王妃宮へ(1
ブクマ・評価・リアクション本当に嬉しいです。
文法破壊な文章をめげずに読んで下さる皆様のお陰でランクアップさせていただいてます。
ありがとうございます╰(*´︶`*)╯♡
誤字脱字報告様のお陰で文がまともに修正され助かってます!
国語力が低いながらも話を作れているのは、読者様のお陰です!
「勿体ない」とご指摘頂いた癖は、徐々に改善・修正して少しでも読みやすくなる様、精進致します!
見守りよろしくお願い致します(^人^)
感想嬉しいです。
謝罪(焦)返信に手間取ってしまって(泣)物語進める方に集中する為。返信しない方向で(>人<;)
でも聞きたいので閉じません(°▽°)ありがたく読ませて頂きます
今回と次回は少し戻って、恐怖のお茶会に至るまでのレイナ視点になります。
ーーーーーーーーーー
(……ん?)
エタンセルを見送る為に応接室を一歩出た筈が。
気付くと、肩と腰を後ろから巻きつく様に誰かに押さえられている。
レイナが力を抜くと後ろの人物から声が掛けられた。
「…………お嬢様?」
「もう離して大丈夫よ。後ろにいるのはキャロルかしら?」
「?!あっ!はい」
キャロルは慌てて両手を離した。
(取り押さえられてたって事はフュリアスに代わったのね)
「はぁ…疲れたわ…あなたも疲れたわよね?ご苦労様」
「いえ…」
「レイナ様!大丈夫ですか?!」
走ってやって来るセイン医師は心配そうに尋ねる。
「はい。大丈夫です」
「本当に大丈夫ですか? 全力で暴れたのを全力で押さえたでしょうから、どこかが痛かったりしませんか?」
レイナは腕や肩周りの可動具合を確かめられた。
「本当に大丈夫ですよ。キャロルの力加減が上手だったみたい」
チラリとキャロルの方を見ると、その視線は真っ直ぐレイナに向けられている。顔はこっちを向いたまま追いついて来たアニタと何やら話している様子だ。
「まだエタンセル様はいるかしら?」
この問いにはアニタが答えた
「いらっしゃいますよ。リッター様が付いて下さってます」
「じゃあ早く応接室に戻らなきゃね。きっと驚かせてしまったわ」
そう言って四人は応接室へ急ぐ
◇
応接室の前の廊下でエタンセルとリッター医師が話している。
「移動中が心配ですね…フュリアス様は度々現れるんですか?」
「いや、今の所 同じ方が短時間で頻繁に現れる事は無い、どの人格も出現からかなり時間が空くね」
「でしたらフュリアス様やレア様が隠れられたばかりの今の内に、王城へ移動した方がよろしいのでは? 今後度々王城での用事が増えますでしょう?」
「確かに………それがいいかもな」
「何のお話?」
背中を向けていた二人にレイナは話しかける。
「レイナ様。……レイナ様ですか?」
名を呼んでから中の人格が違うかも?と改めて確認するエタンセル。
その様子が可笑しくてレイナはクスッと笑ってしまう。
「はい。レイナです。それで…何のお話ですか?」
レイナの問いにはリッター医師が答えてくれた
「ああ…エタンセル嬢が先程のフュリアスの様子に心配になった様でね。馬車などの移動中に入れ替わりが起きたら危険じゃ無いかと…」
「確かに、今一番の懸念点はそこかもしれませんね」
セイン医師が顎に手を添えて思案し始める。
そしてエタンセルが口を開く
「ウィリアム殿下と鉢合わせする訳には行かないから、王城はダメですよね」
進めている第二王太子妃や側妃の事が、中途半端な段階でウィリアムに知られると、何が何でも潰そうと激しく拒否するだろう。
体制が整い逃れられない囲いが出来るまで知られない様に、と陛下に言われている。
エタンセルはその事を知らないが、ただただウィリアムに会わせたくないのだろう。
「王妃宮ならすぐに部屋を用意できるんじゃないかな…あそこは元々…」
リッター医師が斜め上を見上げ、ぶつぶつ呟きながら考えている。
そこへアニタが一言添えてきた。
「丁度、奥様も王城に行っておられます。おそらく王妃陛下とご一緒では?」
「そうだと思います。」
リッター医師が答えると。
「一旦、王妃宮の客室でも良いから拠点をそちらに移しませんか? 先ずは安全の為に馬車移動を避けないと」
エタンセルが『早く決定しちゃいましょう』と言わんばかりに畳み掛ける。
余りにも早急過ぎないかと心配になるレイナは
「でも、いきなり押し掛けるのは…失礼ではないですか?」
「大丈夫ですよ。王妃陛下には私が話を通します、レイナ様のお体に関する事は優先して良いと言われているので」
レイナの心配は軽くいなされた。
(いくら王城の専属医でも、王妃宮に人ひとりを住まわせる権利はないのでは?)
