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呪い 叙情詩 赤
老いた男は、俺に似ていた。
一丁目一番地
ここで俺は生まれ
育った
呪いとは
本当にあるものだ
姿、形がよく似てる
何十年後は
こんなんだ
呪いをかけた
この初老
母に金を
つぎ込んだ
母は俺に
愛をつぎ込んだ
形のないモノをつぎ込む母を
俺は何故か尊敬し
再婚をせず
俺と妹
育ててくれた
妹幸せ
男に嫁ぎ
子供が生まれ
順風満帆
そして、俺はもうすぐ
伴侶得る
母の命が
無いとわかる
最後に一目合わせたかった
そして俺も見ておきたい
呪いの初老は
涙を流し
母は唇
噛み締めた
ふと思う
俺は居てはいけないと
しばらく部屋を
二人にし
隣の部屋から
様子見する
窓を見る
冴えない男
俺がいた
窓に写る
俺の顔
初老の呪い
架かりきれて
いないとわかる
どこか皮肉な
窓の俺




