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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第二章:メルリスの街にて
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Lv上げの方法

投稿時間を変えようか考え中です。

変わったらまたお知らせします。

 翌朝、昨日の仮説を確かめるために20階層のボス部屋へ向かう。いつも通りボス部屋に入り10分くらいで全滅させ魔石や剣や杖を回収する。そして21階層へ降りてすぐに19階層へ戻る。ボスが再出現するまで10分程度かかるらしいのでそれまでヒナと軽い訓練をして時間を潰し、10分後、扉を触れると扉が開きそこにはボスが再出現していた。


「ヒナ、これいけるね。」

「そうだニャ、これは効率が良いニャ。」

(狩り放題だね。)


 ひゃっほーいと言った感じでボスを狩っていく。

 昨日帰り道にボス部屋を通りながら思ったのだ。ボス部屋なら少なくとも5匹のナイトと5匹のメイジを倒せる。しかも探す時間もいらず、再出現までの時間も訓練や休憩に使える。ボス部屋を周回すれば効率よくLvアップ出来るのではないかと。


「相変わらずタイチは面白いことを考えるニャ。確かにこれならすぐに魔物に会えて倒せるニャ。」

「まああまり人がいないから出来ることだけどね。」

(そうだね。10階層のボスとかでは出来ないだろうしね。)


 周回するにしても他のパーティがいるところでやっては邪魔になる。ボスを占有するようなものだしな。この前のメリルの時のクズのパーティみたいにはなりたくないしな。


「そういえば今って20階層以降を探索しているパーティってどのくらいいるんだろうね。」

「私たちの他に宿に泊まっているパーティが3つあるし、帰っていったパーティやこれから来るパーティもいるだろうからたぶん10パーティくらいじゃないかニャ。」

(案外少ないんだね。)


 確かにそうだ。迷宮に入っているパーティの数としてはかなり多く、人数にしたら1000人以上は確実にいるはずだ。


「この迷宮で最下層のボスを倒そうとしているパーティなんてそんなもんニャ。」

「別の理由があるってことか。」

「その通りニャ。」

(なになに?教えてヒナ先生。)


 先生と呼ばれたヒナがちょっと嬉しそうにしている。かわいい。


「その理由は迷宮と言う場所の特徴が関係しているニャ。さあなぜかわかるかニャ?」

(うーん、迷宮の特徴か。罠がある。宝箱がある。魔物がいる。昼でも夜でも明るさが一緒。そのくらい?)

「そうだね、詳しく言えばもっといろいろあるけれど大まかにはそれでいいんじゃないかな。」

「今ルージュ君が言った中に正解があります。」

(えー、なんだろう。タイチわかる?)


 迷宮を踏破するパーティが少ない理由か、逆に言えばそれ以外の目的があるってことだもんな。それと迷宮の特徴を考えれば・・・そうだな。


「魔物がいるってことだな。」

「正解ニャ。」

(どういう事?)

「魔物を倒すとどうなる?」

(魔石とかが取れる。あと経験値がもらえるって、あぁそういうこと。)

「そうニャ。この迷宮に来ている7割以上は冒険者以外の一般人か冒険者から転職するつもりの人ばかりニャ。」


 そういえばそうだったな。この世界では生き物を殺さない限りLvが上がらないんだった。普通に冒険者以外で生きるにしてもLvを上げて能力を高めた方がより良い仕事に就けるし生活も楽になる。下手をすると結婚とかにも関わってきそうだ。


(でもそうなら普通に街の外へ出れば魔物なんているじゃん。)

「そこがミソなんだ。私はマップがあるから外でも効率よく魔物を見つけられるけど普通の冒険者には難しいよ。もちろん得意な人はいるだろうけどね。」

「それに普通に冒険者を1日雇うにしても依頼料が高いニャ。しかも慣れていない冒険者に当たったらお金の無駄ニャ。ここならそれが仕事として成り立っているから案内する冒険者も慣れているし報酬も安いニャ。6級以上の冒険者がいれば誰でも入れるという規則があるのはそのせいニャ。」

(ふーん、一線を退いた冒険者のお小遣い稼ぎって感じ?)