レイナはそう思ったが、話はどんどん進んでいく。
「それでも、ちゃんと王妃様に緊急で連絡を入れますよ」
リッター医師がそう言うと、アニタが
「では執事長に、早馬の準備とお嬢様の荷物を纏める様に指示して貰うよう伝えて来ます」
「え?!」
行動力を発揮しようとするアニタにレイナは驚きの声が漏れたが、その声が届かない程遠くにアニタの背中が見える
(……素早いわ…)
「僕も王妃宮に詰めた方がいいですよね。一回帰って荷物を纏めてから王妃宮に伺います。僕の部屋の用意も伝えて下さい」
そう言ってセイン医師も行ってしまった。
(こっちも素早い…)
遠退いていくセイン医師の背中を唖然としながら見送るレイナにエタンセルが声を掛けた。
「私も同行してよろしいでしょうか?」
「?!…あ、えっと。リッター先生、よろしいかしら?」
この場の決定権は自分じゃ無い。と、レイナはリッター医師に判断を任せる。
「構いませんよ。むしろエタンセル嬢を王妃様に紹介する良い機会になりますな」
笑顔で答えるリッター医師にレイナは、ちゃんと流れに身を任せる事にした。
「でしたらエタンセル様は、もう一度応接室でお待ち下さいな。支度をして来ます」
ニッコリ笑ってエタンセルを応接室に促す
「はい」
エタンセルも笑顔で応え、再び応接室に入って行った。
エタンセルが部屋に入り扉が閉まるのを待って、リッター医師は口を開いた。
「レイナ様、シェイム様との交換ノートをお預かりしてよろしいかな? 陛下にも…聞こえは悪いが資料としてシェイム様の存在を確認しておいて貰いたいのです」
「ああ、はい。構いませんよ」
キャロルを伴い三人はクレアの自室へ向かった。
自室に戻り、ドレッサーの引き出しに手を伸ばして…レイナは公爵からノートを返された時の様子を思い出す。
『レイナ、これを返しに来たんだ』
昨晩公爵は六冊のノートを持ってクレアの部屋を訪れた。
フュリアスの暴れた後の片付けが済んで、レイナは再び自分の部屋で過ごす様になり、ソファで寛いでいた時だった。
『お父様。届けてくれてありがとうございます』
受け取ったノートを一旦ドレッサーの上に置いて振り向くと、公爵は眉間に深く皺を寄せてレイナを見ていた。
(あれ?怒ってる?……何かしら?ノートに関係ある事なら…ブレーニー夫人の事かしら…夫人を煽ったって判っちゃったわよね…無茶な事をしたって怒られるかしら…)
『レイナ…そのノートはクラリスには見せない事にした』
『はい。』
公爵は拳をグッと握って
『ノートの事で…言いたい事も聞きたい事も沢山あるんだ』
『……はい』
『でも今更言っても聞いても…仕方が無いから…何も言えないし、言わない』
『……はい』
公爵は両手を広げて
『シェイムの代わりに抱きしめても良いかい?』
泣きそうな顔でそう言う公爵にレイナの胸はズキンと痛み、何も言わずに父の胸に飛び込んだ。
(シェイム…シェイム!あぁ…お父様に会わせてあげたい!クレアもシェイムも…お父様とお母様が待ってるのに…)
公爵はレイナを力強く抱きしめる。
公爵の胸にレイナの涙が広がった。
父の悲痛な顔を思い出しながら仕舞ってあるノートを取り出す
(正式に暮らす場所が決まったら、このドレッサーごと運んでもらおう…)
そう思いながらレイナは引き出しを閉めた。
「お預かりします。陛下にご覧頂いたら直ぐにお返ししますから」
「はい」
レイナはリッター医師にノートを渡して頷く。
「私は執事長の所へ行って王妃様に通達の手紙を書いてから、応接室のエタンセル嬢の所へ戻りますね」
そう言ってリッター医師は受け取ったノートを手に部屋を出て行った。
入れ替わりにアニタが何人かの侍女を引き連れて入って来る
「執事長に伝えてきました。さぁレイナお嬢様、支度を致しましょう」
「お願いね」
レイナは笑顔で答えた。
◇
王城の総門を通過すると、レンガ敷きの道はいくつかに分かれ、馬車は王妃宮の正門へと続く道を選んで進む。
王城の方は議会があるのだが、昼前に着いたレイナ達は沢山の議員貴族達の登城にかち合わずに済んだ。
王妃宮の正門を通ってしばらく進むと、神殿の様な王妃宮が見えて来る。
正面扉には王妃陛下とドケーシス公爵夫人、そして大勢の侍従と侍女が居た。
