神話から歴史へ
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〜この国の成り立ち〜
天には神が居る
天界にて沢山の子供達と暮らしている
この世界は神が作られた
大海に 大地に 沢山の島々に
そびえ立つ山を作り 大地を割って谷を作った
雨を降らせ 雪を降らせ 嵐を起こして世界をかき混ぜて
神の力の象徴である陽光を注いだ
緑が生い茂り…様々な生き物が生まれた
海にも 山にも 大地にも
やがて産まれた 神と同じ形の生き物
人と呼ばれる生き物
人は神と同じ形なのに 他の生き物よりもか弱く
絶滅してしまうのではと 神は人の行く末に不安を覚えた
神は天界の子供達に世界を分け与え 与えられた場所に住む人を導くよう命じた
神の子供達は天界から恩恵を降り注ぐ
啓示を与え 天啓を与え 夢に現れ 様々な方法で教え導いた
恵みの一神 フェイバーに与えられた場所は
不毛の大地だった
少数の人が暮らす村が点在する 痩せた土地 乾いた大地が殆どを占めていた
その地に産まれる人は懸命に生きていた
フェイバーが恩恵を注ぐと徐々に徐々に大地が潤ってゆく
人間は神に感謝を捧げ 与えられた恩恵を懸命に活かしていた
産み 育て 作り 守り 繋ぎ
そして死
人の直向きな命の巡りに
フェイバーは もっと近くで人に寄り添いたいと思うようになった
〈父よ…どうか…大地に降りる事をお許し下さい…父が世界を作り上げたように…私もこの大地に国を作り上げたいのです…〉
〈だが息子よ…一度降りれば、二度と天界には戻れぬのだぞ…〉
〈……父よ…私は…それでも私は大地に降りて…人に寄り添いたい…父よ…どうか…許しを下さい…〉
〈陽光から離れれば、お前の永遠は衰える…それでも降りるか?……〉
〈私はそれを選びます。〉
かくしてフェイバーは大地に降り立った
オルトゥス王国の始まりである
フェイバーの直接立った大地は益々潤い 人は増え 国は発展して行った
そうして何百年か経った頃 フェイバーの神の力が限界に近づく
〈父よ…仰った通り…永遠に終わりが見え始めました…あと何十年か先…私の生は尽きるでしょう……ですが父よ…私の亡き後…この大地はどうなるでしょう?…私の恩恵を失った大地はどうなりますか?〉
〈………息子よ…離れて久しい息子よ……悲しいかな…お前の終わりが見える……息子よ…お前が消えれば、その大地も終わる…〉
〈あぁ……そんな……〉
フェイバーは嘆いた
慈しみ 愛した大地が、己の命と共に終わる
深く深く嘆く息子に神は手を差し伸べる
〈………息子よ…子を繋げ…お前の力を繋ぐ子を…その子が更に子を繋ぐ…大地に生きる人の中に神の力を分けるのだ……そうすれば神の恩恵は尽きない…〉
〈……しかし父よ…人との間に子はできません…この何百年の間、愛を繋いだ人の中に命は芽吹かなかった……〉
〈息子よ…それは当然だ……神と人は違う…形は同じでも…存在が違う……故にコレを授けよう…〉
天から光が降り注ぎ フェイバーの手の中に五つの腕輪が現れた
〈大地と人の為に死を厭わなかった息子よ……お前の愛した全ては護られよう……娶る女性に腕輪を嵌めるのだ…さすれば神の子を宿せる……しかし、人との間の子は神の力が弱い……成る可く多く授けるのだ…産まれた子が、また子を繋ぐ…その子がまた更に子を繋ぐ……お前の力が尽きる頃には…神の力を継ぐ子が大地を支えよう…〉
〈あぁ……父よ…感謝します。〉
そうして選ばれた五人の巫女に
フェイバーは腕輪を与え 子を授けた
巫女は 巫女と産まれる子の為に造られた宮に暮らし一生を捧げる
産まれた子は
全てフェイバーと同じ金髪碧眼であった どの巫女が産んでも等しくフェイバーの特徴を持って産まれた
フェイバーは産まれた子の中から 一番優秀な子を王に選び 王の位を与えた
何十年か後
フェイバーの力は尽き 体は光の粒となり大地に降り注ぐ
フェイバーは己の全てを大地に捧げたのだ
そうして人の世が始まった
◆◆◆
絵本にも興され、子供でも知っている神話の物語
神殿には神物の腕輪が保管されている
◆◆◆
パタン。
エタンセルは豪奢な装飾がされた本を閉じた。
「次は私が読ませて頂きますね。」
ドケーシス公爵夫人がそう言って、洗練された革表紙の本を取り出した。
