リール・シリッカ子爵令嬢 (2
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リールの心情を少し書き足しました(汗
「……ねぇ君…一学年?…いつもここに居るよね…」
掛けられた声に振り向くと…ダリウスと同じ位に高身長の、金髪碧眼の美しい男子学生が居た。
話しかけて来たのはウィリアムだった。
「?!…あ!こっ…こんにちわ!…えっと……王太子殿下にご挨拶申し上げます!!」
慌てて、胸に手を当て…スカートをつまみ礼をする。
「驚かせてごめんね。そんなに畏まらなくていいよ。学園内だしね。それで?……いつも、何をしてるんだい?」
「私、園芸部で…学園に許可を貰って、ここの花壇に花の種を蒔いたんです。だから…放課後、水をやりに…」
「へえ〜…何の花?」
ウィリアムは興味深そうに…まだ、土だけの花壇を覗く
「マリーゴールドです。」
「ああ。君の髪色みたいな花……良いね。」
優しく微笑むウィリアムに、リールは頬が熱くなる
(……王太子殿下…こんなに近くで見るなんて…本当に格好合い。)
ダリウスに感じるのとは違うトキメキが、リールの胸を高鳴らせる。
物語りの中の王子様そのもののウィリアムが、目の前に現れた事で…本物の王族の崇高さに対する敬仰からのトキメキ…
「花が咲くのが楽しみだね。……また覗きに来させてもらうよ。」
「はい!……お待ちしてます!」
勢いのあるリールの返事に、ウィリアムはクスクスと笑いながら去って行く……
そうして…ウィリアムは度々、中庭に足を運び
マリーゴールドの成長とリールとの会話を楽しむ様になった。
◇
「ねぇ!聞いたわよ!。最近ウィリアム様と交流があるんだって?」
学園の廊下でクラスメイトの令嬢に尋ねられた
「交流って程のものじゃないよ〜。ほら、私…中庭で花を育ててるでしょ。その花の成長を見に来てるのよ。花が咲くのをウィリアム様も楽しみにしてるみたい」
「リールもウィリアム様の癒しの一人になったって事ね〜。羨ましいー!」
「癒しの一人?」
「ウィリアム様はドケーシス公爵令嬢を大切にしてるのに、公爵令嬢の方はそうでも無いって噂で〜… 公爵令嬢が、ウィリアム様に無関心だから、他に癒しを求めてるって噂よ。他にも何人かいるって。」
(ふーん?噂、噂、って眉唾な話しね…)
「あっ!でも、フラム侯爵令嬢には気を付けてね!フラム侯爵令嬢はドケーシス公爵令嬢に心酔してて、公爵令嬢の事を悪く言う人を排除するって噂だから!」
(また、噂…)
「大丈夫よ。私は悪口なんて言わないし、癒しの一人でも無いもの」
リールな苦笑いしながら、そう返した。
そうして、マリーゴールドの花が咲く頃。
リールは[マリーゴールドの令嬢]と噂される様になっていた…
◇
ある日
リールは廊下に佇むクレアを遠目に見かけた、二階廊下の窓から外を見ている
リールも外に目をやると、何処かの令嬢と楽しく会話するウィリアムが居た。
少しして無表情にその場を去って行くクレアの様子は、〈我関せず〉という風にリールには見えた。
(……本当に無関心なんだ……ウィリアム様、可哀想…)
◇
花が咲いた後も、ウィリアムはリールに会いに中庭を訪れた…
「今度、ここで一緒にランチを取ろう」
「良いですね。花を鑑賞しながら」
リールがウィリアムとの交流を続ける一番の理由は、顔を繋ぐ為だ。
下位貴族のリールは….そもそも、王族と親しげに話すチャンスが無い。
それが…今は、学園で学ぶ同じ学生と言う立場でお近づきになる事が許された状態…
将来を見据えたら、縁を繋いで置きたい
特にリールはダリウスと結婚するつもりで…つまりは平民になるのだ。
どんなに商才があって、商会が大きくなろうと…平民が王族との関わりを繋ぐ事は難しい。
しかし、今のうちに顔を繋いで置けば…王家管轄の大きな事業が起きた時に、名乗りを上げた場合…リールと言う縁がダリウスへの顔繋ぎになるかもしれない。
リールにとっては…近い将来を見据えた交流だった
◇◇◇
二学年に上がって直ぐ
商会組合主催のパーティー
今回リールは…身頃は赤、スカートはコーラルのバイカラーに仕上げたドレスに身を包む
