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123.ストーカー?


・番兵パーシー視点


今日も見張りの仕事を終え、仲間と夕方の訓練をした後に自宅へ帰る。


自宅には、年を取った祖母が居る。

両親は既に他界している。



「パーシーや、お帰り」


「ただいま、ばあちゃん」



今は祖母と二人暮らし。

足を患っているため、祖母はあまり歩かない。

……ん?



「ばあちゃん、足どうした?」


「ああ、なんだかね、急に良くなったみたいでねぇ」



そんなはずないだろう。

まるで【グレイターヒール】でもかけてもらったみたいに、良くなっている。

そんな治療をしたら金貨200枚はかかるだろうに。



「そうそう、玄関に手紙が置かれていたよ?」


「手紙?」



俺は祖母から手紙とやらを受け取る。


……。


……こ、これは?!


書かれていた内容は、錬金術師の女性ニコ様についての情報だった。

ニコ様は、俺が密かに憧れている女性だ。

それにしても、ニコ様の情報をこれだけたくさん書いているだけの手紙とは、何と不気味なのだろう。


俺は手紙をポケットに仕舞い、考える。


この手紙の主は、俺がニコ様に気があることを知っている。


さらに、ニコ様について情報を知り過ぎている。


その2点から出される結論は1つしかない。


ニコ様はストーカー被害に遭っている。

そして、俺の家にこれを届けたということは、俺のことを邪魔だと思っているということだろう。

自分はこれだけニコ様のことを知っているという、気色悪い優越感で手紙を俺に寄こしたんだろう。


まったく、反吐が出る!


ニコ様は国が保護する優れた錬金術師だ。

もしかしたら、国家スパイの仕業という可能性も……ないな。

それだったら自分の正体を晒すこんな馬鹿なマネしたりはしない。


明日にでも国王へ、手紙の件を報告することにしよう。

その時に、ニコ様に護衛を付けるよう併せて懇願しよう。


そして後日、俺はニコ様の護衛に配属されることとなった。

どうして俺が、とは思ったが、まあいい。

怪しい奴が居たら捕まえて憲兵に突き出してやる。


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