どこまでも
「ハァハァ……ハァハァ……」
逃げなきゃ。
身体を動かさなきゃ。
「イヤッ!! やめてっ!!!」
「うるせぇ!!! 黙ってろ!!!」
なんで、なんでこんな事に。
「夏、逃げて!!」
本当にこれでいいの?
《少女5人と──含む──が保護され──》
「キミがやったのかい?」
そう……私が──
◇ ◇ ◇ ◇
「ハァハァ………またあの夢……」
最近、よく夢を見る。恐らくは夏ちゃんの記憶。
暴漢に襲われる……それから夏ちゃんの友達が……そして夏ちゃんが奴を……
夏ちゃんは何か事件に巻き込まれたんだろう。そこで夏ちゃんは……いや、夏ちゃんに限ってそんな事……
俺に……どうしろって言うんだよ。
「ナツ……zzz」
もし真実を知ったら、ハナと一緒にいられるのだろうか。ハナは一緒にいてくれるのかな……
もし望みを叶えたいなら、全てを知る必要がある。知った上でハナと……
【いいよぉ、嬉しいよぉ】
出たな蛆虫。
【とうとう元に戻る事を諦めたか】
いや、そんなつもりじゃ……
【あの子はお主無しではもう生きてはいけないぞ?】
まぁ、それは……俺も一緒っていうか……
【JC同士、んほぉ〜たまんねぇ〜】
……何が言いたいんだよ。
【時が来れば必ず導かれる。今無理に真実を知る必要はあるまい】
でもハナに隠し事をしているみたいで……
【その身体の以前の持ち主、そして溝口ハナを信じることだ。誰かを頼る、身を任せる……あの子が出来なかったことも、お主にはそれが出来るだろう。分かったら寝るがよい、明日も学校だ】
……そうだね、そうするよ。お休み。
◇ ◇ ◇ ◇
「ナツ、おはよー♪」
「うん、おはよ」
「昨日うなされてたけど……また嫌な夢見ちゃったの?」
「んー……大丈夫」
「……私ね、ナツに何かあっても……ずっと味方だから。天国も地獄も、ナツとだったらへっちゃらだよ♪」
その言葉とその笑顔に、心の奥にへばり付いていた何かがスッと落ちていく音がした。
自然と……ナツとして微笑んだ。
「私も……ハナとだったら、どこまででも行けそうな気がするよ」
「へへっ♪」
行き着く先に何が待つのか。
天も地も、二人でなら──
「ナツ、腕組んで行こ?」
「……今日はどこまで?」
「どこまでも♪ ほら、行こっ!!」
どこまでも。