ダリウスと初めてと踊った時よりも、背が伸びたリール…
以前よりも似合う二人になった事を喜んでいた。
ただ一つ…パーティーの度にモヤモヤと募る不満。
ダリウスがモテ過ぎる…いつも女性に囲まれ…必ず誰かしらに言い寄られる…
リールとダリウスは秘密の恋人だから…ダリウスに言い寄る女性を、追い払える立ち位置になれない…それが最も苛立つところだった。
ダリウスが一緒にいる間は、楽しいパーティーも……ダリウスが離れれば、目で追い探る様に観察してしまう…浮気男を見張っている様な自分が嫌だった……
いつのまにかダリウスを見失い…キョロキョロと会場を見廻していると
女性に引っ張られるようにダリウスが庭園へ続くテラスに出て行くのが見えた…リールは慌てて追い掛ける。
(……あれは確か…未亡人の子爵夫人…)
ダリウスはテラスの囲いに背もたれ、薄紫のマーメイドラインのドレスを纏った未亡人は、ダリウスの胸に手を添える様にして…追い詰めていた
「このまま私の邸宅へ行って飲み直さない?」
「………いえ…残念ですが……あなたの様な美しい方に、本気になった後、捨てられたら、立ち直れません。」
苦笑しながらダリウスは答えた
つまり、遠回しに(貴方は一夜限りを楽しみたいのでしょうが、自分は本気の恋愛しかするつもりは無い。)と伝えている。
「………そう。…残念ですわ〜……じゃあ、これだけ。」
そう言って、ダリウスに口付けた。
これが初めてでは無い…
リールは、何度もこうゆう場面を目撃している…
それこそ最初に見た時は…泣いて泣いて…ダリウスを罵倒して泣いて…ダリウスが必死に謝って宥めてと大変だった…
(ダリウス様は言い寄られているだけ…商売の為に印象を良くしなきゃいけないから、強く払えないだけ…)
分かっていても…苛立ちは募る…
「じゃぁ、私は会場に戻るわね」
未亡人がエスコートを望まないのは、ダリウスにしつこく言い寄る気が無いからだ…
望みがないなら、早々に他の男性を物色したいから…と、一緒に戻る所を見られるのを嫌った…
それはダリウスも望むところで…
「はい。僕は少し涼んでから戻りますよ」
ニコリと笑えば、未亡人は手をヒラヒラと振って去って行った…
ダリウスはテラスの囲いに肘をついて天を仰ぐと
「………………ハァ。」
やっと解放されたと言わんばかりのため息が出る
コトリと足音が聞こえて、そちらに目をやれば…リールが、壁際の影になった場所に居た…
「……リール…いつからそこに?」
「…………最初から……テラスに出るのが見えたから…追いかけて来………んーん!違う!ちょっと散歩!庭園を散歩しに出て来たの!」
そう言って…言い換えて、リールはテラスから庭園へと降りて行った
「リール!…ちょっと待って!」
リールはダリウスの声を振り払うように、ズンズンと進んでいく…その顔の眉間に皺が深く寄っていた
「…怒るなよ……分かるだろ?」
「分かってるわよ!怒ってないわよ!!!!!」
リールは足を止めず……必死に苛立ちを抑える
「わ……私だって、ダリウス様だけじゃ無いし!……他の男の人とも口付けするし!」
苛立ちから、強がりなデマカセが口を衝く
「………はぁ…そんな作り話をしなくていい…俺が悪かったから…」
確かに作り話だが、頭から作り話と決めつけられた事に…そして、子供を窘める様な物言いに
一気に頭に血が昇る
「!!!!!っ!作り話じゃ無いもん!私だってモテるんだから!!」
足を止めて振り向き、ダリウス詰め寄りながら、叫ぶ様に言う…そして
「…ゥ…ウィリアム様とだって口付けしたんだから!」
そう言った瞬間、ダリウスの大きな手で口を押さえられる。
「!!!?!そんな嘘吐かなくていい!嘘を吐くほどヤキモチを妬いたんだろ!俺が悪かった!!!」
リールは、強調される嘘という言葉に益々頭に血が昇り、両手でダリウスの手を押し除け叫ぶ様に言う。
「嘘じゃないわ!!」
ガサガサガサ…
少し離れた所の植え込みが揺れる音がした
「?!ッ……!」
ダリウスは…音がした方角を仰ぎ見て、足早に去って行く男の背に向け、チッ…と舌打ちをした…
「………?……えっ……」
(…誰か居た…?)
