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二人 会話その一 叙情詩 赤
久しぶりだな
はい、おかわりありませんね
ここは変わらない
はい、かわりませんよ
あなたも、かわりませんね
歳老いたよ
それは同じです
それより、あなた
なんだ?
ありがとう
捨てた私にくれる言葉ではない
私は自由になるかわりに、金と一丁目一番地を置いていった
それが嬉しかった
愛と言う言葉は、蜃気楼
形のない愛より
形のある価値が嬉しかった
もちろん、始めは嫌だったけど
強くなったな
私は弱くなった
後悔はない
そう言いながら
涙が、止まらなかった
男だ
男だ
私は言い聞かせた
しかし……
あなたは人間なんです
そして今の言葉で
確認出来ました




