第130話
また遅れました
書きたいものは決まっているんですが指が……
あとメンタル軽く逝って休日死んでました
メンタルケア怠らないようにしなきゃ……
昨日は疲れた……帰ったらお母さんに捕獲されてちょっと離れたスーパーの買い出しに付き合わされたんだよね。なんでも大型セールで人手が必要だったから……戦場を見たね。主婦の怖さを知ったよ。
「桜に攻略誘われてたんだけどね。後で埋め合わせしなきゃ……」
まぁ、行けたら行くって感じの約束だったし……そもそもボス攻略自体はチェリーとミリアちゃんだけでやりたいって聞いてたからね。2人とも気にしてないってメッセージ来てた。あと攻略成功したともね……お祝いメッセージ送っといた。
とりあえず今日は何しようかな?イベントの攻略は一段落してる……ボスもあと1体を倒すだけなんだけど、そいつは中々曲者らしくて時間がかかるらしい。まぁ、遅くとも明日には倒されてるでしょ……土曜日には最終エリアに入れるかな?
「イベント以外……なら試練に挑戦しようか」
行くとしたらスチンかアセロラのどっちかだけど……ここは仲間にした順でスチンにしよう。アセロラはもうちょい火力の調整練習させたいし。
(まぁ、スチンの場合は……やる気を上げるところからかな?)
個人的にスチンとメロン……この子らは試練の内容よりも試練まで連れていく方が大変かもしれない。性格的な問題で……
「スチン。試練に行くから着いて来れる?」
「ドロォ……」
案の定、スチンは凄く面倒そうな反応を見せた。ただ思っていたよりもスムーズに神殿まで来てくれた、今日は機嫌が良かったのかな?そんなことを思いつつ、いざ水の試練……
「これは……プール?」
水の試練の場所は広いプール。光、雷と比べると5倍くらいはありそう。プールには並々と水が満たされていて、足場が迷路のように続いている。見るだけで試練の内容が分かるね……一応、確認するけど。私は石碑を確認、よく見ると石碑には小さな白い鍵が置かれていた。
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水の試練
①塩の鍵を持ったままゴールまで向かえ。
②塩の鍵は水に触れると溶けてしまう。またスライムが持っても溶けてしまう。
③迷路は一度進んだ足場は段々と水に沈み、沈んだ足場は時間経過で浮上する。色が違う足場は沈まない。
④無事、ゴールの先にある扉に鍵を差し、扉を開けることができれば試練は達成となる。
※この空間では称号、装備、アイテムの効果が制限される
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やっぱり迷路……沈む足場がかなり厄介そう。ただそれよりも妨害について何も書いてないのが怖い。これは気を引き締めないとかな……それじゃあ試練開始しよう。私は塩の鍵を手に取り、スチンと共に迷路に挑戦した。沈むっていうから急がないと……って思ったけど、足場が沈むのは緩やかで焦る必要は無い。ここまでは今までの試練に比べて簡単……まぁ、そんな訳無いんだけども。
ニョロン!ニョロニョロ!