「…うそ」
「え?まさかあれって…王妃陛下直々に迎えに出てます?」
馬車の窓から見える光景にレイナとエタンセルは目を見開いて驚く。
馬車が止まり御者席に座っていたキャロルが降りて扉をあける。
リッター医師が最初に降り、次いで降りて来るレイナに向けて補助の手を差し出す。
地面に足を下ろした途端、王妃が駆け寄ってきた
「レイナ!あぁレイナ、よく来たわね。会いたかったわ」
挨拶をする間も無くレイナは王妃に抱きしめられる。
(昨日お会いしたばかりですが…)
「申し訳ありませんリッター先生。レイナが来ると知ってヘルミナ様は気付け薬を希望されまして」
王妃を追いかける様にやって来た夫人がリッター医師に王妃の様子の原因を説明する。
説明を聞くリッター医師の後ろでは、キャロルが補助の手をエタンセルに差し出していた。
「ええ?! あ〜…時間的に昨日の鎮静剤は身体から抜けてるので大丈夫ですが、何故気付け薬をお求めに?」
「リッター先生のお手紙で、安全の為にレイナは王妃宮で暮らす事を提案されたでしょう? ヘルミナ様は…何と言うか、気合が入ってしまって…でも昨日の疲労が思いの外残ってるようで」
「それで疲労を取ろうと気付け薬を飲んだんですか?普段ならそんな安易な事なさらないのに」
(よほど精神的に参ってるんだな)
リッター医師はため息を付いた。
レイナをギュウギュウと抱きしめる王妃は、馬車の側にいるエタンセルに気付いた。
王妃とバチッと目が合ったエタンセルは優雅にカーテシーをする。
「フラム侯爵家エタンセルが王妃陛下にご挨拶申し上げます」
「まぁ!エタンセル嬢も来たのね」
王妃はレイナから離れ、エタンセルの側に寄って行き手を取った。
「一度ちゃんと話したかったのよ。来てくれて良かったわ」
レイナはそっとリッター医師と夫人の方に寄って行き
「リッター先生…気付け薬ってお酒が入ってるんですか?」
コソコソと尋ねた
「入ってます。少量なので酔うようなものでは無いが、王妃様は疲れておられたから…作用が強く出ているのかもしれません、少々感情の抑えが利かないようですね」
「さぁ中に入って。先ずは昼食を一緒に摂りましょう、準備させてるのよ」
そう言って王妃はエタンセルの腕を引き、レイナへと近づく
「大丈夫。作用は直ぐに引きます」
リッター医師がコッソリ耳打ちしたと思った次の瞬間には、レイナも王妃に腕を引かれていた。
夫人とアニタ、キャロルにリッター医師が慌てて着いて行く
侍従が玄関正面の大きな両扉を開けると、大理石の床に白い支柱が並び立つ空間が広がる
「本当に神殿みたい…」
ーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーー
目の前のテーブルには、資料や用紙が散らばっている。
(……あれ?)
レイナはキョロキョロと周りを見回す。
壁際のソファにリッター医師が座り、扉の側にはアニタとキャロルが控えている。
その他にも大勢の侍従や侍女が壁際で控えていた。
レイナが座っているのは、どうやら王妃宮の応接室にある椅子。
テーブルの上に置いてある用紙には『神殿…』や『読書会…』などの文字が見えた
「あ、レイナ様に戻られました?」
そう尋ねたのは同じテーブル席にいるエタンセル。
「さっきまでプラセルだったのよ」
夫人が誰と入れ替わったのか教えてくれた
「そうでしたか……それで、今はどういう状況です?」
「プラセルの提案でね、側妃候補の令嬢達を招いて読書会を兼ねたお茶会をしましょう。って事になったのよ」
(………うん…話が見えないわ)
レイナは淑女教育の賜物で、困惑を表に出さず笑顔を保った。
「すまないなレイナ嬢。ヘルミナ様は気付け薬のせいで まだ気分が高揚してるんだが…プラセル嬢が出す提案で盛り上がってしまったんだ」
部屋の中にあるソファに座って控えていたリッター医師が、レイナの側に来て事の経緯を説明してくれた。
レイナが説明を聞いてる間
「私が神話の方を読みますから……」
「レイナの入れ替わりが起きても対応出来るように人を配置して……」
「教団から神典を借りて来ましょうか……」
三人はまだまだ盛り上がっていた。




