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神様になったTS妖狐はのんびり生活したい~もふもふ妖狐になった新人神様は美少女となって便利な生活のため異世界と日本を往復する~  作者: Jまる


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第72話 利権とお仕置き

72話ですけど、1話当たり4000文字にするとおおよそ半分に圧縮されます!

つまり実質31話!(混乱

 無事に眷属になったミレイさんとリディさん。

 二人は妖狐に変化したり人間に戻ったり繰り返して楽しんでいた。

 今後二人には聖女としての役割のほかに街の代表者兼巫女になってもらいたいと思っている。

 現巫女見習いとしては千早さんがいるが、千早さんは基本的にこの世界に長期滞在はしないので、長期間居ても問題ない現地人の巫女もほしい。

 千早さんの本来の居場所はボクの世界なので、新世界ということになる。


「そういえば、この森の利権ってどうなってるんですか?」

 最初のやり取りはもはや見る影もない。

 ボクはミレイさんと直接やり取りを始めることにした。

 

「はい。現在は大神殿が管轄しております。正確には精霊王であらせられたミリアム様の領域という認識でした」

 ん? となると、大神殿は精霊王を認識していた?


「ミリアムさん、そうなんですか?」

 ミリアムさんはそのことを知っているのだろうか?


「申し訳ありません、主。私は森と大地と地脈に関係する領域を管理していただけですので、領土だとか領地という認識はしておりませんでした。ただ青肌一族を含む、少数種族たちの庇護はしていましたが」

「なるほどです」

「実際、開拓可能な場所は開拓してもよいという免状をアルテ村は持っています。ですが、この森は浅瀬以外は開拓することが不可能なため、その内容から大神殿が受け持ったという経緯があります」

「内容?」

「はい。精霊王がおわす地というのは古くから伝えられていたのですが、実際に調査した際、中ほどより先に進むことができないよう強力な結界が張られているのが確認できました。そして結界解除を試みてその結界に関わると……」

「フェアリーノームに襲われると」

「はい」

「離れることでフェアリーノーム様も去っていくため、禁足地として扱われています」

 

 つまり、精霊王のいる土地だからちゃんと調べようとしたら進めなくて困った。

 よし、結界を解除しよう! ということになったので実行したら守護しているフェアリーノームが現れて困ったことに。

 結界に触れなければ何ともないので危ないから入っちゃだめですよとお触れを出した。

 ということになるようだ。

 

 アルテ村は森の開拓を断念し、大神殿が管轄することで領土問題の解決を図ったという感じかな?


「大神殿は神にゆかりのある土地や精霊にまつわる地などを管轄する責務があります。聖域など特にそうです」

 ということは、ここ以外にも同じような場所がいくつもあるということになるのか。


「わかりました。各聖域やそれに付随する場所は、ボクたちが調査しましょう。そういう場所にはそれなりの理由があるはずです。少数種族などがいるならなおのこと保護する必要もありますからね」

 そして最終的に少数種族はこの場所に集うことになると。


「ミリアムさん、ほかにも精霊王はいるのですか?」

「精霊王は全部で5名います。小規模聖域であれば大精霊が管轄しているはずです。主であれば各精霊王の移動や聖域の解除ができますので、そちらをどうするか考えたほうがいいでしょう。この都建設予定地に集まってもらうのも手だと思います」

 街を作るはずが、ミリアムさんの中では都になっているようだ。


「都ですか。神の都というのであれば【神都】ですね」

 ミリアムさんに同調したミレイさんのせいで、どんどん話が大きくなっている気がする。


「代表者はミレイさんに頼むつもりですが」

「え゛っ!?」

 神様は君臨すれど統治せずです。

 神都を作るなら、住人のことはその世界の住人がどうにかするべきだと思います。

 まぁ、そこに至る仕組みづくりはボクたちがやりますけどね。


「は、遥様は世界を治めないのですか?」

 驚いた様子でミレイさんが聞いてきた。


「はい。だってボクには自分の新世界がありますから。それにここはお爺様の世界ですので」

 ボクの重要な場所は日本と新世界です。

 それにここでのボクはいわゆる代理なのです。


「遥お姉様。ミカさんたちがミレさんを捕まえてきましたわ」

 ミレイさんとの話の途中、瑞歌さんがそんな報告をしてきた。

 見てみると、ミカとミナによってミレが運ばれている。


「ミーレー?」

 ボクが声をかけると、ミレがびくりと体を震わせて硬直する。

 さて、お仕置きタイムだ。


「じゃあミカとミナは抑えたまま、ミレの顔を固定してください」

 ボクがそう指示すると、ミレの顔を二人が固定し始める。

 そしてボクは歯ブラシと取り出すと、ミレの口に向けて近づいていく。


「はーい、ミレ? 歯みがきタイムですよ~。口開けてくださいね~」

 今回ミレに行う復讐。

 それは公衆面前歯みがきタイムだ。


 ミレはボクの指示を聞いて小さな口をおずおずと開く。

 そしてその小さな隙間に歯ブラシを差し込んだ。

 ミレ、若干半泣き。


「しかし、ここまでやっておいてなんですけど、見た目がいじめみたいになっていますね。やめましょうか」

 半泣きの少女の口に差し込まれる歯ブラシと囲まれる少女。

 絵面が悪すぎた。


「はい、じゃあここまで。ミレ、もう勝手に撮らないでくださいね?」

 終わりの合図をすると、ミカとミナがミレの拘束を解いた。

 ミレはボクの話を聞いてコクコクと頷くと、なぜか土下座を始めるのだった。


「はいはい。ほら、立って立って。やることはまだあるんですからね」

 土下座するミレの頭をなでながらそう言うと、ボクはミレイさんたちのほうに向き直る。

 

「さて、お騒がせしましたけど、解決したので次を決めていきましょう。新世界とこの場所に作る街のことです」

 さて、アルテの利権を害さない程度に発展させるにはどうすればいいかを考えないといけない。

 もう少し奥に作るよう決めるべきだろうか?

 

お読みいただきありがとうございます!

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