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【書籍化】スライムマスターちゃんのVRMMO  作者: アザレア
第5章 第4回公式イベント 浮上都市編
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第138話




「助かったよ〜……増えすぎちゃってどうしようと思ってたからさ。イースターも2発までしか耐えれないし」


「私たち広範囲攻撃持ちのパートナー居ませんからね……それでもあんなに増えるとは思いませんでしたが」


「まぁ、無事で何よりだよ……まとめて爆破したせいで廊下酷いことなってるけど」


 連鎖爆発でボコボコ……余波で若干ダメージ食らったし。爆発は耐性無いから現在ライムの治療を受けてる……久しぶりにライムに回復してもらってるよ。

 ちなみにあの惨状は母体クラゲが2匹合流してしまった結果で、1匹はなんとか倒せたらしいけどMPが枯渇。それで必死に逃げてたらしい……あれじゃあ回復する隙も無いよね。


「そういえば2人はどうやってここまで来たの?私みたいに隠し通路でも見つけた?」


「あっ、やっぱりココロちゃんも隠し通路で来たんだ。そうだよ〜私たちも隠し通路で入ったんだ」


「まぁ、偶々でしたけどね……」


 なんでも人が多くて移動してたら自爆クラゲに遭遇。その爆発でイースターが吹き飛んでしまい……それを追いかけていたら隠し通路を見つけたんだとか。

 ちなみに通路の先は私とは違って厨房……包丁を投げてくるクラゲ人間に襲われたんだとか。ホラーかな?


「ちなみにAの方はナギちゃんたちが大暴れしてて、お城に突入してるらしいよ?他のところが押し切られかけてるっぽいけどね」


「そのせいで城の中の攻略があんまり進んでないようですけど……まぁ、それも時間の問題でしょうが」


 A以外が押し込まれてた理由としてはAに強い攻略組が集まっていたから……戦力バランスが崩れているのは流石に不味いと思ったのかな。この戦い押し込まれたらヤバそうだからね……イベント失敗だけなら兎も角、なんか他にも影響出そう。


(あの謎の声、なんか嫌な予感がするんだよね)


 と、思っている間に治療が完了した。敵が乱入して来なくて良かった……爆発音で寄ってくるかと思ったんだけどね。


「チェリーたちはどうする?私と一緒に来る?もし城から出るなら送ってくよ?」


「一緒に行くよ。わざわざ送ってもらうの悪いしね〜。あとココロちゃんと遊びたいし」


「この前はちょっと物足りなかったですしね。回復もできたので足は引っ張りません!」


 こうして攻略にチェリーとミリアちゃんが加わった。メンバー増えたからクラゲ兵士やクラゲ神官も少しは楽になるかな?


「「ジュリリリ!!」」


「だからって2体で出てくるな……」


 余裕になったかと思ったらクラゲ兵士とクラゲ神官がペアで出てきた。クラゲ兵士は槍を構えて突撃、クラゲ神官は電撃をばら撒いていった。厄介過ぎる……


「クラゲ兵士はこっちで引き受けるから。2人はクラゲ神官をお願い」


「了解だよ〜」


「分かりました」


 私はクラゲ神官をチェリーたちに任せてクラゲ兵士を相手取った。チェリーたちは近距離相手が苦手そうだからね……あとプルーンの盾を割と削ってくる奴にイースターは危ない。


「ジュリリリ!」


「ヒヤァ……」


「コーン!」


 クラゲ兵士の攻撃をプルーンが止めている間に両脇をインディーとモロコシが抜けていく。インディー、鳴き声無いからシュールだね。


「インディー。ズタズタにしちゃって」


「モロコシ。そのクラゲさんを焼いちゃってください」


「ジュリリリリ!」


 チェリーたちの指示を聞いたインディーたちは無数の風の刃と大きな火球を放つ。クラゲ神官はそれを結界で防御するが、それにより電撃が止まる。

 クラゲ兵士はクラゲ神官が押さえ込まれたのを感じ取ったのか援護しようと反転する。しかし駆け出すよりも早くプルーンが足を凍らせて動きを止めた。そしてレモンとアセロラが動けないクラゲ兵士に攻撃を叩き込んだ。念には念を入れた高威力を至近距離で。


「ジュ、リリ……」


 流石のクラゲ兵士もこれには耐えきれず光へと変わる。クラゲ神官の方を見ると、攻撃の連打で結界に閉じ込められて動けずにいる。そこに大きなハンマーを担いだキャロットが近づいていき……


「キュ!」


 ハンマーで結界を砕き割った。そしてそのままクラゲ神官を殴りつけ……インディーとモロコシの追撃を受けてクラゲ神官は倒された。


(あの結界……プルーンの氷の槍でも貫けないんだけど?)


 恐らくはハンマーの効果だろうね……結界とかに対する特効効果とか?プルーンの氷の盾にも効果あるのか気になる。装備関係は全く知らないからね……また闘技大会みたいなイベント来た時に備えて少しは知識を持っておくべきかな?


「というか結構余裕だった?」


「いや〜?そんな余裕があったわけじゃないよ?MP沢山消費しちゃうし……槍持ちクラゲはキツイ」


「あの近接のクラゲは結構辛いですからね……インディーちゃんの受け切れないんで」


 そうなんだ……私たちはどちらかというと神官の方が辛いんだよね。結界が地味に怠い。


(これ兵士は私、神官はチェリーたちで役割分担しよう。そっちの方が楽だし)


 自爆クラゲは数の暴力で潰す。あいつらは数さえ居なければ楽だから……私がそう思っていると廊下の先にフワフワと浮いている影が見えた。早速出てきた……


「ブワァァァァ!」


「「「「「「プワァ!」」」」」」


「「「いや、なんか多くない(ですか)?」」」


 出てきたのは母体クラゲ1匹と10匹以上の自爆クラゲ……これさ、パーティーメンバーの数で自爆クラゲの数が増減してる?