「あの服は…使用人だな…………ハァ。」
「…ダリウス様?」
「リール……王族の名を騙っての虚偽は、場合に寄っては、厳罰を科せられる。」
その言葉に一瞬で冷静さが戻った
「きっと仕事をサボってたんだろう…あの使用人がお喋りじゃないといいけど…俺達が誰かも気付かれてない事を祈るしか無いな……」
虚偽…厳罰……自分の失言が頭の中をぐるぐると回り、リールは俯いた…その顔はどんどんと青褪める
そんなリールの両肩に手を添えて、覗き込む様に顔を伺い…ダリウスは口を開いた。
「……リール…どこで誰が聞いてるか分からない……嘘か本当かなんて関係なく、噂は勝手に歩き出すんだ……
俺は良い……男だし、大人だし、大した瑕疵にならない。でも…君は側から見たら、まだ少女で…貴族だ………王族の名前を口にするのも、俺との事も…慎重に行動しないといけないよ……分かった?」
諭され…顔を上げたリールの目がダリウスと合うと、コクリと一つ頷いた。
困った様な…焦った様な表情は青褪めたまま…ダリウスにエスコートされて会場へと戻って行った…
◇
パーティーが終わり…子爵邸へと帰って来たリールは、自室のベットに突っ伏している…
まだ庭園での事が頭をぐるぐると回っていた…
(頭に血が昇ってたからって…何であんな事言っちゃったんだろ……もしも…本当に虚偽で罰せられちゃったら……)
あまり失敗した事のないリールは、怖かった……そうして…巡る考えはあってはならない方向に進む
(………嘘がいけないなら……本当の事にしちゃえば良い…………ウィリアム様、カッコいいし…………)
度々…ダリウスと口付けを交わすリールにとって、口付けは軽いものになっていた。
そして、頭に過ぎるのは、他の女性と口付けするダリウスの姿……(自分だって…)と言う気持ちが掠める
リールはベットからガバッと上体を起こした。
「そうよ!嘘じゃなければ良いんだわ!………それなら…中庭で………目撃者が必要よね……言いふらさない人が良いわ…噂を立てない人…」
ブツブツと独り言を言いながら思案して…リールが辿り着いた人物は
(クレア・ドケーシス公爵令嬢……そうよ。婚約者なら王太子の醜聞なんて広めないだろうし。公爵令嬢はウィリアム様に無関心だから、気にしないだろうし。もし、噂が広まった時…事実確認の証言は高位貴族が良いし。)
リールには…最良の案だと思えた……
◇
リールは…ウィリアムが毎朝、生徒会室に行く事を知っていたので
朝一番に、生徒会室の扉の前で待っていた
「おはようございますウィリアム様。あの!今日の放課後ってお時間ありますか?」
「あぁ、おはようリール嬢……うん、放課後は空いてるよ。また中庭に行こうと思ってたけど…」
「本当ですか、丁度良かった。新しく春蒔きの種を蒔こうと思って。ウィリアム様に選んでもらいたくて幾つか持って来たんです。パッケージの花の絵も素敵で…それも見せたくて」
「へぇ…僕が選んでいいの?…楽しみだな」
「それじゃあ、放課後に中庭で良いですか?」
「うん。必ず行くよ。」
そう約束を取り付けたリールは、ご機嫌で廊下を足早に去って行く…
その足で、そのままクレアの学年の棟へ向かった。
(………居た!……うわ…近くで見るの初めて……本当に綺麗…)
気品のあるクレアの佇まいに…一瞬、気後れするものの…目論見を遂行する為に、意を決して話しかける
「ドケーシス公爵令嬢様。初めてお目にかかります。シリッカ子爵家のリールと申します。」
