表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
137/627

135.森の主


ここはフランベルの森。


アウレネ始めとするエルフ達が俺の前にひざまずいた。



「にゃんこさん、森で魔獣をテイムする許可をくださいな~」



テイムとは、魔獣を使役するスキルのことらしい。

使役した魔獣は戦闘要員、移動の馬、連絡用、農耕の補助、その他、色々な使い道がある、とのこと。

エルフ達は、この森で安定した生活が送れることを確認できたので、ここで本格的に暮らすことにしたらしい。



『人間を襲わなければいいぞ』と書く。


「それじゃ向こうから攻撃してきた時にやられちゃいます~」


『逃げればいいじゃん』と書く。


「いや~、難しいですよ~?」



話し合いの結果、相手が死なない程度の反撃は許すことにした。

ただ、向こうが逃げた場合は追わないことを約束させる。



「よ~し、皆さん、強い魔獣をテイムしますよ~。

呪文はちゃんと覚えてます~?

『我に忠誠を誓え。テイム』です~」


「私はシンガーバードをテイムするわよー!」


「俺はキラーボアだな!」



アウレネ達は意気揚々とこの場から散って行った。


……面白そうなことやってんじゃん。



「にゃー(『我に忠誠を誓え。テイム』)」



その辺のアリ達に向かって呪文を唱えてみた。


――――――――――――――――――――――――

テイム結果:失敗

【森の主】であるあなたは、フランベルの森産まれの魔獣についてはテイムするまでもなく使役出来る。

また、複数の魔獣を同時にテイムすることは不可。

テイムは1体のみである。

また、あなたにテイム適性は皆無である。

――――――――――――――――――――――――


そういえば、俺って森の主認定されていたな。

試しにアリ達に整列するよう命令したら、整列してくれた。


整列を解き、元の仕事に戻るよう指示したら元通りちょろちょろ歩きだす。


にしても、俺のテイム適性皆無か。

一応、称号である【森の主】を使えば似たことが出来るか。


というか、【森の主】による俺の指示はどこまで有効か、どれだけの時間有効か、どれだけの数に有効か。


実験してみよう!



◇ ◇ ◇ ◇



実験結果だ。

【森の主】による指示は、俺が自分の鳴き声によって指示する。

思っただけでは駄目。相手に聞こえない距離は駄目。

ただし、俺が大声で鳴けばかなーり遠くまで指示出し可能。

また、耳を持たない相手でも聞いてくれる。


指示対象の生き物は、森産まれの生き物全て。

それこそ、イノシシもどきみたいな大型魔獣からカビみたいな微生物まで。


昔イノシシもどきに家を壊さないよう命令しても意味が無かったことがあった。

その時の俺は【森の主】称号を持っていなかった。

だが、今の俺が『止めろ』と命令すれば、おとなしく言うことを聞いてくれる。


そして、指示は少なくとも数時間は有効。

俺が実験開始してからずっと指示を出しているアリが居るが、未だに指示に従っている。

可哀そうだから、そろそろ止めてあげるか。


指示できる数だが……分からない。

見た限り1000越えでも余裕そうだ。

数に限りが無いのかもしれない。


とまあ、このように予想以上に恐ろしい実験結果が出たのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