◆◆◆
千年以上昔…
この国の身分は、王と民と神職者だけだった。
王の後継は、神殿に選ばれ[祝福の儀式]を通過した五人が巫女と成り、御子を産む役目を担う。
巫女と成った者は、一生を神殿で過ごし…外界に出る事は禁じられた。王が神殿に渡り、巫女と契りを結び。産まれた御子は神殿で育まれる。
どの巫女がどの御子を産んだかは明かされない。
産まれた御子の中で最も相応しい御子が王位を継ぎ、他は神官となる。
神官は臣民と王属に分け管理される。
神に身を捧げる立場の神官は、子を儲ける事を禁忌とされた時代。
*
やがて民の中に貧富の差が起ってゆく。身分が生まれ、階級が生まれ、民は貴族と平民に分かれた。
貴族の中では、身内から王の子を産む栄誉を授かりたいと。こぞって娘を神殿に預けて聖職者にした。
この時代でも、どの巫女が子を生したか秘匿される。
国が大きく発展したこの頃、神職者の立場も区分が起こる
神に祈る者と、王を支える者。
神に祈る者は民に寄り添う事を任され、王を支える者は国政に関わる事を任される。
*
時代は進み、貴族は力を付け造船技術は進み、海を隔てた国との交流が始まる。そして、他国の常識も入って来る
他国や国民の様に、王も伴侶を儲けるべきではと求める声が上がる。
王に娶られた巫女の呼び名は妃に変わり、王は五人の妃を娶った。王城に後宮を設け住まわせる。
妃達の生涯過ごす場所が、神殿から王城に代わった。
王を支える者も王城やその周りに移り住み、王を支える者は子を生す事を許されるようになり、貴族と婚姻を結ぶようになる。
妃は聖職者からのみではなくなり、高位貴族からも神殿が相応しいと認め[祝福の儀式]を通った者は嫁ぐ事が叶った。
*
ある時代の王は、五人の妃の内一人を特別に愛した。王はその一人に愛寵を示すため、王の唯一であると示す様に王妃と言う立場を与え、他の妃を側妃と呼び明確に差を設けた。
王妃は、国政の面でも王を支えるようになる。
*
時代は進み、側妃の中から王妃を選ぶのではなく
王唯一の伴侶として王妃が選ばれ、後に側妃が選定される様になる。
*
ある時代、その時代の王妃は王を愛するが故に、王が側妃を娶ることを拒んだ。
王はこれを受け入れ、条例を変える。
王妃が子供を産めなかった時のみ側妃を娶ると改正された。
*
時代は進み
ある時代…他国の姫を王妃として娶る事になった。
しかし、その姫は神殿の[祝福の儀式]を通過できなかった。
それでも、姫は娶らなければならない。国と国とを結ぶ為
姫を娶る為、王妃に儀式は必要無しと法は改正される。
王妃には、美しい冠が誂えられた。
王妃は子を生せず、側妃が娶られる。
元々、王族・貴族が多くの妻を抱える風習の国出身の姫は、側妃を抵抗なく受け入れる。
神殿の祝福の儀式が行われた記録はここが最後となる。
百五十年程前の話。
◆◆◆
ドケーシス公爵夫人が静かに本を閉じると、王妃が口を開く。
「今…読まれた本は、神殿で神官を目指す者が使う神典を元に作られた本なの。学園の歴史の教科書には載ってない内容で。妃教育でもこれが教えられるのよ…」
ティアは青褪めながらも、しっかりと王妃の話しを聞いている。
トリステスは、カタカタと震え…菓子にも紅茶にも手を付けられない。
リールもトリステスと同じ様な状態になっている。
そんな三人を横目に、エタンセルとレイナはお茶とお菓子を口に運び味わう。
王妃は笑顔を消し、三人に向けて言葉を続ける
「あなた方はいずれ…神殿の[祝福の儀式]を受ける事になります」
リールから呼吸が短く刻まれる音がする。
王妃は続けて、三人の令嬢に王命の内容を伝える。
「…ティア・ラクリマ。トリステス・エインガー。リール・シリッカ。三名はウィリアムの側妃と成るべく候補に名を連ねるよう、王命が下されました」
ふらりとリールの体が傾き、椅子から倒れ落ちそうになる。
そんな事態を予測して配置されていた侍女達が支え、控えていたリッター医師と看護師達が駆け付ける。
「嘘…そんな……嘘よ……」
リールが失神した騒ぎの横で、トリステスは王妃の言葉を受け止められず、ブツブツと呟いている。
ティアも青褪め…呆然とテーブルに視線を向けているが、何処か視点が合っていない。
しかし王妃は見逃さなかった。
ティアの瞳に一瞬だけ喜悦が走った事を…