黒い長いまつ毛で縁取られた…ルビーの様な赤い瞳が、リールをヒタリと見据える
「……初めまして。」
クレアはニッコリと笑顔で返事を返した。
「ウィリアム殿下には一学年の頃から親切にして頂いて…とても感謝しております。」
「…そう。…ウィリアム様はとてもお優しい方ですものね。」
笑顔だけど、感情が乗っていないクレアの様子に
(……やっぱり、ウィリアム様に関心が無いんだ…)
リールはそう捉えた……そして、一歩近づいて
「今日の放課後…少しお話がしたいのです。中庭でお待ちしております。」
誰にも聞こえない程の小声でそう告げた
「では、失礼します。」
リールはクレアの返事を待たずに、お辞儀をしてその場を去る。
計画通りに事が進んでいる…と、リールの足取りは軽かった…
◇
放課後、この時間の中庭は誰も来ない
リールは、花壇を種を落とすだけの状態まで準備していた。
程なくして現れたウィリアムと、種のパッケージを見ながら会話を弾ませる。
ウィリアムは幾つかある花の種の中から、サルビアを選んだ
簡単な作業で種を蒔き終えて、リールに緊張が走る…
(……ど…どうしよう…)
言う言葉は決めていた…が、そもそもウィリアムが口付けをしてくれる確証が無いと言う事に、今更気付く……
でも、もう…進むしか無い。クレアを呼び出しているのだから
少し躊躇しているリールの耳に、中庭へ続く廊下から小さく…近づいて来る足音が聞こえた
(公爵令嬢が来る!)
足音がリールの決意を後押しする。
中庭のシンボルツリーの側に立っていたウィリアムに近づき、そっとウィリアムの袖を摘む。
「?」
リールの仕草でウィリアムが視線を向けたところで、告白を始める
「私の初めての口付けはウィリアム様に差し上げたいのです……この先、どんな縁談が来てどんな方と結ばれようと…初恋はウィリアム様だったと覚えておきたいのです…」
(…言えた。)
リールは何とか、棒読みにならずに言い終えると…少しの沈黙の後
「………いいよ」
ウィリアムからは了承が返って来た
ウィリアムはリールの頬を両手で包む様に上向かせる
(ダリウス様から口付けされたら、こんな風になるのかな?)
ダリウスとの口付けは、いつもリールから仕掛けるばかりだった
ウィリアムとダリウスの身長は同じくらい、目を閉じればウィリアムはダリウスに変わる。
落とされる口付け
(……好きなのは私ばっかり……もっと大人として…)
相手がウィリアムだと言う事を一瞬忘れて、深い口付けを求める様に薄く唇が開いてしまった。
直ぐ我に返り唇を閉じる。
走る足音が遠くに聞こえた…
ウィリアムの唇が離れて、瞼の向こうに明るさを感じゆっくり目を開く。
(…これで、嘘じゃなくなった……)
リールは安堵して目線を上げると、遠く一点を見つめるウィリアムの顔があった。
見つめているのは中庭の出入り口…
(………………………あれ?…)
真顔のウィリアムに何故か危機感が走った
ジッと見つめるリールに気づいたウィリアムは、ニッコリ笑って
「じゃあ、僕は帰るね」
そう言い残して、行ってしまった
普段だったら後片付けまで手伝ってくれるだろうに、リールは中庭にポツンと一人残された。
(………あれ?…ウィリアム様って…あんな…人形みたいな笑顔…だったっけ?…)
困惑と疑念、何かを物凄く見誤っている…と言った危機感。
(……出入り口を見てたって事は、公爵令嬢が居るのに気付いてたって事よね…………婚約者を大事にしてる人が…他の人と口付けする姿をわざわざ見せる……?)
