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ショートショート10月~2回目

流れ星、ほうき星

作者: たかさば
掲載日:2021/10/26

大海のど真ん中に、俺、一人。

すったもんだのあげくに、どろまみれ。

決心の末の、結果ではあるけどさ。

テンション下がるわ、マジで。


「おーい!誰かー!」


たまんねーなー、俺ちょー不幸じゃね?

すげえな、何このカオス。

けっ、うごけねーでやんの!

てゆーか、マジついてねー。


「おーい!誰か、いねーの?!」


たすけてくれよ…地獄なんだけど。

たすけてくれたら、何でもするからさ…ホント。



・・・たすかるわけない、か。



大海の中に、俺一人ってね。

すべての人間は、死んだ後だしな。

穢れた大地に、俺一人ってね。

天に召された、人の山がよー見える。


……たすけてやったのは、俺さ。


……たすけてもらえないのは、俺さ。



たすかるわけない、わかっていたさ。


すべてを飲み込む、厄災が来やがるってね。


気高き人を、人として全うさせたかったのに。


天から地へと、貫いた。



多大なる恩恵を与えてくれた人に、感謝の念を。


素晴らしい教えをくれた人に、せめてもの救いを。


健気に生きる人に、地獄を見せぬよう。


天に帰すのは、己の使命と信じ。



助けたかった。

助けられなかった。

助けたいと願った。

助けられないと知っていた。

助けるために何ができるか考えた。


助けることができないならば。


ただ、速やかに、終わらせたかった。


ただ、それだけだった。


誰も、苦しませたくなかった。


誰にも、希望を持たせたくなかった。


誰も、助からないと知っていた。


誰も、いなくなったこの星で。


ただ一人、命を持たぬ、俺だけが。


たった一人で、星の最後を見届ける。


たった一人で、見届けて。



たったいま。


彗星がひとつ生まれ。


経験を求めて旅立った。


天の消えた空は塵に紛れ、星は跡形もなく舞い。



たった一人で、また星を巡る。


たった一人で、命を探し。


たった一人で、命を見つけ。


たった一人で、命を見守り。


たった一人で、命を見届け。


たった一人で、永遠に。


……たった、一人で。



……さようなら。


ようやく、宇宙に、飛び出した。


うなりをあげた、ほうき星。


なんて綺麗な流れ星と、見上げた誰かを思い出す。


来世があるならば、人になりたい。




さようなら。



ようやく、前に進めそうだ。



うるわしき青い星の記憶を、胸に。



なんども思い出すであろう、星の記憶を胸に。



楽園の記憶を抱き、一人、宇宙をゆく。




……ありがとう。




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― 新着の感想 ―
[一言] あぁ〜。ほうきぼしも大変ですね。一人でずーっと飛んでないといけないですので。寂しいのかぁ〜。さみしぃんかぁ〜?
[良い点] わあい宇宙だあ。宇宙を書きたくなる今日このごろ [気になる点] こいつ自分に酔っているw [一言] 人類なんか、放し飼いすれば十分ですよ。
2021/10/26 23:29 退会済み
管理
[良い点] 哀しく切ないけれど、はかなくちいさな希望の光が見えるオチが美しく愛おしいです。
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