなるぞ。
「それでは、次に目が覚めたらその称号が1段階上がっているはずです。
って、私の魔力がガンガン減っている?!
ええっ?! 一体何の称号を1段階上げているのですか?!
うわぁぁぁぁあああああ?!」
◇ ◇ ◇ ◇
視界が暗転し、俺は目が覚めた。
ここは森だ。
元に戻ったようだ。
「バステト様! 良かった、無事みたいじゃな」
「キュオオオオン!(心配をかけるな、である)」
俺は自分のとある称号を鑑定した。
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鑑定結果
【錬金術の神】
説明:偉大なる、偉大なる、偉大なる賢者。
錬金術スキルに消費するMPが0となる。
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何で『偉大なる』が3回繰り返されてるのか、何で神なのに賢者なのかは知らないが、これで錬金術し放題だ。
やったぜ。
一応補足。ハーディス様は死んでません。




