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134.売れ行き絶好調


「で、店の商品が売り切れたから、早々に閉店したんだ」



ヨツバを背中から下ろしていると、リオン君が言った。

売っている商品が売り切れたら閉店するように指示してあったから、その対応で問題ない。

早々に閉店してリオン君が損しないように、ちゃんと日の出から日没までの時間の時給を渡すことにしてある。

というか、フルタイムで働くなら日給の方が分かりやすくて良いのかもしれないな。


無料配布している薬については、残念ながら在庫がそのままだったみたいだが、まあいい。

薬の宣伝用の看板も外に立ててあるから、そのうち医者が目にすることだろう。



「儲けた金はレジの引き出しに入れてあるが……この勢いが続くようなら、金庫買った方がいいぜ?」


『猫さん、金庫作ってください』と氷ブロック。


『無茶言うな。金庫の鍵の構造なんて知らない』と書く。


『私知ってます。こんな感じです』と氷ブロック。

ふむふむ。ダイヤル式の鍵の内部構造って、こんな風になってたのか。

何でヨツバが知ってるんだという疑問は置いておく。


試しに銅塊を取り出し、鍵部分を変性錬成で作る。

続いて扉部分。そして金庫箱部分。

それらを合成。



「にゃー(完成だ)」


「……今のは何だ?」


『錬金術だ』と書く。

金庫1つ作るだけで、MPを200以上使ってしまった。

やはり金属加工に錬金術を使うのは効率が悪いな。


さっそく銅製金庫の動作確認。

鍵は問題なし。扉の開け閉めに抵抗がある。

油を差して、っと。


金庫は生活スペースに持って行って設置した。



「そういえば、客の中に、旦那のことを紹介して欲しそうにしてた貴族が居たぞ。

ガラス製品をほめちぎっていた。

今度紹介してもいいか?」


『相手するのが面倒だからやだ』と書く。

俺は王様にコネがあるから、貴族様の機嫌を伺ったところで大きなメリットなどないのだ。


『駄目。正体を明かすデメリットが大きすぎる。

私達の正体は秘密にすること、いい?』と氷ブロック。


「分かった。正体を明かすようなことはしない。

……リクエストを聞くくらいはいいか?」


『いいぞ』と書く。



その後、店の繁盛具合を聞き、売上を俺達は分配した。

この勢いが10日続けば、元が取れそうだ。

さすがにそれはないだろうが。


そして氷以外の商品を補充……したかったが、まさか1日目で売り切れるとは思わなかったので、在庫が足りない。


ヨツバを宿に帰した後、店に戻り俺は商品作りに取り掛かる。

昨日よりやや多めに商品を用意した。

終わった頃には日が昇っていた。

MPが尽きそうだ。足元がフラフラする。

店の端っこで一眠りするとしよう。


最近働き過ぎて駄目だ。もっとのんびり暮らしたい。

おやすみなさい。


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