「まあ言い方はどうかと思うけどそうニャ。」


 そういえばジンさん達も迷宮に入りたいっていう貴族の依頼でここに来たはずだもんな。逆に言えばその貴族がLvを上げたいと思っていたと言うことか。


「だから中級以上の迷宮はここに比べて探索している人数はかなり少ないニャ。探索しているのは本当の冒険者だけニャ。」

「逆に言えば実力者ばかりってことだね。」

「そうだニャ。中級を探索するためには初級迷宮を踏破することが条件になっているニャ。それなりの力はあるはずニャ。」

(そうすると、この初級迷宮に化け物みたいな実力の持ち主が来る可能性もあるんだね。)

「そうだニャ。たまに往復5日で攻略していくような化け物がいるニャ。私がこの街に来てからは1人だけだけどニャ。」

「1人か、それはすごいね。」


 まあたまたま迷宮に潜っていなかった実力者はいるだろうからあり得るだろうが、それにしても単独でしかも往復5日は化け物クラスだ。寝るときとかはどうしたんだろうか。


(タイチ、残念だったね。最短記録は無理みたいだよ。)

「いや、そんなものを目指すつもりはないから。」

「ルージュがいれば迷宮に入ってから倒して出てくるまでの最速は狙えると思うニャ。」

「えっ、やるつもり?」

(いいじゃん、やろうよ。)

「まあその時に考えるニャ。」


 なんか無茶をやらされそうな気がする。後でしっかり話し合ってあらかじめ予防線を張っておこう。

 そんな感じでいろいろな話をしながら周回を繰り返す。ボス戦とヒナとの訓練のどっちが疲れるかと言ったらもちろんヒナとの訓練だ。ダートを投げてヒナがひたすらに回避する訓練をしたりとだんだん訓練の幅も広がっている。こっちはダートの訓練になるしヒナは回避の訓練になるしWin-Winの関係だ。

 周回の途中の再出現までの待ち時間に別のパーティが来たので先に行ってもらった。感謝されたが、こちらとしてはまとまった休憩時間もとれたし余った時間は訓練をしていたので特に損はしていない。そのパーティは30分くらいかけて20階層のボスを倒していたがそれが普通なのかどうかの判断基準が無いのでわからない。


 周回を続ける。1回につき10個の魔石と剣と杖が5本手に入るのでかなりの数がアイテムボックスに入っている。最初は袋に入れていたのだが袋が足らなくなりそうだったので土魔法で作った箱に種類ごとに分けて入れるようにした。25回周回したところで今日はやめることにしたので魔石は250個、剣と杖は125本手に入れた。かなりの金額になるはずだ。この方法を使えば効率よくお金稼ぎも出来そうだ。


「さすがに疲れたニャ。」

「ああ私も。」

(2人とも待機時間に休憩していればいいのに。)

「いやLvが上がっても基礎が出来ていないと意味が無いから。」

「久しぶりに人と訓練できるから出来るだけやっておきたいニャ。」

(処置なしって感じ。)


 Lvが上がれば身体能力などは上がるけど、技術は自分で訓練して磨くしかないからな。まあ身体能力が上がったことで出来る技術もあるけれど。


「もう寝るニャ。」

「そうだね、あっ、ちょっと待ってヒナ。「クリーン。」」

「ありがとうニャ。じゃあお休みニャ。」

「うん私も休むよ。食事の時間になったら起こすから。と言うわけでルージュよろしく。」

(りょーかーい。)


 今日は疲れた。ベッドに倒れこむとそのまま布団もかぶらずに寝てしまった。夕食を知らせるルージュの声に全然気づかずにだいぶ経ってから起きて、ちょっとルージュの機嫌が悪くなったのだがヒナには内緒にしておいた。

ちょっとした発想の転換で物事がうまくいくことって多いですよね。

十数時間も苦労したことが数十秒で終わった時には泣きそうになりましたが。

読んでくださってありがとうございました。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
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