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【書籍化】スライムマスターちゃんのVRMMO  作者: アザレア
第5章 第4回公式イベント 浮上都市編
142/175

第124話

仕事が……忙しい……

あとシンプルに書き直したりしてて遅れました

マジすまん




 調査拠点Cから行ける研究所。呪毒に対する薬が生産されるようになって攻略が進み、最深部のボスが居るところまで行けるようになったらしい。そして1番にボスを倒そうと多くのプレイヤーが突入していき……その全てが全滅した。攻略組のプレイヤーたちもね。


「そんなに強いんですか?」


「強いというか厄介かしら?……少なくともゴリ押しは無理ね。環境的にも相手の能力的にも」


 百鬼夜行の拠点であるお店でお茶を飲みカクリヨさんはホゥ……と息を吐く。そしてボスのことを説明してくれた。

 研究所最奥にいるのは身体のあちこちから管が伸び、タンクに接続されている怪生物。全身は呪毒と同じ緑色で色んな生物の特徴のある身体、下半身は浸水した呪毒の海に浸かっていて見えないけど、上半身だけでもキメラって感じのモンスターらしい。


「管に繋がれているから動き回ることはないんだけどね……身体も大きいし」


 それでも苦しいのはまずフィールドの狭さ。戦う足場が狭いせいで大人数では戦えず、大型のパートナーは狭すぎて戦闘しにくい。うっかり足場から落ちれば呪毒の海へドボン……そのままお陀仏になってしまう。

 次に厄介なのが状態異常。研究所のボスに相応しく呪毒による攻撃が多いけれど……それ以外にも猛毒、硬直、昏睡、石化、酩酊と様々な状態異常を扱ってくる。これにより対策が追いつかずにやられてしまうプレイヤーが多数。

 そして……最後に1番プレイヤーを苦しめているのは、相手に対応した体液の変化。


「獣系なら激臭、物質系なら腐食液、私が扱う死霊系なら聖水に似た性質を発生させるの……そのせいでいくつかの種族は戦うこと自体が難しいのよ」


「厄介過ぎる能力ですね……」


 まともに戦わせてくれないのに状態異常で苦しめられる。なんとも運営の悪意を疑うようなボスだと思う。

 ただ攻略を重ねる中で一部の種族なら攻略が可能かもしれないというのが出てきたらしい。その中の1つにスライムが入っている。確かにスライムなら状態異常は無効にできるし、他の種族みたいな致命的な弱点は無い。火力についても最近克服したしね。


「だから私に参加してほしいんですね……現状、フルメンバーがスライムでボスに挑めそうなの私だけでしょうし」


「そういうことよ。ちなみにうちのメンバーからも何人かは行けるんだけど……1体しか仲間にしてなかったり、生産メンバーで戦いに不慣れなのよね」


 ちなみに向いてる他の種族は鳥系、精霊系、鱗系。その中で参加するのは鳥系と精霊系だけだね。鱗系は他のところの攻略が忙しいらしい……そう地下街の攻略がね。あそこ取り巻きのタコ狩りしてて攻略組の殆どが頑張ってるらしい。あのタコ地味に多いんだとか。


「私も今は博物館が忙しいのよね。ちなみにチェリーちゃんは博物館で活躍してるわよ……というかあの子が1番活躍してるわね」


「あ、そうなんですか?」


 チェリーがねー……あー、でも確か博物館ってなんか怪しいものばかりなんだっけ?チェリーそういうの好きだし。霊感?なのか勘が良い……色々旅行先で変なものを買ってくるけど『本当にヤバいものには手を出していない』って言ってた。言葉の意味は聞いてない……触れたらヤバそうだったからね。


(ちょっと博物館気になるし……後で行ってみよ)


 と、思考が若干横にズレたけど……研究所のボスか。あそこの攻略のきっかけを作ったの私だし……何よりバイオ・スライムたちに会いたいし行くとしよう。私は研究所のボス戦に参加することを決めた。


「ボスに挑むなら私から連絡しておくわ……調査拠点Cのこの場所が集合場所よ」


「ありがとうございます。早速向かいますね……薬の注文お待ちしてます」


 私はカクリヨさんにお礼を言い待ち合わせ場所に向かった。その前にメンバーを変えていこう……ボス戦仕様にね。


「ライム、レモン、アセロラ、プルーン、ルベリー……今回はこれで行こう」


 プルーンはレベル上げのため、ルベリーはレベル上げとデバフ要員だね。ボス戦は特にデバフが役に立つはず。薬も多めにストレージへと入れ、私は調査拠点Cに転移した。


「集合場所はあそこだね」


 木箱などの物が多く積まれた場所に向かうと見慣れた顔が居た……成程、鳥系は確かにあの人だね。


「お久しぶりですココロさん。最近はうちに情報を売ってくださってありがとうございます……それとうちのツヅミがすみません」


「いえいえ、気にしてないですよ。それにしても久しぶりですデルタさん」


 待ち合わせ場所に居たのはアーカイブのデルタさん。鳥系の使い手ならやっぱりこの人だよね……種族別で出場してたし。あとは精霊系の人かな?姿が見えないけど。


「すみません。お待たせしました」


 私が周囲を見回しているとアイドルっぽいシスター服の女の子がやってきた。女の子の後ろには色とりどりの色をした光の球が浮いている。よく見ると光の玉の中には人の形をした炎や水、風に雷のパートナーが居る。精霊系の人だね。


「ココロさん紹介しますね。この人はキラリさんと言って精霊系ではトッププレイヤーです。前回のイベントはリアルが忙しかったために参加してませんでしたね」


「キラリです。リアルはアイドルやってます。よろしくねー」


「ココロです。よろしくお願いします……リアルの仕事言っちゃって良いんですか?」


「あー、その心配は大丈夫ですよ。この人、あちこちで言ってますから」


「アイドルってことしか言ってないからねー。それ以上の情報は出してないから大丈夫」


 そ、そういう問題かな?ちなみに前回イベントの時はコンサートで日本中をあちこち行ってたらしい……あちこち行くならかなり有名なアイドルなんじゃ?


(考えないようにしよう……)


 面倒事に巻き込まれたくないからね。とりあえずボス戦に挑むメンバーが集まったので作戦会議を行う。キラリさんの戦闘方法は小粒の遠距離攻撃の連射、質より数でゴリ押す感じらしい。前の私とちょっと似てる?


「私本体は特に無いかな……この服は応援するとパートナーにしてる子たちを強化するだけだからね」


「精霊系のシスター服はそういう能力なんですね。私のは仲間にしているスライム系の耐性を得るって感じです」


「そっちの方が便利そうですけどね……ちなみにその布地の少なさには秘密が?」


「いえ、全く無いです」


 そしてそれに触れないでください。最近は気にしなくなってきましたが、ふとした時に恥ずかしくなるので。そんなアイスブレイクを挟みつつ私たちはデルタさんの主導で作戦を立てていき……研究所のボスのところへと向かった。


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― 新着の感想 ―
精霊系のシスター服は応援で強化かあ。 属性火力特化型の種族だからかなり使い勝手が良い能力だな。 ただ感情がない種族だからどういう応援をしているかは気になるなあ。 効果ごとに応援歌が決められていてそれで…
>仕事が……忙しい…… そんな時は無理せずゆっくりできる時でお願いします 無理ダメ絶対
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