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RIN ~共に生きる異世界生活~  作者: ジルコ
第二章:メルリスの街にて
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隠し通路

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目指せ100人。

本当にありがとうございます。

 ヒナとの探索は順調に進み、現在は18階層を探索中だ。ミアさんに買った地図でおかしいところがあったら教えて欲しいと言われたので19階層までは地図と自分のマップを比べながら探索を続ける予定だ。大きな修正点を見つけるたびに銀貨1枚の報酬が支払われるためちょっとしたボーナスみたいなものだ。


「そろそろ日帰りが難しくなってきたね。」

「そうだニャ。明日からはギルドの宿を利用するかニャ。20階層のボス戦もあるからどっちにしてもいつかは利用するからニャ。」

「ヒナはどんな感じで利用してたの?」

「19階層まで1日で行って、1週間ギルドの宿へ泊って周辺でレベル上げして、そうしたら外へ出て2,3日休む感じニャ。」

「じゃあこれからはそんな感じで探索しようか。」

「そうだニャ。」

「あっ、でも明日はちょっと休みにしてほしい。休みが続いて悪いけどこの前の依頼でだいぶ道具を消費したから補充したいんだ。」

「わかったニャ。じゃあ明後日に19階層まで行って泊まって、翌日にボス戦ニャ。」

「了解。」


 3日前の休みの日はお世話になった治療院の手伝いをしたからスライムの糸の在庫の補充が出来なかったんだよな。そのかわり消費したMPポーションは作れたし、地味に調薬のレベルが上がるのが嬉しい。自分が消費する分を作るだけだとどうしても量を作らないから上がりにくいんだよな。難点は勧誘がちょっと真剣になってきたことくらいか。


 たまに出てくるコボルトをヒナと連携して倒していく。この階層まで来るとかなりの時間がかかるのでサクサク倒していかないと日帰りできなくなってしまう。だから杖の訓練や魔法の実験は後回しだ。

 18階層もメインの道付近はすでにマッピング済みなのもあってあと4割ほどで終わりそうだ。

 入り口から見て左奥の角部屋に入る。ギルドの地図ではここが一番入り口から離れた部屋だ。見た感じ魔物も罠も無い普通の部屋に見えるのだが壁の一部に違和感がある。この迷宮に出てきた罠とはレベルが明らかに違う。マップで確認してみるとこの壁の奥に通路があるみたいなのでこの通路へ行くための鍵のような役割ではないかと推測できる。


「ヒナ、隠し通路を発見したんだけど、どうしよう?」

「どういう事ニャ?」

「この壁の奥にどうも通路があるみたいだ。だけどこの入り口の仕掛けが今までの罠とはレベルがけた違いなんだ。何かがある可能性は高いと思うけど、罠である可能性も高いと思う。」

「うーん、まあ行けるところまで行ってみればいいニャ。」

「了解、じゃあ仕掛けを解除しますか。」


 最悪壁ぬけという手段があるから閉じ込められても何とかなるだろう。

 違和感のある壁を魔力操作で調べていく。なんというか本当に罠と言うより鍵だな。6か所あるそれぞれの場所に一度に魔力を流さないと壁が開かないような仕掛けになっている。しかも位置が1人につき1つしか流せないような配置になっているから普通に開けようとしたら6人の魔法使いが必要だ。なんという面倒くさい仕掛けだ。

 1か所ずつ迷宮産の矢にスライムの糸をつけたものを壁に突き立てていく。矢は手で投げるわけにもいかないので利用方法を考えていたのだがちょうど消費出来て良かった。しかしこんな仕掛けがこれからもあるようなら矢の在庫も確保していかなくてはいけないな。


「じゃあ開くから注意して。一応魔物の反応は無いけれど急に出現する可能性もあるしね。」

「わかったニャ。」

(ルージュも警戒よろしく。)

(りょーかーい。)


 スライムの糸に魔力を流していく。一斉に6か所に魔力が流れた瞬間、壁に幾何学的な模様が描かれゴゴゴゴっという音とともに壁の一部が奥へ30センチほど引っ込みそして右へスライドしていった。そこには奥へと続く真っすぐな通路があった。


「おぉー、これだけ大きい仕掛けは初めて見たニャ。」

「ヒナでもそうなんだ。見た限り罠も魔物もいないけれど慎重に進もう。」

「わかったニャ。」


 一応私たちが進んでいる間に扉が閉まらないように、昔ゴブリンが装備していた錆びた剣を地面に突き刺してストッパーにしておく。意味は無いかもしれないが保険だ。

 どんな事態にも対応できるように慎重に進んでいく。これだけの仕掛けがしてあってただの物置部屋でしたとか言う事は無いだろう。なんらかの貴重なものを守っているか、入ってきた者を確殺するような仕掛けがあるのかもしれない。普段は2人でしゃべりながら探索しているがヒナも真剣な表情で周囲をうかがっている。

