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高校生150名が異世界廃墟に集団転移したようです。みんなは戸惑っているようですが、おれたち三人は好きにやらせて貰います。  作者: (=`ω´=)
ダンジョン篇

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各種の条件

「あと、気をつけなければいけないのは」

 恭介は続けた。

「チュートリアルの時もそうでしたが、終了する条件が提示されていないんですよね、これ。

 最初にダンジョンをクリアすれば、とか、すべてのダンジョンをクリアすれば、という条件は、どちらもプレイヤーがボーナスを得るための条件で。

 どうすればゲームを終わらせられるのか、明記されていないんです」

「……いわれてみりゃ、そうだな」

 これまでを思い返してから、小名木川会長は頷く。

「今回チュートリアルが終わったのは、あー。

 多分、だが。

 達成率が百パーになったからだ」

「今日のは、百パーだったんですか?」

「そうだ。

 昨日、今日と百パーだったが、昨日のはかなり特殊な例になるからなあ。

 純粋にプレイヤーの力とは、いえない。

 というか、こちらに有利な条件ばかりが重なった結果、だから」

「なるほど」

 恭介は頷いた。

「ダンジョン攻略の場合、どうなればその百パーになるんでしょうね?

 すべてのプレイヤーが、すべてのダンジョンを攻略し終えたら?」

「だとすれば、気が遠くなるな」

 小名木川会長は首を横に振った。

「ただでさえ、今の時点ではダンジョンの規模がわかっていないってえのに。

 まあ、生徒会の仕事としては、当面、やることは変わらないんだが」

「お疲れ様です」

 恭介は、もっともらしい顔をして頷く。

「あ、お前らもな」

「はい?」

「うちの屋根も早々に直して貰わんといかんが、それ以外に、ここの舗装もやっておくように」

「ここ、とは?」

「中央広場の地面、な。

 ここをほじくり返したのは大半、お前らのパーティだ。

 それにここは、今は宙野弟の所有ってことになっている。

 責任持って整備しておけ」

「あ、はい」

 恭介としては、頷くしかない。

 生徒会も他のプレイヤーも、現状では結構いっぱいいっぱいなはずであり。

 それくらいの負担を負うくらいなら、仕方がない。

 と、そう思えた。

 いずれ手を着けるにしろ、今日中は無理かな、とも思う。

 今の中央広場は、チュートリアル終了に浮かれたプレイヤーたちが多数集まっていて、かなり浮かれた様子になっていた。

 今から人払いをするのも大変そうであったし、恭介にしても、別に急ぐ理由もない。


「ちょっといいか、君」

 小名木川会長が去ると、周囲でやり取りをしていたプレイヤーたちが恭介に殺到する。

「訊きたいことがあるんだが」

「と、いわれましても」

 恭介は両手を横に広げる。

「おれ、皆さんと同じ、一プレイヤーに過ぎません。

 皆様に教えられることなんて、なにもないと思いますが」

「いや、さっきの会長とのやり取りを見てればわかる。

 まだまだ君は、隠していることがあるはずだ!」

 わいわいと、多人数に囲まれて、そんな意味のことをいわれた。

 なんというか、その場に居るプレイヤーは、みんな、殺気立っている。

「今、おれが会長に話した内容はすべて、そういう解釈も可能だ、という程度の確度の低い情報に過ぎません」

 恭介は冷静な声で指摘をする。

「今の時点では、単なる推測に過ぎない、っていうか。

 なんなら、皆さんでも自分で考えれば、これくらいの結論は導けるものと思います」

 恭介としては、自分の推論などに過度の価値があるとは、考えていない。

「これくらい、誰でも頭を働かせれば出て来る結論だろう」

 というくらいの評価しか、していなかった。

「では、仮に君が、最初にすべてのダンジョンをクリアしたとしたら、システムになにを願う?」

「おれなら、そうですね」

 恭介はほんの数秒、考える。

「元の世界への帰り方を、質問すると思います」

 なにしろ、この世界は。

 各種のインフラもない。

 まともな医療もない。

 現状、マーケットが存在するからどうにかなっているが、その状態がいつまで続くのか、なんの保証もない。

 マーケットが存続したとしても、なんらかの事情でポイントを稼げなくなれば、そこで詰む。

 生存に不利な要素ばかりであり、恭介としては、早々に帰還したいところだった。


「ああ」

「それは、そうか」

 恭介の回答を聞いた者が、みんな、がっくりと肩を落とす。

「念のために訊くが、君は、元の世界へ戻る方法を知らないんだな?」

「知っていれば、今、こうしてこんなところに居ませんよ」

 恭介は、素直にそう答えた。

「かけらもヒントを得られていないから、ここに居るわけで」

「まあ」

「それは、そうだよな」

「ダンジョンが出来るまでにやっておくべきこと、って、なにかないか?」

「生活環境を整えてください」

 恭介はいった。

「規則正しい生活を送る。

 日中は適度に運動する。

 食生活にも気をつける」

 常識論の域を出ていないが、こんな状況ではことさらに気をつける必要がある。

 と、恭介は思っていた。

 フィジカルな不調は、メンタルにも影を落とす。

 不安要素は、ひとつひとつ、丁寧に、潰していくしかない。

「ダンジョンが使用可能になる前に、ポイントを稼ぎたいんだが」

「ああ、それならね」

 遥が、割って入る。

「森の中に入って、そこの野生動物を狩る。

 あれ、結構ポイント稼げるよ。

 同じサイズなら、チュートリアルで出て来たモンスターより少し割増しって感じ。

 個体によって差はあるけど、二割から五割増しくらいにはなる」

「森、かあ」

「市街の外に出る発想はなかったな」

「野外で活動するわけだから、それ用の用意をしておかないと、自分が困ったことになるよ。

 服装とか靴とか、ちゃんと揃えて。

 ジョブなら斥候がお勧め。

 察知のスキルがあるのとないのとでは、狩り効率が全然違ってくるから」

 とうとうと続く遥の説明を、真面目にメモし出す者も居る。

「PPではなく、CPだけなら。

 別に狩りをしなくても、生徒会の仕事を請けるだけでも得られるんじゃないかなあ」

 ぼそり、と、恭介が呟いた。

「今、PPってそれほど切迫して必要でもないわけでしょ。

 この先はどうなるか、わからないけど。

 CPとか地道に稼いで、レベルをあげるって道もある」

「それも、そうか」

「市街内部整備の仕事は、確実に増える。

 とか、いってたもんな」

「おれたちだって、いつまでも瓦礫の中で生活していたくはないし」

「CPってのは、どうも、誰かのためになることをすれば発生し、稼げるシステムのようですから」

 恭介は、そう結論した。

「チュートリアルと次のゲームの合間で、余裕のある今のうちに、いろいろ試していてもいいかも知れませんよ。

 どういったことをすればどれくらいのCPが発生するのか、その条件の検証、とか」

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