少し進んだところで水面から水の触手が数本伸びてきた。触手はゆったりとした動きで私の手にある鍵を狙ってくる。
「ドロォ」
触手に対しスチンは水のレーザーで応戦。高圧水流で触手は切断されていく……しかし触手は次々と現れて切りが無い。
「これ……触手を相手にしてるとキリが無い。無視して先に進んだ方が良いね」
私はスチンの手を引きながら早足で迷路を進んでいく。そしてここでも地味な嫌がらせ……ハズレの道を引くと沈んだ足場が戻るまで触手との耐久戦をしなきゃいけない。
(温情なのは行き止まりが沈まない床ってことだね……)
ここも沈む床だったら耐久なんてできない。ただ触手の処理がかなり大変だね……奥に行くほど触手の本数や速度、精度が上がっている。
「そんでもって無限だから本当に辛いね……」
にしてもこの触手はなんなんだろう?スライムなのかな……それにしては水の中に姿が見えないんだよね。
流石のスライムも不透明な泥とかなら兎も角、透明な水なら屈折とかで見える……なんだけどここの水の中にはスライムの影も無い。
「身体の透明度の高いスライムでも潜んでるのかな?」
クリア・スライム的な。水属性のスライムなら居そうだからね……スチンは泥経由してるせいか身体の色が濃いし。
そんな事を考えながらも私はスチンに指示を出して触手を処理、浮き上がってきた足場を戻って迷路を攻略する。戻ってきた足場は濡れてて足滑りそうだった……転んで鍵を落とすのだけはしたくない。恥ずかしいし笑えない。
「てかこの迷路……どこまで続いてるの!?」
ゴールは見えてる……米粒みたいなサイズだけども。そしてそこまで続いている長い通路……私でも気疲れしそうになる長さ。
「余裕あったらアセロラもやっちゃおうかって思ってたけど……無理。既に疲労がヤバい」
「ドロォ……」
あとこれ2回目チャレンジはやりたくない……それほどまでにこの試練面倒臭い。1発クリアしないとしばらく来ないかもしれない。
「スチン……悪いけどこっからより本気で行くよ」
「ドロォ……」
流石のスチンも面倒過ぎて若干本気モード。私たちは更にハイペースで進んでいく。迷路に関しても壁が無いから注意深く観察すれば正解のルートは分かる。集中し過ぎると触手から意識がハズレて危ないけれど、それはスチンが対処してくれている。
ヒュン!ヒュンヒュン!
最初はゆったりしてきた水の触手も、ゴールに近づけばまるで鞭みたいな速さと鋭さになってくる。もう水のレーザーでは対処できず、水の膜で防いでいる。
「ドロォ……」
全方位を守ると動けなくなるからスチンは鞭に合わせて切り換えて防いでいく。私はその間にルートを見極めていく。スチンとここまで連携してるのは初めてな気がする。
(あんまり2人っきりになること無かったからね……)
スチン、拠点でもメロンと寝てること多いし。外出る時に呼びに行くくらいじゃないと会わないこともある……スチンとメロンは放置してても仕事してくれるし。レモン、アセロラ、チェリモの手がかかる組がね……拠点でのスチンたちとの交流、もうちょい増やそうか。
「と、ゴールまでの道を見つけた!ラストスパートだよ!」
私はスチンの手を引いて触手の猛攻を潜り抜ける。沈むのが少し早くなった足場をトントンと駆け抜け……ゴールの扉に到着。鍵穴に鍵を差し込み扉を開けて中に転がり込み……流された。扉の先はウォータースライダーのような筒で、勢い良く飛び込んだ私たちはどんどん流されていく。
「えー!?何々!?」
「ドロォ!?」
珍しくスチンからも驚愕の声が漏れる中、暗闇を滑り続け……ポンと放り出されたかと思うと水面へと投げ出される。ちょ、試練クリアしたのに雑じゃない!?私は水に沈むのを覚悟しながらそう思った……しかし。
ポヨン!ポヨンポヨン!
水面に着水したかと思うと、まるでトランポリンのように跳ねた。濡れることなく私たちは水面の上に座り込む……えっ、何これ?
戸惑う私を他所に液体は私たちを何処かへ運んで行く。運ばれた先はいつもの水晶柱があるところ……ただスライムの姿は無い。
「いや……もう既に居るのか。私たちの足元に」
私は足元の水を見る。この水……全部スライムだ。群れなんかじゃなくて単一のスライムとして。迷路の時の水もこの子だったんだろうね。
ズモモモ……ポン!
「オシャ〜」
私が正体に気づいたからか、水面の一部が盛り上がって深い青色のスライムが飛び出してきた。ライムの分体みたいな感じかな?水属性の子らしく何処となくやる気が……まぁ、スチンよりはありそうだけど。
その後、私は水晶柱に触れて試練を達成……今まで見てきたモンスターの中でも1番大きかったスライムとお別れした。
水の試練管理人
オーシャン・スライム
海洋の名を持つ水属性のスライム
名前の通り巨大であり、簡単に都市を押し潰せる
大き過ぎるため活動時には小型の分身を作り出すが、その分身がやられても本体は無傷でまた作り出せる
身体はほんのり塩味