 しばらく通路を進んでいるとマップでこの先に部屋があることがわかる。そしてその部屋には3匹の魔物の反応がある


「ヒナ、ちょっと待って。この先の部屋に3匹魔物がいる。」

「どんな魔物ニャ。」

「えっと、ゴブリンジェネラル、ゴブリンメイジ、ゴブリンナイトだね。たしかゴブリンメイジって21階層以降に出現するんじゃなかったっけ?」

「そうニャ。主に火魔法を使うゴブリンの魔法使いニャ。それより問題はゴブリンジェネラルの方ニャ。なんでこの迷宮のボスがこんな場所にいるニャ?」

「ボスって30階層の事だよね。ということはヒナも戦ったことは・・・」

「無いニャ。」

「どうする、ここで無理に戦う必要はないから引き返してもいいと思うけど。」

「30階層ではもっと部下を引き連れているという話ニャ。予行演習として考えればこれだけやりやすい機会はないニャ。」

「じゃあ、戦うってことで。作戦は?」

「とりあえずタイチはメイジを優先しつつ雑魚を倒す。その間に私がジェネラルを引き付けつつ倒せるなら倒してしまうニャ。どちらかが先に終わったら残っている方のフォローをするってことでいいかニャ?」

「了解。無理しないようにね。」

「久しぶりに腕がなるニャ。」


 ヒナの目がらんらんと輝いている。強い相手と戦えることがそんなに楽しみなのか。まあヒナの全力を知ることで連携も取りやすくなるだろうからいい機会かもしれない。しかし相手の力量がわからないからこちらも速攻で倒して、いつでもフォローできるようにしないとな。


「そういえばゴブリンメイジってどのくらいの強さ?」

「硬さは普通のゴブリンと変わらないニャ。呪文を詠唱し始めて2秒後くらいにファイヤーボールが飛んでくるから注意するニャ。」

「じゃあ、遠距離から速攻で倒した方がよさそうだね。」

「まあやり方はタイチに任せるニャ。」


 ここでこれ以上の情報は手に入らない。なるべく危険の無いように行動するしかないな。ヒナと目で合図をして私のすぐ後ろにヒナがついてくるいつもの隊列になる。気づかれる限界まで近づいたらルージュを残して突っ込み、ダートの射程に入ったらそのばで立ち止まり投擲、それからヒナが前に出て接近戦に入るという定番の戦い方だ。他にもいくつか戦法があるがこの方法が一番効率的に倒せる。

 ルージュを置き走り出す。向こうも気が付いたようだがこちらには向かってこず、部屋で迎え撃つつもりのようだ。ゴブリンナイトが他の2匹をかばうように前に出て剣を構えている。ダートの攻撃範囲まであと3秒。すでにゴブリンメイジが詠唱を開始しているので一撃は先制されてしまいそうだ。かわしてからダートを投擲するか?

 その予想は外れダートの射程範囲まで魔法は放たれなかった。個体差なのかわからないがチャンスだ。ゴブリンメイジの目を狙い左右からダートを1本ずつ投擲する。

 ダートはそのまま真っすぐゴブリンメイジの目に吸い込まれるかに見えた。しかし前に出ていたゴブリンナイトが1本を剣で弾き、もう1本を体を張って受け止める。肩にダートが突き刺さったが致命傷ではない。


「えっ!?」


 想定外の出来事に一瞬思考が停止する。その隙を狙ってか、ゴブリンメイジのグギャアという叫び声とともにファイヤーボールではない炎の渦がこちらに向かって放たれた。

 すぐ後ろでヒナが私を追い抜こうとしているのを感じる。それはダメだ。今出たら私もそうだがヒナが死んでしまうかもしくは大やけどを負ってしまう。

 まずい、まずい、まずい、まずい。

 目の前の炎の壁とも言えるゴブリンメイジの魔法を見る。1秒が引き延ばされたように時間がゆっくりと流れていく。ヒナが私の横を抜けようとしているのが見える。

 何とかしなければ、何とか・・・。

忍者屋敷の回転扉とかでくるくる回ったりするのはロマンですよね。

あとは天井の穴からのぞいたりとか。

読んでくださってありがとうございます。

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RINの外伝の小説を書いています。次のリンクから読もうのページに行くことが出来ます。 「お仕事ですよ、メイド様!!」(飛びます) 少しでも気になった方は読んでみてください。
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