王太子と言う立場上、軽はずみな行動をするべきじゃない…なのに
ウィリアムはいろんな令嬢に甘く接する
リールは、ウィリアムがクレアを大切に想っている事は本当だと思っている
では、何故…口付けを…
例えば、ダリウスは言い寄られて口付けされる事があっても、ダリウスからした事は無い。
秘密とは言え、ちゃんとリールを恋人と思ってくれてるからだ。大切にしてくれてると感じている。
リールが(他の男の人とも口付けするし!)と言ったのは、自分と同じ思いをダリウスにさせたかったから。
つまり、嫉妬させたかったから。
嫉妬させる為の行動。
(……ウィリアム様は公爵令嬢に嫉妬してもらいたい?……)
知っていたウィリアムの姿が本当じゃなかったと言う結論に辿り着く。
(もしかしたら…)
そうすると、知っているクレアの姿も本当じゃないかもしれない…と言う疑問が湧く。
(もしも……公爵令嬢は無関心じゃなかったら……)
自分はとんでもない事をしてしまったんじゃないか
リールの顔は血の気が失せて、手が冷たく指先に痺れる様な感覚を覚えた。
◇◇◇
モヤモヤとした土日を過ごして、月曜の放課後
中庭で、まだ土しか見えないサルビアの花壇に水をやる
ウィリアムは現れなかった…
その次の火曜日もウィリアムは中庭に現れなかった。
(現れたとしても、どう接したらいいか分からないから…)
来ても困るし、来なくてもモヤモヤする。リールはストレスを抱えて過ごす
水曜になり
二限目の移動で友人と廊下を歩いていた時、何処からか聞こえてきた会話。
「ねぇ、ドケーシス公爵令嬢がずっと欠席してるんですって。」
「あっ!知ってる〜。なんかの感染症だって噂よ…高熱が続いてるんだって…?」
リールは…足元がグラリと揺れた感覚に襲われる……瞬間的にクレアの欠席の理由が病気じゃないと思った。
(………ずっと…欠席?……私のせい?…)
「リール?!…顔が真っ青よ?!」
耳鳴りの奥に友人の声が聞こえる…リールは気分が悪くなり、早退した。
◇
翌日の木曜、リールは学園を休んだ。
リールはベッドに蹲る
コンコンコン
「リール!少し良いか?!…」
扉をノックしたのは子爵で、慌てた様子で扉越しに声を掛けてきた。
「?。お父様?…大丈夫よ…どうぞ、入って。」
扉を開けて入って来た子爵の顔色は悪く、手に封書を持っている。
「具合はどうだ?…大丈夫かい?」
そう言って、子爵はベットの横に椅子を持って来て座る。
子爵の言葉に、リールは頷きで答えた。
子爵の様子から嫌な予感に襲われる
「王城から…お前宛に召喚状が届いた……」
子爵の言葉に大きく目を見開いた後、リールは一気に青褪めた。
「リール…心当たりはあるかい?…」
子爵の質問に、リールは青褪めたままフルフルと首を横に振る。
「リール………明日、私と一緒に王城に行く事になる…何かあるなら、知っておきたい。…ゆっくりで良いから話して欲しいんだ……」
子爵に促されてリールの目は左右に揺れる
どんなに考えても逃げ道が見つからない。
リールは諦めて話すしかなかった
少しずつ…少しずつ…学園でのウィリアムとの交流の事を話す。
しかし口付けの事だけは…話せなかった。