「「「「「「プワァ!」」」」」」


「た、倒せー!」


「こっちに来るな〜!」


「モロコシ!撃ち落として!」


 数の多さに呆けてた私たちに向けて自爆クラゲたちが飛んでくる。私たちは慌てて自爆クラゲを処理していった。減らしてる側から母体クラゲが追加を作っていくから全然減らない……おかげで自爆クラゲを30匹近く倒す羽目になった。


「ブワァァァ……」


「…………私、クラゲのことがしばらく嫌いになりそう」


「分かる〜。現実の綺麗だけどしばらくは見たくないね〜」


「同感です」


 少しばかりの怒りを込めながら私たちは母体クラゲを睨んだ。そしてクラゲに対する恨みを募らせて八つ当たりできる相手を探しながら奥に進んでいった。兵士?神官?出てきなよ……サンドバッグにしてあげる。


「「「ふふふ……」」」



 クラゲ兵士やクラゲ神官に八つ当たりをし、母体クラゲで更に恨みを募らせながら進んでいるとかなり奥まで来てしまった。マップを見てみると中心にかなり近い……ここまで来れるとは思わなかった。


(やっぱり人数が多いと少し楽だね)


 まぁ、私の性格的に普段からパーティーで行動するのは無理だけども。割とマイペースだから……個人行動の方が好き。


「薬の在庫は大丈夫?足りないのあるなら渡すけど」


「大丈夫かな〜。MP回復薬は前持って沢山持ってきてるし。ココロちゃんと合流してからは消費量減ったしね」


「私も大丈夫です!」


「そう。足りなくなったらいつでも言ってね」


 そう話しながら進んでいると何やら近くが騒がしい。またプレイヤーが戦闘しているのかな?そう思っていたら……


ドォォォン!!


「「「ジュリリリ!!」」」


 突然、目の前の壁が爆発するように壊れ、複数のクラゲ兵士やクラゲ神官が光へ変わっていった。ガラガラと壁は壊れ続け埃が大量に舞っている……え、この壁壊せるの?


「ちょっと蛇姫。壁壊すのやめなさいよ……天井が崩れてきたらどうするの?」


「……問題無い。崩れてきたら天井を吹き飛ばせば良い」


「そういう問題じゃないでしょ……あなた、壁抜けとかできるならやるタイプでしょ」


「……否定はしない」


 埃が緩やかに薄れていく中、壁の穴から誰か出てくる……それはナギとカクリヨさん。カクリヨさんの後ろには百鬼夜行のメンバーの人が居た。薬の納品で見かけたことがあったね。


(てかまた知り合い……今日はそういう日なの?)


 どんな確率?と私が額に手を置きながら思っていると向こうもこちらに気づいたようだった。


「あれ?なんでココロとチェリー……………………とミリアがここに居るの?」


「今、私の名前忘れてましたよね?凄い間が空いてましたけど?」


「いや?」


 中々名前を呼ばれなかったミリアちゃんがナギに噛みついた。ミリアちゃん自爆クラゲでストレスが溜まってたから……今ちょっと荒んでるから刺激しないで。怒り方が猫みたいで可愛いけども。


「ミリアちゃん。落ち着いて〜」


「フシャァァ!!」


 猫になりかけているミリアちゃんをチェリーが宥めながら連れていく。その間に私がナギたちにここまで来た経緯を話しておく。


「……隠し通路。そんなのあったんだ」


「私たちは大軍を蹴散らして来たから気づかなかったわ……でも狭い通路なら私たちには不向きっぽいわね」


 そういえば2人のパートナーは大型だったね。あの通路だと1体でも限界か……大きいパートナーも中々苦労しそうだね。

 そんな感じで話しているとミリアちゃんがようやく落ち着いたようで戻ってきた。そのあと軽く話し合ってボスまであと少しだろうからナギたちと一緒に行くことになった。向こうは戦力を、こっちは薬の補給と回復などのサポートを払う感じ。とりあえず薬を渡しておこ……って、なんかお金渡された。しかも多めに。


「いや、薬に関してはお金要らないですよ?」


「いや、こういうのは渡しておく。後で面倒になることあるから……」


「親しき仲にも礼儀ありよ。受け取れるなら受け取っておきなさい」


 そんな感じでお金を受け取り、私たちは進軍していった。道中の敵はナギたちが倒してくれて楽できた……レモンとアセロラもここまで来るのに結構戦ったから参加しなくて拗ねたりしてない。

 そして進むこと30分弱。ボス部屋に続いていそうな大扉に辿り着いた。扉には番人は居らず、鍵もかかっている様子は無い。


「どうする?他のプレイヤー待つ?」


「いや、待たなくて良い……どれくらいで来るか分からないから」


「それに先に入って情報収集するのも辿り着いたプレイヤーの大事な仕事よ……最悪、無理そうなら逃げればいいわ」


 ふーむ、攻略組はやっぱりエンジョイ勢の私と違ってアグレッシブだね。てか目の前の2人は前回イベントの種族型1位と2位……下手したら勝てるでしょ。

 その後、ボス戦の役割をざっくりと決めてお大扉を開けた……どんなボスが待ち構えているかな?



スライムマスターちゃんのVRMMO

8月19日発売です!

イラストはきんし先生に描いていただきました

予約も始まっているので興味がある人は買って見てください

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― 新着の感想 ―
Webでは8/19になってますね。 イラストかわいいな。
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